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米アンソロピックの500億ドルAIインフラ計画を支えるFluidstack、15億ドル調達と報道

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AIインフラ企業のFluidstackが、Jane Street主導の資金調達で15億ドルを確保し、評価額が180億ドルに達したとForbesなどが報じた。Fluidstackは今回の調達について、9月5日時点で公式発表していない。
同社はAnthropicが米国で進める500億ドル規模のコンピューティングインフラ計画で、テキサス州とニューヨーク州を皮切りに専用データセンターを整備する。巨額の評価は成長期待を映す一方、電力、資金、建設許認可を確保しながら大規模施設を予定通り立ち上げられるかが問われる。
■GPU仲介市場から専用AIインフラへ
Fluidstackは2017年に英国で創業し、当初はデータセンターや研究機関などで使われていないGPUの処理能力を集約して、利用者へ提供するマーケットプレイスを運営していた。
生成AIの普及に伴って大規模な計算資源への需要が拡大すると、同社は余剰GPUの仲介を中心とする事業から、AI企業向けの専用クラスターやデータセンターを設計、構築、運用する事業へ軸足を移した。
英国で提出された法人書類によると、2024年の売上高は約6620万ドルで、2022年の約180万ドルから大きく増加した。Fluidstackは2026年7月、1月にSituational Awareness主導で8億3000万ドルのシリーズAを実施し、評価額が75億ドルになったことを公式に明らかにしている。
今回報じられた資金調達が成立していれば、同社の評価額はこの75億ドルから約2.4倍になったことになる。Forbesによると、新たなラウンドはJane Streetが主導し、15億ドルを調達した。評価額は180億ドルとされるが、投資条件の詳細や参加投資家は公表されていない。
Fluidstackは2025年12月、グローバル本社をロンドンからニューヨークへ移す方針を発表した。米国でデータセンターや電力インフラに関する人員を増やし、大規模なAIインフラ需要に対応する狙いである。
一方、同社は2025年2月、フランス政府との間で、最大100億ユーロを投じて1ギガワット規模のAIコンピューティング施設を整備する覚書を締結していた。その後、2026年3月にはフランスで予定していた複数のデータセンター計画から撤退し、米国での事業を優先していると報じられた。
■Anthropicが発表した500億ドルのインフラ計画
Fluidstackの成長を支える最大の案件が、Anthropicによる500億ドル規模の米国コンピューティングインフラ投資である。
Anthropicは2025年11月、Fluidstackと協力してテキサス州とニューヨーク州にデータセンターを建設し、その後も拠点を追加すると発表した。施設はAnthropicのワークロード向けに設計され、2026年を通じて順次稼働する計画である。
500億ドルはAnthropicが表明したインフラ投資全体の規模であり、同額が一括してFluidstackへ支払われることを意味するものではない。具体的な契約期間、拠点数、各施設への投資額、Fluidstackが受け取る収益の算定方法は公表されていない。
Anthropicは、Fluidstackを選んだ理由として、大規模な電力容量を迅速に確保し、施設を展開する能力を挙げている。同計画では約800人の常用雇用と2400人の建設関連雇用を生み出すとしている。
Fluidstackは、自社の強みを、電力の確保、データセンターの設計と建設、ハードウェアおよびソフトウェアを含む運用を一体で担える点に置く。同社は、従来18~24カ月かかる規模のコンピューティングインフラを、約6カ月で展開することを目標として掲げている。ただし、これは同社が示す事業上の目標であり、すべての施設に共通する実績値ではない。
Fluidstackの出資者が共有した投資資料について、報道では同社の売上高が2025年の約2億ドルから2026年に6億6000万ドルへ増えるとの予測が示された。この数値は会社の確定業績や公式業績予想ではなく、投資家向け資料に基づく予測である。
■施設、電力、運用基盤を組み合わせる事業モデル
FluidstackはGPUクラウドとして出発したが、現在はデータセンター施設、電力、ネットワーク、専用クラスターの構築・運用を組み合わせた事業を展開している。
一般的なGPUクラウド事業者には、高性能GPUを自ら購入し、その計算能力を顧客に貸し出す企業が多い。これに対してFluidstackが進める大規模案件では、顧客や提携先が調達する半導体を収容し、施設と運用環境を提供する構造が重視されている。
GPUの購入費と世代交代による価値低下をすべて自社で負担しない構造は、必要資本を抑える方向に働く。その反面、専用施設を利用する大口顧客の需要や信用力、長期契約の継続性が事業の安定性を大きく左右する。
Fluidstackのソフトウェア基盤には、ベアメタル環境を管理するAtlasと、監視・可観測性・信頼性機能を提供するLighthouseがある。ベアメタルとは、仮想化された共有環境ではなく、物理サーバーを顧客の処理に直接割り当てる構成を指す。
LighthouseはGPUや関連ハードウェアの状態、温度、電力、メモリー、PCI Express、NVLinkなどを監視し、障害の兆候を検出する。FluidstackはKubernetesやSlurmを利用したクラスター環境にも対応し、大規模なAI学習処理を運用するための管理機能を提供している。
こうした仕組みの焦点は、特定の半導体を保有すること自体ではなく、顧客が必要とする計算環境を施設、ネットワーク、電力、ソフトウェアの各層で構築することにある。複数の半導体やシステム構成を受け入れられる運用能力は、AI企業が計算基盤を分散する際の選択肢となり得る。
■Googleが支えるデータセンター賃貸契約
Fluidstackの米国展開では、暗号資産マイニング向け拠点をAIデータセンターへ転用するTeraWulfやCipher Miningとの契約が重要な役割を担う。
TeraWulfは2025年8月、ニューヨーク州のLake Mariner拠点でFluidstackと10年間のデータセンター賃貸契約を締結した。契約は当初200メガワット超の重要IT負荷を対象とし、その後の追加契約を含めると約360メガワットとなった。
GoogleはFluidstackが負う賃貸契約上の一部債務を保証する見返りに、TeraWulf株を取得できるワラントを受け取った。Fluidstackが賃料を支払えなくなった場合などには、Googleが契約に定められた金額を支払うか、賃借人として契約を引き継ぐことができる。
Cipher Miningも2025年9月、テキサス州のBarber Lake拠点でFluidstackと10年間の契約を締結した。当初契約は168メガワットの重要IT負荷を対象とし、契約期間中の収益は約30億ドルとされた。GoogleはFluidstackの債務のうち14億ドルを保証し、Cipher Mining株を取得できるワラントを受け取った。
これらの仕組みはFluidstackへ直接資金を提供する融資とは異なる。Googleによる保証が施設所有者の信用リスクを軽減し、TeraWulfやCipher Miningが建設資金を調達しやすくする構造である。
■Jane Streetの投資とAIインフラへの関与
今回の資金調達を主導したと報じられたJane Streetは、電子取引とマーケットメイクを手掛ける非上場企業である。Reutersによると、同社の2026年第1四半期のトレーディング収益は161億ドル、利益は103億ドルに達した。
Jane StreetはAIインフラの利用者かつ投資家でもある。CoreWeaveとは計算資源の利用契約を結び、同社への株式投資も行っている。また、AnthropicなどAI関連企業の株式を保有していると報じられている。
ただし、Jane StreetやFluidstackは今回の投資目的を公式には説明していない。Fluidstackの顧客関係や半導体への中立性が投資判断を直接決定したとまでは確認できない。
15億ドルの新規資金は、電力容量の確保、設計、建設、採用、施設運用など、資本需要の大きい米国事業を拡大するための余力となる。一方、評価額180億ドルは将来の施設整備と契約履行に対する期待を大きく織り込んだ水準でもある。
■評価を左右する建設力と顧客集中
Fluidstackの事業モデルでは、GPUを大量に購入して貸し出す場合と比べて、半導体の陳腐化リスクを抑えられる可能性がある。その一方で、同社が確保する施設や電力容量を顧客が長期間利用し続けることが重要になる。
とりわけAnthropicの500億ドル規模の計画は、Fluidstackの将来像に大きな影響を与える。大口契約は長期的な需要の見通しを支えるが、建設の遅れや計画変更が生じた場合の影響も大きい。
AIデータセンターの建設には、土地、送電網への接続、発電容量、冷却設備、半導体、建設資材、許認可、地域社会との調整が必要となる。複数の施設を短期間に並行して開発するには、資金だけでなく、工程管理と供給網を含む継続的な実行力が求められる。
Fluidstackは2026年内にAnthropic向け拠点の稼働を始める計画を掲げている。今回報じられた15億ドルの調達と180億ドルの評価が妥当だったかを測る材料は、調達額そのものよりも、今後の施設引き渡し、稼働容量、契約収益の積み上がりに表れることになる。
元記事: FluidStack Closes $1.5B: Revenue Soars From $1.8M to $660M Projected While Owning Zero Chips
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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