月面の96%が赤銅色に染まる可能性、8月28日に南北アメリカで深い部分月食

2026年8月20日 17:21

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記事提供元:Tech Times

Photo by Zoltan Tasi on Unsplash

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2026年8月28日、月面の面積の約96%が地球の本影に入る、皆既に近い部分月食が発生する。南北アメリカを中心に観測でき、影に入った月面の大部分が赤銅色や暗いオレンジ色を帯び、北側の縁に細い明部が残る可能性がある。

食の最大は日本時間の8月28日午後1時13分ごろで、日本では月が地平線の下にあるため観測できない。日本の読者は、海外の天文台などが実施するオンライン中継で楽しむことになる。

■月面の約96%が地球の本影に入る

今回の月食は、協定世界時の8月28日午前4時13分ごろに最大を迎える。米国東部夏時間では同日午前0時13分ごろ、太平洋夏時間では27日午後9時13分ごろにあたる。

最大時の本影食分は約0.93である。本影食分は、月の直径に対して地球の本影がどこまで入り込むかを表す値で、月面の面積比とは異なる。今回、直径方向では約93%の深さまで本影に入り、円盤状に見える月面の面積では約96%が本影に覆われる。

部分食は日本時間の午前11時34分ごろから午後2時52分ごろまで、約3時間18分続く。半影食を含めると、現象全体は午前10時24分ごろから午後4時2分ごろまでの約5時間38分となる。

■サロス138で最も深い部分月食

今回の月食は、約18年11日ごとに似た配置で繰り返される「サロス周期」のうち、サロス138に属する。サロス138は1521年に始まり、2982年まで続く82回の月食系列で、今回が29番目となる。

今回の本影食分は約0.93で、サロス138に含まれる部分月食の中では最大となる。同じ系列で次に起こる2044年9月の月食は皆既月食となるため、今回は同系列が部分月食から皆既月食へ移る直前の節目にあたる。

サロス周期は223朔望月、約6585.3日に相当する。この期間が過ぎると、太陽、地球、月の相対的な配置や月と地球の距離が似た状態に戻るため、形や深さの近い月食が繰り返される。

■3回の皆既月食に続く4回目

2025年3月14日、同年9月8日、2026年3月3日には、約6カ月間隔で3回の皆既月食が発生した。今回の深い部分月食は、その流れに続く4回目の月食となる。

約6カ月間隔で皆既月食が4回続く現象は「テトラッド」と呼ばれる。今回は4回目だけが部分月食となるため、一般に「オールモスト・テトラッド」や「ほぼテトラッド」と表現されることがある。

月面全体が本影に入る皆既月食にはわずかに届かないものの、影に入る面積は約96%に達する。最大時には北側の縁に直射日光を受ける細い明部が残り、その周囲に暗く赤みを帯びた月面が広がると予想される。

■月面が赤銅色に見える仕組み

月食中の月が赤みを帯びるのは、地球の大気を通過した太陽光が本影の中へ届くためだ。大気中では波長の短い青色の光が強く散乱され、比較的散乱されにくい赤やオレンジ色の光が残る。さらに、大気による屈折でその光の一部が地球の影へ回り込み、月面を照らす。

これは、朝焼けや夕焼けが赤く見える現象と共通する大気光学の仕組みである。地球の周縁部を通った光が月面へ届くことで、本影の内部は完全な暗闇にはならず、赤銅色や暗いオレンジ色を帯びて見える。

実際の明るさや色合いは、その時点の地球大気に含まれる雲、ちり、煙、火山性エアロゾルなどの状態に左右される。このため、最大時にどの程度鮮やかな赤色になるかを事前に正確に決めることはできない。影の中心に近い部分ほど暗く、本影の縁に近い部分ほど明るく見える色の勾配も観測の見どころとなる。

■南北アメリカで好条件、日本では見られず

月食は南北アメリカの広い範囲で好条件となり、中部・東部の北米や南米の多くでは、半影食の始まりから終わりまで観測できる。北米西部では月食の途中で月が昇る地域があり、ヨーロッパやアフリカの一部では月が沈む前の低い空で一部の段階を観測できる。

日本を含むアジアの大部分では、主要な現象が起こる時間帯に月が地平線の下にある。国立天文台も、8月28日の部分月食は日本では見られないとしている。

月食は日食と異なり、肉眼で安全に観測できる。特別な保護メガネやフィルターは必要ない。双眼鏡や小型望遠鏡を使えば、地球の本影が月面のクレーターを横切る様子や、暗い本影と明るく残る縁との色彩の違いを詳しく観察できる。

■グリフィス天文台がオンライン中継

米ロサンゼルスのグリフィス天文台は、現地時間の8月27日午後7時25分から28日午前0時5分まで、天候が許せば月食のオンライン中継を実施する予定だ。現地での一般観望も27日午後7時25分から午後11時まで予定されている。

ロサンゼルスでは月が昇った後に部分食が始まり、午後9時13分ごろに最大となる。日本では昼間にあたり月食そのものは見られないが、中継開始は日本時間の28日午前11時25分、最大は午後1時13分ごろとなる。

■8月の食シーズンを締めくくる月食

今回の部分月食は、8月12日に協定世界時で発生した皆既日食と同じ食シーズンに属する。日本時間では皆既日食が8月13日未明、部分月食が8月28日午後となり、約2週間の間隔で太陽と月の食が続く。

2026年8月は、月明かりの影響が少ない条件でペルセウス座流星群が極大を迎えた時期とも重なる。新月付近に皆既日食が起こり、その約半月後、満月となった月が地球の影に入るという一連の天体配置をたどる。

次の月食は2028年1月12日の部分月食だが、本影食分は約0.07と浅い。2028年12月31日には皆既月食が発生し、日本時間では2029年1月1日に日本全国で観測できる見込みだ。

■注目ポイントQ&A

●今回の月食は「ブラッドムーン」ですか?

「ブラッドムーン」は一般に赤く見える皆既月食を指す通称です。今回は部分月食ですが、月面の面積の約96%が本影に入るため、大部分が赤銅色や暗いオレンジ色に見える可能性があります。細い明部が残る点が皆既月食との違いです。

●食分約0.93と月面の約96%は、なぜ数値が違うのですか?

本影食分は、月の直径を基準に影が入り込む深さを表します。一方、約96%という数値は、本影に入る月面の面積比を示します。直径方向の割合と円盤の面積割合を表す別の指標です。

●日本から観測できますか?

日本では観測できません。食の最大となる日本時間の8月28日午後1時13分ごろ、月は地平線の下にあります。海外の天文台などによるオンライン中継で視聴できます。

●観測に日食メガネや望遠鏡は必要ですか?

必要ありません。月食は肉眼で安全に観測できます。双眼鏡や望遠鏡を使うと、地球の影の境界や月面の色の変化をより詳しく楽しめます。

●サロス138が重要なのはなぜですか?

今回がサロス138に含まれる部分月食の中で最も本影食分が大きく、次の2044年9月の月食から同系列が皆既月食に移るためです。系列の変化を示す節目の月食といえます。

元記事: Lunar Eclipse Closes Rare 18-Month Sequence: Why 96% Looks Like Blood Moon

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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