アニメ版『ウォーリアーズ』初の制作中映像を公開、ロドリゴ・ブラス監督がラスティーを立体造形

2026年8月18日 14:27

印刷

記事提供元:Tech Times

制作スタジオが公開した、アニメ版『ウォーリアーズ』のコンセプトアート。(Warriorcats.com)

制作スタジオが公開した、アニメ版『ウォーリアーズ』のコンセプトアート。(Warriorcats.com)[写真拡大]

世界累計9,000万部を超える児童ファンタジー小説『ウォーリアーズ』を原作とするアニメシリーズの制作中映像とキャラクターアートが、2026年8月13日に中国・深圳で開かれたファンイベントで初公開された。ロドリゴ・ブラス監督は、主人公ラスティーを手作業で造形した立体模型も披露した。

本作は2028年にDisney+とディズニー・チャンネルで公開される予定で、中国と東南アジアではテンセント・ビデオのプラットフォームで配信される。日本での配信形態や開始時期については、現時点で個別の正式発表を確認できない。

■手作りの立体模型から始まったラスティーのデザイン

深圳のイベントには、ブラス監督とテンセント・ビデオのコンテンツ制作担当幹部であるワン・ジョウ氏が登壇した。会場では、アニメーション化されたキャラクターや森の環境を収めた制作中映像が上映され、作品のビジュアル開発の一端が初めて一般に示された。

中心となったのは、ブラス監督が自ら制作したラスティーの立体模型だ。公開されたのは完成映像用のデジタルモデルではなく、画面外でもキャラクターの形を検討するために作られた物理的な模型だった。模型の詳しい材質や、デジタルモデルへの取り込み方法は公表されていない。

物理的なマケットを使う手法は、CGアニメーションのキャラクター開発でも長く用いられてきた。立体物をさまざまな角度から観察し、頭部や胴体の量感、輪郭、姿勢の見え方を確かめたうえで、デジタルモデリングの参考にできる。ピクサーの制作工程でも、スケッチや粘土製マケットを基に仮想的な3Dモデルを作り、場合によっては模型をデジタルスキャンして参照する方法が紹介されている。

ブラス監督は、ピクサー在籍時に『ファインディング・ニモ』『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』『WALL・E』などに参加したほか、『トロールハンターズ:アルカディア物語』や『スター・ウォーズ:ビジョンズ』の短編「Sith」でも監督を務めた。今回の模型には、手で形を探りながらキャラクターを立体化する、そうした制作経験が反映されている。

ラスティーは、日本語版小説では「ラスティー」と表記される飼い猫だ。身近なイエネコらしさを残しながら、物語の中心人物として感情や成長を伝えられるデザインが求められる。現実の猫を見慣れた視聴者にも自然に受け入れられる形と、アニメーションならではの表現力を両立させるうえで、立体模型は造形を検討するための手掛かりになる。

■2028年公開、原作第1期を描く初の公式アニメ

『ウォーリアーズ』は、複数の作家が共有するペンネーム「エリン・ハンター」で執筆されてきたシリーズだ。2003年の第1作刊行以来、38言語に翻訳され、累計発行部数は9,000万部を超えている。

今回のテレビシリーズは、権利者が認めた初の公式アニメーション作品となる。原作第1期「Warrior Cats: The Prophecies Begin」を基礎とし、日本では小峰書店から『ウォーリアーズ 第1期』全6巻として刊行されている。

物語の主人公ラスティーは、安全な家で暮らしていた飼い猫だ。森に足を踏み入れたことをきっかけに、野生猫の集団であるサンダー族へ迎えられ、「ファイヤポー」の名を与えられる。生まれたときから森で訓練を積んできた猫たちの中で、見習いとして戦士を目指しながら、部族を揺るがす争いと秘密に直面していく。

日本語版では、ThunderClanは「サンダー族」、StarClanは「スター族」と表記されている。本作が日本で正式に展開される場合のアニメ版固有名詞については、現時点で日本語版の公式表記が発表されていないため、本記事では既刊小説の表記に合わせた。

■オリジナル・フォースと欧米の制作陣による国際共同体制

アニメーション制作は、テンセント・ビデオに代わって中国・南京を拠点とするオリジナル・フォースが担当する。同社はCGアニメーションやゲーム向けコンテンツを手がけ、3Dモデル制作、リギング、アニメーション、モーションキャプチャー、スキャン技術などを含む制作基盤を持つ。

ブラス監督が拠点とするマドリードのEl Guiri Studiosも制作に参加している。ショーランナーは、『ホワット・イフ...?』『ミズ・マーベル』『トロールハンターズ:アルカディア物語』などに携わったA・C・ブラッドリーが務める。

英国で生まれた出版IPを基に、中国のテンセント・ビデオとオリジナル・フォース、スペインを拠点とするブラス監督らが制作し、Disney+とディズニー・チャンネルで展開する国際共同体制となる。中国と東南アジアではテンセント・ビデオが展開し、それ以外の地域についてはCoolabi GroupとDisney Kids & Familyの契約に基づいて公開される予定だ。

公開時期は2028年と発表されているが、具体的な配信開始日や話数、各国・地域での提供条件は明らかになっていない。

■猫の社会性が作品世界を読み解く補助線になる

『ウォーリアーズ』では、猫たちは部族ごとに縄張りを持ち、戦士、見習い、治療師、族長といった役割を担いながら、祖先から伝わる掟に従って暮らしている。この明確な役割分担と規律は物語上の仕組みだが、現実の猫に見られる社会性と重ねることで、作品世界を読み解く興味深い補助線が得られる。

野外で暮らすイエネコは、常に単独で行動するとは限らない。十分な食物資源が集まる環境では、互いを識別する内部構造を持った集団が形成されることが、猫の社会行動に関する研究で報告されている。そうした集団は血縁関係にある雌を中心とすることが多く、子猫の世話や毛づくろいなどの協力行動も見られる。

一方、『ウォーリアーズ』の部族は、血縁だけでなく掟、役職、訓練、忠誠によって維持される共同体として描かれる。族長や副長は性別を問わず登場し、見習いは指導役の戦士から知識や技能を学ぶ。現実の猫の柔軟な集団形成に、人間社会にも通じる制度や道徳的な葛藤を重ねたことが、シリーズ独自の物語構造を生み出している。

匂いを使ったコミュニケーションや縄張りをめぐる行動も、作品と猫の行動研究に共通する要素だ。猫は頬などをこすりつけたり、排泄物や尿によるマーキングを行ったりして、周囲に化学的な情報を残す。原作に繰り返し登場する境界の巡回や匂いの確認は、こうした猫の感覚世界に、部族の規律や対立という物語的な意味を加えた表現といえる。

■初公開された映像は制作途中の素材

公式サイトは、深圳で披露したキャラクターアートや映像が最終版ではないと明記している。今回公開された素材から分かるのは、森や川辺などの環境、猫ごとのシルエットや模様、動きの方向性といった、現段階でのビジュアル開発の考え方だ。

制作チームは、長年にわたってファンが自主制作アニメーションやアートを発表してきたことにも言及した。ブラス監督は、公式作品を待たずに自分たちの手で物語を描いてきたファンの創作を見てきたと述べ、公式チームも制作過程をファンと共有していく姿勢を示している。

公開まで約2年を残した段階で制作中素材を披露した背景には、完成版だけでなく、登場人物や世界が形作られていく過程もファンと分かち合おうとする狙いがある。ラスティーの手作り模型は、その制作姿勢を象徴する最初の成果となった。

■関連ゲームも展開

『ウォーリアーズ』では、アニメとは別の制作チームによるゲーム展開も進んでいる。ターン制RPG『Warrior Cats: Clans of the Forest』は、2026年秋にPC、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch、Nintendo Switch 2向けに発売される予定だ。

ゲームでは、サンダー族、リヴァー族、シャドウ族、ウィンド族を題材にした4つの物語が用意され、プレイヤーは自分の猫を作成して部族での生活や戦いを体験する。日本での発売、対応言語、正式な日本語タイトルについては確認できていない。

Red Games Co.が開発するモバイルゲームも、2027年の配信が計画されている。アニメ、家庭用・PC向けRPG、モバイルゲームはそれぞれ独立した企画であり、現時点で物語が直接連動するとの発表はない。

■注目ポイントQ&A

●アニメ版『ウォーリアーズ』はいつ公開されますか?

2028年の公開が予定されています。具体的な日付や話数は発表されていません。

●どのサービスで視聴できますか?

Disney+とディズニー・チャンネルでの展開が発表されています。中国と東南アジアではテンセント・ビデオのプラットフォームで配信予定です。日本での配信開始日や提供条件は、現時点で個別に発表されていません。

●今回上映されたのはパイロット版ですか?

パイロット版とは発表されておらず、公式には制作中の映像とされています。キャラクターアートを含め、最終版ではありません。

●ラスティーの模型は粘土で作られたのですか?

ブラス監督が手作業で制作した物理的な立体模型であることは報じられていますが、材質は公式情報や主要報道で特定されていません。

●アニメは原作のどこから始まりますか?

原作第1期「Warrior Cats: The Prophecies Begin」を基礎にします。日本では『ウォーリアーズ 第1期』全6巻として刊行され、飼い猫ラスティーがサンダー族に加わり、ファイヤポーとして成長する物語が描かれています。

元記事: Warrior Cats Animated Series Reveals First Footage: Pixar Veteran Built Rusty by Hand

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

関連キーワード

関連記事