【分析】SHEIN、香港IPOで評価額大幅切り下げ ピーク時の約4分の1―米欧の通商規制で成長失速

2026年8月18日 11:09

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記事提供元:International Business Times

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 中国発のオンライン衣料通販大手SHEIN(シーイン)が計画する香港での新規株式公開(IPO)で、企業価値の評価額が約250億ドル(約3兆9800億円)にとどまる可能性がある。2022年の資金調達時につけた982億ドル(約15兆6600億円)の約4分の1に相当し、関税負担や規制強化、売上高の伸び鈍化による事業環境の変化を鮮明に示している。

 ロイター通信が取引に詳しい関係者の話として報じたところによると、SHEINは香港IPOで約250億ドル(約3兆9800億円)の評価額を想定している。別の関係者は、投資家向けに提示された仮条件に基づく評価額を250億~280億ドルとしている。関係者はいずれも、条件の正式発表前であることを理由に匿名を求めた。

 SHEINは早ければ今週中にもIPO手続きを開始し、発行済み株式総数の最大8%に相当する株式を売り出す計画だという。評価額が250億ドル(約3兆9800億円)の場合、調達額は最大20億ドル(約3190億円)となる。

 最新の評価額は、SHEINが8月初めに投資家との面談を開始した時点で目指していた300億~400億ドル(約4兆7800億円~約6兆3800億円)を大幅に下回る。ロイター通信は当時、目標額と上場時期は最終決定ではなく、投資家の反応を受けて変更される可能性があると報じていた。

 SHEINは2022年の資金調達で982億ドル(約15兆6600億円)と評価され、当時、世界で最も企業価値の高い未上場企業の一角に位置付けられた。その後の資金調達では、評価額が2023年と2024年4月に640億ドル(約10兆2100億円)へ低下した。

 当時の評価額は極めて高い成長が続くとの期待を前提としていたが、その期待は大きく後退している。

 香港取引所への開示資料によると、SHEINの売上高は2023年の321億ドルから2024年に388億ドル、2025年に419億ドルへ増加した。増収率は2023年の41.1%、2024年の20.7%から、2025年には8%へ鈍化した。2026年第1四半期の売上高は前年同期比1.1%増の約90億ドルにとどまった。

 2026年第1四半期の最終損益は9900万ドルの赤字となり、前年同期の3億9500万ドルの黒字から赤字に転落した。償還可能な転換優先株について、会計処理の変更に伴う3億2800万ドルの公正価値評価損を計上したことが響いた。営業利益も前年同期比26%減の2億5800万ドルとなり、営業利益率は前年同期の3.9%から2.9%へ低下した。

 SHEINの問題は、安価な商品を中国などから消費者へ小口で直接発送する事業モデルに対し、主要市場の政府が規制を強めたことで一段と深刻になっている。

 米国では2025年5月、中国・香港原産の少額輸入品を対象とする「デミニミス免税措置」が廃止され、追加関税も導入された。SHEINは香港IPO関連資料で、追加関税の大部分を米国での値上げに転嫁し始めた結果、2025年の残りの期間に米国売上高が悪影響を受けたと説明した。2026年第1四半期の米国売上高は前年同期比約14%減の20億ドルとなった。

 欧州連合(EU)も2026年7月1日、域外から輸入される150ユーロ以下の電子商取引商品を対象に、暫定的な3ユーロの関税を導入した。課税単位は荷物1個ごとではなく、関税分類に基づく品目ごとである。同じ関税分類の商品が複数入っている場合はまとめて3ユーロとなるが、異なる分類の商品が含まれれば、それぞれに3ユーロが課される。

 CNBCによると、SHEINは米国と同様、欧州でもコストの一部を相殺するための値上げなどを検討すると説明している。値上げにより短期的に販売数量が悪影響を受ける可能性があり、EUでの影響が米国と同程度か、それを上回ることもあり得ると警告した。欧州は2024年に米国を抜いてSHEIN最大の地域市場となり、2025年には売上高の35.4%を占めた。

 競争激化も課題である。SHEINの急成長はオンラインのファストファッション市場を変えたが、その後、Temuなどの競合企業も、中国製の低価格商品を海外の消費者に直接販売する類似モデルを採用した。既存の小売企業もオンライン事業を強化しており、SHEINが2022年に高い評価額を得た当時に比べ、市場は混み合っている。

 こうした圧力は香港上場を前にした投資家の判断にも影響している。ロイター通信によると、IPO説明会に参加したり財務資料を確認したりした投資家5人は、SHEINが2022年の高い評価額を支えた成長率を再び実現できるかについて確信を持てないと話した。ある投資家は、SHEINを成長率が比較的穏やかな成熟段階の電子商取引企業として評価する必要があるとの見方を示した。

 SHEINの2025年の純利益は20億6000万ドルだった。評価額が250億ドルとなれば、株価収益率に相当する倍率は約12倍となる。

 評価額の引き下げは、既存株主の持ち分にも影響する可能性がある。IPO関連資料で定めた条件に基づき、上場時の評価額が合意済みの基準を下回った場合、SHEINの創業者が一部の上場前投資家に追加の株式を提供する必要がある。この措置が適用されれば、創業者や既存株主の持ち分構成が変わる可能性がある。

※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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