TikTokの音楽コンテスト「Music on Stage 2026」が開幕 無料の新人発掘エコシステムと2年目の手数料モデル

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TikTokは8月15日、音楽LIVEクリエイターを発掘・支援するグローバルプログラム「Music on Stage 2026」のオーディションを開始した。初日から3日間にわたって「All-Day Global Relay Concert」を実施し、世界各地のクリエイターがTikTok LIVEでパフォーマンスを披露する。
上位クリエイターには、TikTokの音楽配信・アーティスト支援プラットフォーム「SoundOn」と連携した楽曲制作、配信、プロモーションの機会が提供される。受賞アーティストにはTikTok LIVE Festや海外音楽フェスへの出演機会も用意されている。一方、SoundOnを継続的に利用する場合は、外部の音楽配信サービスにおける2年目以降の手数料など、契約条件を確認しておく必要がある。
■「Music on Stage」の概要とコンテスト進行の仕組み
Music on Stageは、TikTok LIVEを舞台とする音楽クリエイター向けのグローバルコンテストである。オーディションから地域別の選考、グローバルファイナルまでがライブ配信を中心に進められ、視聴者は配信の視聴や投票、バーチャルギフトなどを通じて参加する。
2026年大会には、世界20以上の国や地域から音楽クリエイターが参加する。オーディションは8月15日に始まり、同日から17日までAll-Day Global Relay Concertが行われる。世界各地の参加者がタイムゾーンに合わせて順番に登場し、オリジナル楽曲や生演奏などを披露する構成だ。
日本のクリエイターによるリレー配信は、8月15日から17日までの各日午後8時から9時まで、日本時間で実施される予定である。その後、地域別の選考を経て、9月にはEMEA・南北アメリカ部門とアジア太平洋部門のグローバルファイナルが開催される。
グローバルファイナルには、英国のシンガーソングライターであるキャット・バーンズ(Cat Burns)と、タイのシンガーソングライターであるソンカーン(Songkarn)が参加する。キャット・バーンズはEMEA・南北アメリカ部門、ソンカーンはアジア太平洋部門を担当し、追加のゲスト審査員も発表される予定だ。
■優勝者への特典と2025年大会の実績
Music on Stageの上位クリエイターには、SoundOnと連携したプロフェッショナル育成の機会が提供される。これには、オリジナル楽曲のレコーディングとリリースに向けた制作、配信、プロモーションの支援が含まれる。
受賞アーティストには、世界各地のLIVEクリエイターが集まるTikTok LIVE Festに加え、「Breakaway Carolina Festival」や「All Things Go NYC Festival」など、海外の音楽フェスティバルに出演する機会も用意されている。デジタル上での発掘を楽曲リリースや実際のステージ出演につなげることが、プログラムの特徴となっている。
第1回となった2025年大会では、関連コンテンツのインプレッション数が82億回を超え、ハッシュタグ「#MusicOnStage」を使用した投稿は23万件以上に達した。グローバルファイナルのTikTok LIVEには、140万人以上が視聴したという。これらはTikTokが公表した数値であり、音楽業界メディアのMusic Allyも同社発表として報じている。
2025年のEMEA・南北アメリカ部門では、メキシコ出身のアニエリーク・ソロリオ(Anyelique Solorio)が優勝した。ソロリオはSoundOnを通じてデビューEPをリリースし、楽曲を使用したTikTok動画は35万件を超えた。Spotifyの月間リスナー数は大会前と比べて10倍となり、ストリーミング再生数は45万回以上に達したとTikTokは説明している。
アジア太平洋部門では、インドネシアのクリエイター「Caramel」が優勝した。TikTokの発表によれば、Caramelは6年間にわたってライブ配信活動を続けており、TikTokでの活動をキャリアの大きな転機と位置付けている。
■3日間のリレーコンサートとギフトの収益分配構造
All-Day Global Relay Concertでは、単一の長時間番組を世界へ同時配信するのではなく、各地域のクリエイターがタイムゾーンに合わせて順番に登場する。これにより、それぞれの地域の視聴者が参加しやすい時間帯にライブパフォーマンスを楽しめる。
出演するクリエイターにとっては、この演奏自体がオーディションの一部となる。TikTok LIVEでは、視聴者が配信中にコメントや投票、バーチャルギフトなどを通じてクリエイターを応援できるため、演奏だけでなく視聴者とのコミュニケーションやコミュニティ形成も重要になる。
TikTok LIVEのギフトは、視聴者が購入したTikTokコインを使用して送信する仕組みである。コインの価格やクリエイターが受け取れる金額は、利用地域、購入方法、ギフトの種類、TikTokの規約などによって異なる。参加者は、表示される価格や報酬条件をアプリ内で確認する必要がある。
■SoundOnの収益モデルとプラットフォーム依存のリスク
SoundOnは、TikTokが提供する音楽配信・アーティスト支援プラットフォームである。アーティストは楽曲の権利を保持したまま、TikTokをはじめ、Spotify、Apple Music、Amazon Music、YouTube Musicなどの音楽サービスへ作品を配信できる。
SoundOnは初期費用を抑えて利用できることを特徴としているが、ロイヤリティの取り扱いは配信先や契約条件によって異なる。TikTokやCapCutなどのByteDance系サービスについては、アーティストが対象ロイヤリティの100%を受け取れると案内されている。
SpotifyやApple Musicなどの外部デジタル音楽サービスへの配信では、リリース後の最初の1年間は対象ロイヤリティの100%をアーティストが受け取り、2年目以降はアーティストの受取率が90%となる料金体系が案内されている。言い換えれば、2年目以降は対象収益の10%がSoundOn側の手数料となる。
この料金体系は、初期費用を負担しにくい新人アーティストにとって利用しやすい一方、外部の音楽サービスから継続的に大きな収益を得るようになった場合には負担が増える。契約前には、ロイヤリティの算定対象、支払条件、対象となる音楽サービス、既存作品への適用範囲を確認することが重要だ。
比較対象となる音楽配信サービスのDistroKidは、1アーティスト向けのMusicianプランを年額24.99ドル(約3,973円、1ドル=159円換算)で提供している。標準的なストリーミング収益については100%を受け取れるとしているが、追加機能やオプションには別料金が設定される場合がある。そのため、単純な年間料金だけでなく、必要な配信先やプロモーション機能を含めて比較する必要がある。
仮にSoundOnで2年目以降に発生する10%の手数料だけをDistroKidの年額24.99ドルと比較すると、外部音楽サービスからの年間対象収益が約249.90ドルを超えた段階で、SoundOnの手数料が24.99ドルを上回る。ただし、実際の比較では追加オプション、通貨換算、税金、送金費用、プロモーション支援なども考慮する必要がある。
SoundOnの価値は、料金だけでなくTikTokとの連携やアーティスト向けのプロモーション機会にもある。TikTok上でファンを獲得したいクリエイターにとっては有力な選択肢になり得るが、活動がSpotifyやApple Musicなどへ広がった場合に備え、楽曲のメタデータ、ISRC、UPC、権利関係、カタログの移管条件を自身でも管理しておくことが望ましい。
■アーティストのデータ提供と法的枠組み
SoundOnで本人確認やロイヤリティの支払いを受ける際には、実名、連絡先、銀行口座または決済情報、税務情報、楽曲の権利情報などの登録を求められる場合がある。こうした情報の提供は音楽配信サービスでは一般的だが、登録前にプライバシーポリシーや利用規約を確認する必要がある。
TikTokの親会社ByteDanceを巡っては、ユーザーデータの管理や中国法との関係について、米国をはじめとする各国の政府や規制当局が安全保障上の懸念を示してきた。2022年には、ByteDanceの従業員が社内情報の流出元を調査する過程で、Financial TimesとBuzzFeedの記者に関するTikTokユーザーデータへ不適切にアクセスしていたことが判明した。ByteDanceは関係した従業員を解雇し、アクセス管理を強化すると説明した。
米連邦最高裁判所は2025年1月、TikTokとByteDanceが米国の連邦法に対して提起した合衆国憲法修正第1条上の異議を退けた。この判断は、外国の敵対勢力が管理するアプリを対象とする法律について、その合憲性を認めたものである。
ただし、この裁判判断だけから、SoundOnへ登録したアーティストの銀行情報や権利情報が中国当局へ提供されると断定することはできない。利用者は、SoundOnが公表するプライバシーポリシー、データの保存先、第三者提供、アカウント削除時の取り扱いなどを確認し、自身の許容範囲に応じて利用を判断することになる。
特定のプラットフォームだけに活動基盤を集中させないことも、一般的なリスク管理の一つとなる。SoundOn以外の配信手段や公式サイト、複数のSNS、メールによるファンとの連絡手段を維持しておけば、規約変更やアカウント制限、サービス内容の変更が発生した際にも活動を継続しやすい。
■TikTokの狙いと今後の判断基準
TikTok米州LIVEオペレーション責任者のシェン・ガオ(Shen Gao)は、Music on Stageについて、TikTok LIVEで才能あるアーティストがコミュニティやファン層を築き、世界の視聴者とリアルタイムで音楽を共有していると説明した。その上で、新進アーティストが発見されるだけでなく、プラットフォームの外でも持続可能なキャリアを築く機会を提供したいとしている。
Music on Stageは、TikTok上で自然発生的に起きてきた音楽の発見を、コンテスト、育成支援、楽曲制作、配信、ステージ出演という一連のプログラムに発展させたものといえる。視聴者が投票やギフトを通じて参加する仕組みも、従来のテレビ型オーディションとは異なる特徴だ。
一方、TikTok上の反応は、必ずしも外部の音楽サービスにおける長期的な人気や収益を保証するものではない。短い動画で使用されやすい楽曲と、フルサイズで繰り返し聴かれる楽曲では、評価される要素が異なる場合がある。アーティストには、TikTokでの反応に加え、楽曲の権利管理、外部サービスへの誘導、ファンとの継続的な関係づくりを含む活動設計が求められる。
キャット・バーンズは2026年大会への参加に際し、TikTokが自身の歩みに大きな役割を果たしたとした上で、Music on Stageへの参加を楽しみにしているとコメントした。また、優勝者がオリジナル楽曲のレコーディングとリリースに向けた支援を受けられることを紹介している。
Music on Stageは、初期費用を抑えながら楽曲制作やプロモーション、ステージ出演への道を広げられる機会である。参加者は、TikTokで築けるファン層、SoundOnの2年目以降の料金条件、楽曲とメタデータの管理方法、個人情報の取り扱い、他の配信サービスとの併用方針を踏まえて判断したい。
■注目ポイントQ&A
●TikTokの「Music on Stage」は従来のオーディション番組と何が違うのですか?
TikTok LIVEを中心にオーディションや選考が進み、視聴者が投票やバーチャルギフトなどを通じて参加できる点が特徴です。上位クリエイターには、SoundOnと連携した楽曲制作、配信、プロモーションの機会が提供されます。
●楽曲配信サービス「SoundOn」の利用料金と手数料体系はどうなっていますか?
初期費用を抑えて利用でき、TikTokやCapCutなどのByteDance系サービスでは、対象ロイヤリティの100%をアーティストが受け取れると案内されています。SpotifyやApple Musicなどの外部音楽サービスでは、最初の1年間は100%、2年目以降は90%を受け取る料金体系が案内されています。契約時には最新の料金表と適用条件を確認してください。
●登録時に提供する個人情報や銀行口座データはどのように扱われますか?
本人確認やロイヤリティの支払いのため、実名、連絡先、決済情報、税務情報、楽曲の権利情報などの登録を求められる場合があります。登録前にSoundOnのプライバシーポリシーを読み、データの利用目的、保存、第三者提供、削除方法を確認することが重要です。
●2025年大会の優勝者はどのような成果を上げていますか?
EMEA・南北アメリカ部門で優勝したアニエリーク・ソロリオは、SoundOnを通じてデビューEPをリリースしました。TikTokの発表では、楽曲を使った動画が35万件を超え、Spotifyの月間リスナー数が大会前の10倍となり、ストリーミング再生数は45万回以上に達したとされています。アジア太平洋部門では、インドネシアのCaramelが優勝しました。
元記事: TikTok Music on Stage 2026: Free Artist Pipeline Hides Year-Two Royalty Cut
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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