中国、LPRを14カ月連続で据え置き GDP成長率はコロナ禍ロックダウン時以来の低水準に

2026年7月21日 22:58

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記事提供元:Tech Times

Head office building of the People's Bank of China in Beijing. (Wikipedia)

Head office building of the People's Bank of China in Beijing. (Wikipedia)[写真拡大]

中国人民銀行は7月20日、ローンプライムレート(LPR)を14カ月連続で据え置くと発表した。第2四半期のGDP成長率が政府目標を下回る4.3%に鈍化するなかでの決定となった。ただし、現在の中国金融政策で主要な政策金利と位置づけられているのは7日物リバースレポ金利であり、今後のマクロ経済政策の方向性は、7月最終週に開催が見込まれる中国共産党中央政治局会議で示される見通しだ。

■LPR据え置きは14カ月連続

中国人民銀行(中央銀行)は7月20日、基準貸出金利であるローンプライムレート(LPR)を14カ月連続で据え置いた。これは現在のLPR制度が導入された2019年以降で最長の据え置き期間となる。同日の発表によると、企業や家計の多くのローン金利の指標となる1年物LPRは3.00%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRは3.50%に維持された。この金利水準は2025年5月から変わっていない。

この据え置き決定の5日前には、中国の2026年第2四半期のGDPデータが発表されていた。国家統計局のデータを分析したINGによると、前年同期比の成長率は4.3%となり、ロックダウンの影響を受けた2022年第4四半期以来の低水準を記録した。また、今年に入って四半期成長率が中国政府の目標レンジである4.5~5%を下回ったのは、これが初めてだという。

しかし、この表面的な数字の裏には重要な構造的変化がある。かつて中国金融政策の主要なシグナルだったLPRは、もはや最も重要な指標ではない。国際決済銀行(BIS)が公開した2026年の講演録で中国人民銀行の潘功勝総裁が確認したように、同行は2024年7月、金融政策の主要な基準を7日物リバースレポ金利に正式に移した。The Edge Singaporeが報じた2026年6月のオーバーナイト・リバースレポ導入に関する記事によれば、現在1.4%であるこの金利も2025年5月から据え置かれている。金融政策全体の動きの乏しさは、LPRの据え置きだけが示す以上に根深い。そして、中国のマクロ経済政策の方向性を最終的に決めるのは中央銀行ではなく、中国共産党中央政治局である。INGの分析によると、政治局は7月最終週に会議を開き、下半期の政策を決定するとみられている。

■GDPは3年ぶりの低水準、二極化が鮮明に

中国の第2四半期の成長は、国内のほぼすべての指標で期待外れとなった。INGによる国家統計局データの分析によれば、2026年上半期の固定資産投資は前年同期比で5.7%減少した。ロイター通信の第2四半期GDPに関する報道によると、同じ期間の不動産開発投資は18%急減した。BigGo Financeによる国家統計局データの分析では、6月の小売売上高は前年同月比でわずか1%の増加にとどまった。5月にはパンデミック期以来初めて前年同月比で減少しており、6月はそこから小幅に持ち直したにすぎない。また、ロイター通信が国家統計局のデータを基に算出したところによると、6月の主要70都市の新築住宅価格は前年同月比3.3%下落し、36カ月連続のマイナスとなった。ただし、下落率は2月以降で最も小さかった。

一方、輸出は全く異なる様相を呈している。NPRの報道によれば、中国製のAI関連部品や電気自動車(EV)に対する世界的な需要に支えられ、2026年上半期の輸出は17.6%増加し、6月単月では27%増加した。その結果、アナリストが「K字型回復」と呼ぶ状況が一段と鮮明になっている。中国の輸出産業とハイテク製造業が力強く拡大する一方で、国内消費と不動産セクターは数年にわたる低迷から抜け出せずにいる。

ソシエテ・ジェネラルの中国担当エコノミスト、ミシェル・ラム氏は、この状況を率直に説明している。BigGo FinanceによるGDP発表の報道によれば、同氏は、脆弱な消費と不動産不況が、堅調な輸出と四半期末における鉱工業生産の緩やかな改善による恩恵を相殺していると指摘した。また、キャピタル・エコノミクスは2026年6月の「China Chart Pack」で、財政支援が拡大しても国内の過剰生産能力は根強く残り、中国の成長モデルはいつまでも高い伸びを続けられるわけではない輸出に依存し続けることになると警告している。

■イラン戦争による原油高が中国政府の足かせに

成長が鈍化するなかで中央銀行が金利を据え置く場合、一般には景気回復の兆しが見えるため状況を見極めようとしていると説明される。しかし、現在の中国で起きているのはそれではない。

制約となっているのは構造的な問題、すなわちオイルショックである。国際エネルギー機関(IEA)の2026年3月の石油市場レポートによると、2026年3月上旬に始まった米国とイランの紛争は、IEAが「世界の石油市場の歴史上、最大の供給途絶」と表現する事態を引き起こした。ホルムズ海峡が閉鎖され、湾岸産油国が日量数百万バレル規模の輸出能力を失い、カタールエナジーがすべてのLNG(液化天然ガス)出荷について不可抗力を宣言するなか、ブレント原油は1バレル当たり約120ドル(約1万9440円、1ドル=162円換算)まで急騰した。その後、ブレント原油価格は下落したものの、依然として高い水準にあり、エネルギー価格の上昇圧力が中国の輸入コストに残っている。

UBS証券の中国担当チーフエコノミスト、Yu Song氏は、この影響を明確に説明している。CNBCによる中国の2026年4月の金利決定に関する報道によれば、同氏は、インフレ率の上昇によって、中国人民銀行が短期的に政策金利を引き下げたり、大規模な金融緩和を打ち出したりする誘因が弱まっていると指摘した。また、政府は中東紛争を巡る外部環境の不確実性がもたらす影響を見極めるための時間を必要としているという。世界的なエネルギーコストによって消費者物価が押し上げられている状況で大幅な利下げを行えば、中国人民銀行が抑えようとしているインフレをかえって加速させる恐れがある。これは典型的なスタグフレーションのジレンマであり、成長鈍化と物価上昇が同時に進むことで、通常の金融緩和策が逆効果になりかねない。

■LPRの仕組みと実態

中国外貨取引センターの公式LPRページによると、LPRは指定された20の商業銀行が毎月提示する金利を基に算出される。各銀行は毎月20日の中国標準時午前9時までに金利を提示する。各行は、自行の資金調達コストと信用リスク評価に基づき、公開市場操作金利である7日物リバースレポ金利に一定の上乗せ幅を加える。全国銀行間同業拆借中心(National Interbank Funding Center)はこれらの提示金利を集め、最高値と最安値を除外したうえで加重平均を算出し、公式LPRとして公表する。

LPRには2つの期間がある。1年物金利は企業向けローンや消費者信用の多くで金利設定の基準として使われ、5年物以上の金利は全国の住宅ローン金利の基準となる。LPRの変更は、数億の家計や企業の借入コストに直接影響を及ぼす。

しかし、2024年7月に完了した改革により、中国の政策手段におけるLPRの位置づけは根本的に変わった。潘功勝総裁は7日物リバースレポ金利を主要な政策金利に正式に位置づけ、LPRと中期貸出制度(MLF)を補助的な役割に移した。この改革については、国際決済銀行が公開した2026年の陸家嘴フォーラムにおける同氏の講演でも確認されている。7日物リバースレポとは、中国人民銀行が商業銀行から証券を一時的に買い入れて銀行間市場に短期流動性を供給し、7日後にその証券を売り戻す取引である。その適用金利は現在1.4%で、最後に変更されたのは2025年5月に1.5%から引き下げられたときだった。

The Edge Singaporeの当時の報道によると、中国人民銀行は2026年6月にさらに一歩踏み込み、6月29日と30日にオーバーナイト・リバースレポ操作を初めて実施した。アナリストはこの動きを、オーバーナイト金利を主要な指標として採用する可能性を示す前触れと捉え、中国人民銀行の枠組みを米連邦準備制度理事会(FRB)のオーバーナイト物フェデラルファンド(FF)金利を中心とするモデルへ、さらに近づけるものだと解釈した。この移行が実現すれば、借り手にとっては個々のLPR決定以上に重要な意味を持つ。金利コリドーの幅が一段と狭まり、短期資金の実際のコストに対する中央銀行の統制が強まることを意味するためだ。

新華社通信による国家統計局と中国人民銀行のデータに関する報道によれば、2026年6月の新規企業向けローンの加重平均金利は約3%で、前年同月より約20ベーシスポイント低下した。個人向け住宅ローン金利は前年同月比でほぼ横ばいだった。テクノロジー企業、グリーンエネルギー、農業、中小企業を対象とする再貸出制度など、対象を絞った政策により、幅広いLPR引き下げを行うことなく、企業の借入コストを小幅に引き下げている。

■政治局会議で実際に決定されること

投資家が中国の金融・財政政策の今後の行方を理解したいのであれば、中国人民銀行ではなく政治局に注目すべきである。

FXStreetの中国人民銀行に関するFAQによると、中国人民銀行は国務院と共産党の指導下で運営されており、潘功勝氏は中央銀行総裁と同行の共産党委員会書記を兼任している。習近平国家主席が率いる24人で構成される政治局は、定例の経済工作会議を通じて各半期のマクロ政策の方向性を決定する。今後の政治局会議に関する分析によると、2026年7月最終週に開催が見込まれる会議の声明では、第2四半期の成長率が目標を下回ったことに対し、中国政府がどの程度積極的に対応するかを示す表現が盛り込まれる可能性がある。

INGの分析では、政治局は成長への下押し圧力を認め、景気変動を抑える反循環的な調整の強化を求めるとともに、すでに準備されている措置を加速させると予想されている。ただし、大規模な新規景気刺激策の打ち出しには至らないとみられる。その理由は、上半期のGDP成長率が4.7%だったため、中国政府が通年目標である4.5~5%を達成できる範囲になおとどまっていることだ。政策当局は、この余裕が失われるまでは大胆な対応を取る必要性が低いとみている。

香港のピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、張智威(Zhiwei Zhang)氏は、ロイター通信の中国第2四半期GDPに関する「Instant View」で、この判断を明確に説明している。同氏によれば、第1四半期の成長率が5%だったことから、政府は公式目標に沿った成長を実現する軌道にあり、輸出の急増も引き続き予想を上回っているという。

中国の下半期の財政余力に関する分析によると、財政面では、中国政府には下半期に向けてまだ使われていない約6.8兆元の承認済み支出枠がある。この余力により、政策当局は新たなプログラムを発表することなく、既存のインフラ投資や債券発行プログラムを加速できる。一方、金融政策による対応は限定的になると予想されている。第2四半期GDPに関するロイター通信の報道で紹介された調査では、アナリストは2026年末まで7日物リバースレポ金利が変更されないと予想しており、第4四半期には預金準備率が引き下げられる可能性があるとみている。

■不動産部門の長い影と、それを示す一つの数字

不動産セクターは中国の内需問題に付随するものではなく、その構造的な核心である。

CryptoBriefingによる中国住宅市場の分析では、中国の不動産セクターは、建設、家具、建材、関連金融商品を含めると、歴史的に経済生産の約30%を占めてきた。2026年6月時点で、主要70都市の新築住宅価格は36カ月連続で前年同月比下落している。これは、不動産を伝統的に主要な貯蓄手段としてきた中国の家計にとって、極めて大規模な資産価値の毀損を意味する。フィッチ・レーティングスは、2026年の新築住宅販売について、前年比11~13%減へと予測を下方修正した。従来予測の7~8%減から大幅な悪化となる。

新華社通信による国家統計局データの報道によると、7月15日に発表されたデータは小幅な改善も示した。6月には新築住宅価格の下落ペースが鈍化し、売れ残った新築住宅の在庫は4カ月連続で減少した。中古住宅市場の取引も活発さを維持し、販売の伸びが加速した。国家統計局の当局者は、住宅購入制限の緩和と都市再生事業を寄与要因として挙げた。ただし、改善は限定的である。Asia Timesが報じたChina Index Academyのデータによると、主要100都市の中古住宅価格は6月に前月比でさらに0.42%下落し、100都市中88都市で下落した。

住宅価格の下落によって家計資産が圧迫され続ける限り、企業の借入コスト低下が消費支出の増加へ波及する経路は十分に機能しない。エコノミストが、下半期の景気下支えでは金融政策ではなく財政政策が中心的な役割を担うと予想するのはこのためである。

■注目ポイントQ&A

●中国経済が減速しているにもかかわらず、中国人民銀行が利下げを行わないのはなぜですか?

2つの制約が同時に働いているためです。第一に、イラン戦争が石油市場で記録的な規模の供給途絶を引き起こし、成長が鈍化するなかでもエネルギー輸入コストを大幅に押し上げ、インフレ圧力を加えています。このような環境で利下げを行えば、成長を刺激するよりも物価上昇圧力を強める恐れがあります。成長鈍化とインフレが同時に進むスタグフレーションのジレンマが、幅広い金融緩和の効果を弱めているのです。第二に、上半期のGDP成長率が4.7%だったため、中国は通年目標の範囲を達成できる位置になおとどまっており、緊急措置の必要性が低くなっています。中国人民銀行は、今後さらに大幅な景気悪化が起きた場合に備え、政策手段を温存しています。

●ローンプライムレート(LPR)とは何ですか?また、実際にはどのように機能していますか?

LPRは中国の基準貸出金利であり、商業銀行が家計や企業へのローン金利を設定する際に使う指標です。指定された20の銀行が毎月20日の中国標準時午前9時までに全国銀行間同業拆借中心へ金利を提示し、それぞれが中国人民銀行の主要政策金利に一定の上乗せ幅を加えます。同センターは最高値と最安値を除外して加重平均を算出します。1年物LPRは企業向けローンや消費者向けローンの多くで基準となり、現在は3.00%です。住宅ローンの基準となる5年物LPRは3.50%です。ただし、2024年7月以降、中国人民銀行の主要な政策手段はLPRではなく、7日物リバースレポ金利となっています。LPRの据え置きが注目されがちですが、実質的に重要な政策シグナルは、2025年5月以降1.4%に据え置かれている7日物リバースレポ金利にあります。

●中国は2026年末までに利下げを行うでしょうか?

ロイター通信の調査に回答したアナリストは、中国の主要な政策手段である7日物リバースレポ金利が2026年末までに引き下げられるとは予想していません。短期的には、第4四半期に預金準備率が引き下げられる可能性の方が高いとみられています。預金準備率を引き下げれば、利下げによるインフレ懸念を強めることなく、銀行の貸出余力を増やせます。ただし、成長が現在の予想よりも大幅に悪化した場合や、原油価格が大きく下落した場合には、レポ金利が引き下げられる可能性も残っています。7月下旬の政治局会議では、中国政府が現在の景気減速をどの程度深刻に捉えているかが示される見通しです。

●政治局会議は投資家にとって何を意味しますか?また、いつ開催されますか?

政治局は、中国のマクロ政策の方向性を決定する24人で構成される共産党の機関であり、通常は7月最終週に会議を開いて下半期の経済政策の優先事項を定めます。その声明には、反循環的な景気調整をどの程度強めるか、財政出動と金融緩和のどちらを重視するか、現在の成長率の目標未達を中国政府がどの程度深刻に受け止めているかを示す表現が盛り込まれます。中国の幅広いマクロ政策の方向性を中国人民銀行が独立して決めるわけではありません。政治局が方向性を定め、中央銀行が実施します。アナリストは、7月の会議で財政支出の加速と金融・経済政策を緩和する姿勢が強く示される一方、通年成長率が現時点では目標達成可能な軌道にあることから、大規模な新規景気刺激策の発表には至らないと予想しています。

元記事: China Rate Freeze Stretches to 14 Months as GDP Slips to Post-Pandemic Low

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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