米アンソロピック、IPO前に150億ドルの信用枠を最終調整―モルガンスタンレーなどが主要行に

2026年9月7日 00:31

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記事提供元:Tech Times

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米アンソロピック(Anthropic)が、新規株式公開(IPO)の準備の一環として、150億ドル(約2兆3400億円、1ドル=156円換算)のリボルビング信用枠を最終調整していることが分かった。Morgan Stanleyが手続きを主導し、Goldman Sachs、JPMorgan Chase、Citigroupも主要な役割を担っていると報じられている。

同社は2026年6月に米証券取引委員会(SEC)へ登録届出書の草案を非公開で提出したが、株式数や公開価格、上場先は決まっていない。関係者によると、IPOの販売活動は早くても10月中旬に始まり、目論見書の公開は9月下旬になる可能性がある。計画や日程は市場環境や規制当局の審査などによって変わり得る。

■前年の6倍となる信用枠

Bloombergによると、Anthropicはリボルビング信用枠を150億ドルへ拡大する方向で最終調整している。実現すれば、2025年に確保した25億ドルの5年物信用枠の6倍となり、これまで報じられていた約100億ドルの目標も上回る。

リボルビング信用枠は、契約した上限の範囲内で必要に応じて資金を借り入れ、返済後に再び利用できる仕組みだ。市場環境などによってIPOの日程が動いた場合にも、企業が運転資金や投資資金を柔軟に確保しやすい。

2025年の信用枠には、Morgan Stanley、Barclays、Citigroup、Goldman Sachs、JPMorgan Chase、Royal Bank of Canada、三菱UFJフィナンシャル・グループが参加していた。

今回の信用枠ではMorgan Stanleyが手続きを主導し、Goldman Sachs、JPMorgan Chase、Citigroupも主要な立場にあるとされる。この4行はAnthropicのIPO準備にも関与していると報じられている。

■大手銀行が10億ドル前後を分担

信用枠は複数の銀行が融資可能額を分担するシンジケート方式で組成される。Bloombergによると、中心的な銀行にはそれぞれ約12億5000万ドルのコミットメントが求められ、次のグループには約10億ドル、そのほかの銀行には約7億5000万ドル以下が割り当てられる方向だという。

BarclaysとWells Fargoも重要な役割を担うと見込まれている。Bank of America、Deutsche Bank、Royal Bank of Canada、UBSも上位の貸し手に入り、Bank of Montreal、BNP Paribas、Crédit Agricole、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、Toronto-Dominion Bankも参加するとされる。

これらを合わせると銀行団は14行を超える。ただし、情報は公表されていない協議に基づくもので、最終的な信用枠の規模や参加行、各行の負担額は変わる可能性がある。Anthropicと主要銀行は報道に対するコメントを控えている。

■信用枠とIPO引受業務の関係

シンジケートローンでは一般に、コミットメント額が大きい銀行ほど、借り手から受け取る手数料の配分も大きくなる。大型の資本市場取引が予定されている場合、融資で中心的な役割を担った銀行が、その後の株式や債券の引受業務でも重要な役割を得ることがある。

Anthropicの信用枠でも、主要な貸し手とIPOを準備する銀行の顔触れが重なっている。銀行にとっては信用枠そのものから得る収益に加え、IPOが実施された場合の引受業務や、その後の資本市場取引に関与できる可能性が重要になる。

もっとも、信用枠へのコミットメントだけでIPOにおける役割が自動的に決まるわけではない。IPOの引受体制や各行の具体的な担当は、今後の協議や公開される届出書で明らかになる。

■SpaceXのIPO前にも信用枠を拡大

SpaceXは2026年5月、リボルビング信用枠を15億ドルから50億ドルへ拡大し、その翌月にIPOを実施した。信用枠に参加した主要銀行の多くは、IPOでも引受業務を担当した。

SpaceXは6月12日にNasdaqで取引を開始し、1株135ドルで約5億5556万株を売り出した。追加売り出し分を除く調達額は約750億ドルで、上場時の評価額は約1兆7700億ドルとなった。

Anthropicが協議している150億ドルの信用枠は、SpaceXがIPO前に設定した50億ドルの3倍に当たる。ただし、信用枠の規模は借入可能額であり、IPOの調達額や企業評価額を直接示すものではない。

AnthropicはIPOでSpaceXと同程度か、それを上回る金額の調達を検討していると報じられている。また、一部の投資家は上場時の評価額が2兆ドルに達する可能性を想定しているが、いずれも正式に決定した条件ではない。

■急速な収益成長を背景に大型調達

Anthropicは2026年5月、650億ドルのシリーズH資金調達を実施し、調達後の企業評価額は9650億ドルとなった。Altimeter Capital、Dragoneer、Greenoaks、Sequoia Capitalが主導した。

同社はシリーズHの発表時、5月上旬の年換算売上高が470億ドルを超えたと説明した。Bloombergはその後、7月末時点の年換算売上高が650億ドルを超え、2025年末の90億ドルから7倍以上に増えたと報じた。

年換算売上高は、直近の月や四半期の売上ペースが1年間続くと仮定した指標であり、実際に通期で計上した売上高とは異なる。Anthropicは非公開企業であり、売上高の内訳や費用、利益、会計方針などの詳細は、公開版の登録届出書が提出されるまで明らかにならない。

同社によると、今回の資金調達はAIの安全性と解釈可能性に関する研究、Claudeへの需要に対応する計算資源の拡充、製品や提携関係の拡大に充てられる。150億ドルの信用枠が実現すれば、株式による資金調達に加え、必要な時期に利用できる借入余力を確保することになる。

■目論見書の公開は9月下旬以降か

Anthropicは6月1日、普通株式のIPOに向けたForm S-1の草案をSECへ非公開で提出したと発表した。同社は、この提出によってSECの審査後に上場する選択肢を得ると説明する一方、IPOは市場環境などの条件に左右されるとしている。

非公開提出のため、届出書の内容は現時点で一般には閲覧できない。Anthropicの公式発表では、売り出す株式数と価格は未定とされている。上場する取引所やティッカーも公表されていない。

Reutersが9月4日に関係者の話として報じたところでは、IPOの販売活動は早くても10月中旬に始まり、上場は11月の米中間選挙の数日前になる可能性がある。それ以前は目論見書が9月上旬にも公開されるとみられていたが、現在は9月下旬になる見通しだという。

企業は市場環境、SECによる審査、投資家との協議などに応じてIPOの日程を変更することがある。150億ドルの信用枠もまだ最終確定しておらず、IPOの時期、規模、価格を含む主要条件は引き続き流動的である。

元記事: Anthropic $15B Credit Line: Banks Commit $1B-Plus Each to Lock In IPO Roles

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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