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コスモイニシアの今期着地は、中計達成の公算大
コスモイニシア(8844、東証スタンダード市場)の、至2026年3月期の中計達成を見守りたい。事業構想として成長エンジンと位置付けている都市型アパートメントホテル:MIMARUのブランド力向上を挙げ、「内部留保を充実させながら、財務基盤強化/自己資本比率30%(22年3月期比5.2%P上昇)」を目標として掲げている。
【こちらも】コスモスイニシアの高木会長に覚える、事実は小説よりも奇
具体的な実現策とし「営業利益100億円/2.9倍強」を目指すとしている。コスモイニシアのこれまでを振り返ると確かにここ数期間の収益推移は明らかの右肩上がりだが、容易ならざる目標と言わざるをえない。
私は22年6月9日の企業・産業欄に『コスモイニシアの高木会長に覚える、事実は小説よりも奇』を投稿している。詳細はかつての拙稿に委ねるが、コスモイニシアは2008年のリーマンショックで、ADR事業再生を余儀なくされた。銀行には「債権を3年半で返済する」が認められた。上席役員は相次いで辞任。代表取締役の座に就くことを余儀なくされた高木(嘉幸)氏は「在庫販売に死力」を尽くしつつ、「新たなビジネスモデルの立ち上げ・整備」を取り組んだ。
前回の記事作成の取材時に高木氏は、こう言い切った。
「日本の不動産市場に流れ込んでくるマネーは潤沢。ただ、勝てる戦いをしなくてはならない。資金力を背景にした大手業者とは一線を画し中堅・中小型物件を軸に・・・中古リノベーションでも差別化を図りながら・・・。2年前に社長に就任した高智(亮大朗)君も認識を共有している」
そうした方針の実践がここにきての収益動向に反映されている。22年3月期こそコロナ禍の影響で「6円減配7円配」も前3月期までは、「14.9%増収、46.9%営業増益、7円復元増配14円配/1.0%増収、50.7%営業増益、6円増配20円配/4.0%増収、27.3%営業増益、10円増配30円配」。そして今3月期は「17.3%の増収(1620億円)、16.4%の営業増益(110億円)、8円増配38円配」計画。営業利益100億円の中計目標はクリアされる。
コスモイニシアを投資対象とするには正直、特定持株比率70%超は重い。過去の歴史の中で大和ハウスの持分法適用会社となるなどの結果だが・・・
本稿作成中の時価は1340円水準。予想税引き後配当利回り2.3%弱。1月の年初来安値815円に対し高値1427円を勘案すると、収益動向・中計達成の公算を反映しているみることができる。過去9年半近くの修正済み株価パフォーマンスは2.7倍余。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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