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縄文時代の沖縄に多数のブタが存在 中国との交流を示唆 名大の研究
縄文時代には中国大陸と日本列島との間にはあまり交流がないとされてきたが、その関係性を再検討する必要性が新たに示唆された。家畜のブタは中国大陸から農耕文化とともに持ち込まれたものの1つだが、7200年以上前の沖縄で既にブタが多数いたことが明らかになった。名古屋大学の研究グループが9日に発表したところによると、沖縄にある縄文時代の遺跡から出土した大量の動物の骨が、ブタであることが判明したという。
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沖縄はブタを盛んに利用する食文化を持っており、縄文時代以降の遺跡でもイノシシやブタと思われる骨が大量に出土している。しかし、その骨が野生イノシシなのか家畜ブタなのかは長きにわたり議論の対象となってきた。特に、どれくらいの規模でブタが持ち込まれていたのかは不明であった。当時の中国では既に農耕が行われており、家畜化したブタが沖縄に多数存在したとすると、その時点で中国との交流があったことが示唆される。
そこで研究グループは、イノシシとブタの骨に関して、下顎部分の違いに着目して調査を行った。沖縄の野国貝塚から出土した資料で下顎部分を観察できるものは全部で22点あった。そのうちの21点でブタの特徴である前面が短い下顎部分が発見されたことから、出土した骨の大部分はブタのものである可能性が高くなったという。
さらに、出土した骨の年代測定を行ったところ、7500年前頃と7200年前頃の2点の年代値が得られた。この年代値は縄文時代早期の終わり頃にあたり、日本では本格的な農耕や家畜飼育は始まっていないとされている。そのため、既に農耕が行われている中国から野国貝塚にブタが持ち込まれたと考えられる。
従来の研究では、中国と日本との交流が本格的に始まったのは弥生時代以降であり、縄文時代にはあまり交流がないとされてきた。だが今回の研究で明らかとなったように、ブタが多数持ち込まれたということは、縄文時代に既に関係性を有していた可能性を検討する必要性がある。
今回の研究成果は日本動物考古学会の『動物考古学』38号に掲載されている。
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