国内最多、100個を超える系外惑星を発見 東大など

2018年11月26日 17:40

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K2-187 の惑星系の想像図。(NASA/JPL-Caltech/R. Hurt,T. Pyle (IPAC), UTokyo/J. Livingston)

K2-187 の惑星系の想像図。(NASA/JPL-Caltech/R. Hurt,T. Pyle (IPAC), UTokyo/J. Livingston)[写真拡大]

 日本の系外惑星発見記録が大幅に更新された。東京大学のリビングストン大学院生、田村教授(東京大学、自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター)らの参加する国際研究チームが、NASAのケプラー宇宙望遠鏡とESAのガイア宇宙望遠鏡のデータを解析、さらに地上からの観測データを加えることで、同チームによる2018年8月の報告分と合わせ、104個に上る系外惑星を発見したのだ。

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 ケプラー宇宙望遠鏡は2009年に打ち上げられ、故障によって2013年に本来の役割を終えた。その後、異なる観測戦略を取り、K2ミッションと言う系外惑星を探すプロジェクトが始まった。探索そのものは2018年10月30日、燃料切れによって終了となったが、K2ミッションの観測データには、まだ数百の系外惑星が眠っているのではないかとリビングストン氏は語る。

 今回の研究では、K2のデータの中の155個の惑星候補天体の詳細な解析が行われた。これらの候補天体は主星が明るく、組成や大気を調べるのに最適であった。K2による精密な時系列の測光観測に、ガイアによる精密な位置測定を組み合わせることで、惑星と主星の特徴づけがこれまでに比べ格段に良好に行うことが出来るようになった。そして発見された惑星の数は、60個であった。

 今回発見された惑星には、20個以上の複数惑星系と、1年が24時間以下という超短周期惑星も含まれている。K2-187という惑星系は、4つの系外惑星が存在し、うち一つは超短周期惑星であった。超短周期惑星は、その形成が謎に包まれており、近年注目を集めているタイプの惑星である。この発見が、超短周期惑星の形成の謎を解く重要な手掛かりになるとリビングストン氏は語っている。

 また、18個の惑星は地球の2倍未満の大きさで、大気のほとんどない岩石惑星である可能性が高いという。

 研究の詳細は、米国の天文学専門雑誌アストロノミカル・ジャーナルに掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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