アニメ制作企業、17年の収入高合計は過去最高を更新 初の2千億円突破

2018年8月15日 08:00

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 帝国データバンクは10日、アニメ制作企業の経営実態調査結果を発表した。対象企業255社の17年における収入高合計は2,037億2,100万円となり、初めて2,000億円を突破、過去最高を更新した。前年比では8.2%増、11年以降7年連続で前年を上回り、アニメ制作企業の収入高合計は増加傾向にあるという。

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 07年以降の1社当たり平均収入高推移は、大手制作企業を中心に業績が回復したことで、17年は前年比6.0%増の8億800万円となった。5年ぶりに前年の水準を上回り、7年ぶりに8億円台へ回復した。

 DVD販売等が大きく落ち込んだ06年以降の「アニメバブルの崩壊」や、制作費が安価な中国や韓国、東南アジアの制作企業による日本進出、新興企業の増加による受注競争激化などにより、一時は平均収入高がピークの約6割まで低下していた。

 近年は制作本数増加により平均収入高はピークの約7割まで回復。一方、プロデューサーやアニメーターの人材不足や外注費高騰による受注制限などの問題は顕在化したままだという。

 業績回復の大きな要因は、制作本数やヒット作の増加により、ライセンス収入や映像配信によって収益を得る企業が多かったためという。一方、下請けの専門スタジオでは平均収入高において苦境が続いており、大手制作企業との間に格差がみられた。

 17年には倒産・休廃業・解散が合計6社。制作スケジュールの過密化や労働環境の悪化、人材不足といったアニメ産業の問題は依然未整備の状態が続いている。

 18年6月には、アニメ『いなり、こんこん、恋いろは。』などを制作していたプロダクションアイムズが事業停止。経営破たん直前まで放映アニメ作品を手掛けたていたが、制作費の縮小と外注費の増加で資金繰りに窮し、経営が行き詰まったという。

 アニメ産業の継続的な発展には従来の商慣習の見直し、適切な工程管理や合理的な制作費算定、労働環境の改善・整備、次世代を担う人材の育成など、産業全体での取り組みが必要であるとされている。

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