富士通、AI分野向けスパコン受注 世界3位・日本1位相当の性能に

2017年10月11日 11:47

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 富士通は10日、産業技術総合研究所向けのスーパーコンピューター「人工知能処理向け大規模・省電力クラウド基盤(AI Bridging Cloud Infrastructure、ABCI)」を受注したと発表。ABCIは2017年6月のスパコンランキングTOP500に照らし合わせると国内1位、そして世界3位に相当する、高い性能をもつ。

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 産総研はAI技術関連の最先端研究開発および産業分野などへの社会実装を進めるべく、アルゴリズムやビッグデータ、計算能力の協調による高度なAI処理を実現する国際的なオープンイノベーションプラットフォームを求めていた。

 今回はそれに適合するものとして、ABCIの導入を計画したという。ABCIは世界最高水準の機械学習処理能力や高性能計算能力、また省電力性を有するAI用途向けのクラウド基盤だ。

 富士通の最新PCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY」から構成され、AI分野で重要とされる半精度浮動小数点演算の理論ピーク性能では550ペタフロップス、主に従来のシミュレーション分野などで用いられる倍精度浮動小数点演算で37ペタフロップスの性能を有する。

 導入後は様々な分野における新たなアプリケーションの創出、最新のクラウド基盤技術の設計オープン化による民間への技術移転をもたらし、AI技術の産業利用促進に大きく寄与すると見込まれている。ABCIは東京大学の柏IIキャンパスに新設されるABCIデータセンターに設置され、運用は2018年度から開始する予定。

 スーパーコンピューターの開発において日本は世界でも上位だが、近年は中国が大きく躍進しており、6月のスパコンランキングTOP500で1位と2位を占めている。日本勢の最高位は富士通がベンダーである「Oakforest-PACS」の7位で、8位に理化学研究所と富士通が共同開発した「京」が続く。

 スーパーコンピューターは数々の圧倒的な処理能力をもって、これまで解明できなかった複雑な課題に対処する。例えばがんの新薬開発においては、とてつもない量の薬剤を1つ1つ丁寧に調べ、効果や副作用を明らかにする。だが、かかる時間は果てしなく長い。それを劇的に変えるのがスーパーコンピューターだ。

 コンピュータシュミレーションによって細胞を原子、分子レベルで捉え、コンピュータ上で薬剤の効果を確かめる。そうすると開発はより効率的になり、開発期間短縮やコスト削減にもつながる。AIの分野においても、その産業活用に大いに貢献してくれるだろう。(小椋恒示)

関連キーワード理化学研究所(理研)ビッグデータ富士通クラウド東京大学人工知能(AI)産業技術総合研究所(産総研)スーパーコンピュータ

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