今日の為替市場ポイント:欧米株安などを意識してリスク選好のドル買い抑制も

2017年6月21日 08:24

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記事提供元:フィスコ


*08:24JST 今日の為替市場ポイント:欧米株安などを意識してリスク選好のドル買い抑制も
20日のドル・円相場は、東京市場では111円52銭から111円78銭で推移。欧米市場でドル・円は111円31銭まで下落し、111円47銭で取引を終えた。

本日21日のドル・円は111円台で推移か。欧米株安を意識してリスク選好的なドル買いはやや抑制される見込み。

20日の欧米市場では主要通貨に対するポンド売りが活発となった。有力格付け会社S&Pの格付け責任者が「英国の長期債務格付けを欧州連合(EU)からの離脱交渉が終了する前に変更する(引き下げる)可能性もある」との見解を伝えたことがポンド売り材料となった。S&Pによる英国の外貨建て長期債務格付けは、昨年6月27日に「AAA」から2段階引き下げられており「AA」となったが、さらなる格下げによって「AA」の格付けが失われることになる。

市場関係者の間では「英国の長期債務格付けがAAを維持することは極めて困難」との見方が以前から広がっていたため、格付け責任者の発言は驚くべきことではない」との声が聞かれている。ただし、EUからの離脱交渉の過程で英国の政策の枠組みの予見可能性、安定性、効果などが大幅に弱まる可能性は否定できないとの見方もある。

また、同国の経常赤字規模を考慮した場合、海外からの資金調達に著しい支障が生じるリスクがあることは否定できないため、ポンド安が進行した場合、英国の長期金利は上昇し、株式市場にも大きな影響が及ぶ可能性がある。《HT》

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