男性更年期障害、症状は4人に1人も認知率は半分以下

2016年10月24日 07:35

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記事提供元:エコノミックニュース

女性の更年期障害と同様、男性でもテストステロンの低下による更年期障が見られる。だが、その認知率や治療率は女性と比べて低いと言われている。医療機関検索サイト「病院なび」運営のeヘルスケアでは、医師に対するアンケート・コミュニケーションツールを提供するヴォイスと共同で、30歳以上の男性および医師に対して男性更年期障害に関するアンケート調査を実施した。同調査によれば、「男性更年期障害」に関して全体では60%が「全く知らない」と回答し、34%が「名前を知っている程度」と回答。主な症状や治療法を知っているのは6%程度にとどまった。また、年齢が高くなるにつれ認知が高まる傾向にあったものの、症状や治療法を知っている割合は1割未満と大きく変わらない結果となった。

 また、医師を対象に男性更年期障害の症状で代表的なものをたずねたところ、「無気力、やる気がない」(44%)が最も多く、「怒りやすく、イライラする」(36%)、「集中力が低下」(34%)、「性欲が低下」(32%)、「寝つきが悪い、眠りが浅い」(31%)の順で多く回答された。さらには、医師により回答された男性更年期障害の代表的な18症状について、現在その症状を自覚しているかをたずねた。その結果、自覚している症状数は平均2.7症状で「4症状以上」と答えたのは32%に及んだ。「4症状以上」自覚している人においても46%が男性更年期障害を「全く知らない」と回答している。医師への調査によれば、日本人男性全体のうち平均は23.9%でなんらかの更年期障害を自覚。このうち医療機関を受診するのは9.5~11.7%とのこと。

 自分で更年期症状を改善する方法としては、最近ストレッチが有効なことが明らかになり注目を集めている。従来、更年期症状や抑うつの改善にはジョギングやエアロビクスなどの注強度の運動が効果的とされてきたが、北米更年期学会雑誌「Menopause」2016年8月号に掲載された、明治安田厚生事業団体力医学研究所の研究結果では、寝る前10分間で行うストレッチが更年期症状を改善することを示している。同研究では、ヨガのポーズ5種類(英雄のポーズ、鶴のポーズ、子どものポーズ、バッタのポーズ、死者のポーズ)と全身を伸ばすストレッチを3週間続けたところ、動悸や冷え、イライラや不眠、疲れや肩こりといった更年期症状が改善された。週に5日ほど行った人でも効果が表れたという。更年期症状を感じても、医療機関への受診に抵抗のある方は、寝る前のストレッチによる症状改善をこころみるのも一手段だろう。(編集担当:久保田雄城)

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