三菱の新型「パジェロ」、悪路走破性と快適性を磨いた新世代フラッグシップに

2026年9月5日 00:05

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記事提供元:Tech Times

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三菱自動車は2026年9月2日、クロスカントリーSUV「パジェロ」をフルモデルチェンジし、新世代のフラッグシップモデルとして世界初公開した。海外向けモデルの生産終了から5年ぶりの復活となる。

新型はタイの生産拠点で製造し、2026年度にタイを皮切りに日本とオーストラリアへ投入する。2027年度以降はASEAN、中南米、中東など世界約100カ国へ順次展開する計画だ。日本での価格やグレード構成、具体的な発売日は発表されていない。

■ラダーフレームと専用サスペンションを採用

新型パジェロは、ピックアップトラック「トライトン」のラダーフレームを基礎とし、キャビンや前後サスペンションをパジェロ専用に開発した。高張力鋼板の採用拡大やフレーム断面積の拡大によって、軽量化を図りながら、ねじり剛性と曲げ剛性を高めたという。

サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン式独立懸架、リアに新開発の5リンク式リジッドを採用する。ボディーマウントも強化し、凹凸の大きな路面でタイヤの接地性を確保するとともに、振動や車体の不必要な動きを抑える設計とした。

三菱自動車は、悪路を通過する能力だけでなく、荒れた路面や長距離移動でも乗員が快適に過ごせる「悪路快適性」を開発指標に掲げている。ラダーフレームSUVの耐久性や走破性を生かしながら、舗装路での操縦安定性と乗り心地の向上を図った形だ。

■SS4-IIとS-AWCを組み合わせる

4WDシステムには「スーパーセレクト4WD-II(SS4-II)」を採用した。走行状況に応じて、後輪駆動の「2H」、フルタイム4WDの「4H」、センターデフをロックする「4HLc」、ローギヤとセンターデフロックを組み合わせる「4LLc」の4モードを選択できる。

新型ではSS4-IIに加え、車両運動統合制御システム「スーパーオールホイールコントロール(S-AWC)」を採用した。フロントブレーキを利用して左右輪間のトルクを制御するアクティブヨーコントロール、駆動力を調整するスタビリティー・トラクション制御、ABSなどを統合し、ドライバーの操作や路面状況に応じて4輪の駆動力と制動力を制御する。

走行モードは、NORMAL、ECO、GRAVEL、SNOW、MUD、SAND、ROCKの7種類を用意した。市街地や高速道路から砂地、泥濘路、岩場まで、路面に応じて車両制御を切り替えられる。ブレーキには18インチの大径ローターと電動ブースターを採用している。

■2.4Lディーゼルに新開発8速AT

パワートレインには、ワイドレンジのシングルVGターボを備えた専用開発の2.4L直列4気筒クリーンディーゼルエンジンを搭載する。最高出力は150kW(204PS)、最大トルクは480N・mで、一部仕様では470N・mとなる。

トランスミッションには、新開発のスポーツモード付き8速オートマチックを組み合わせた。低速域で必要となる力強い駆動力を確保しながら、高速走行時の滑らかな変速と静粛性にも配慮したとしている。

ボディーサイズは全長4920mm、全幅1925mm、全高1910mm、ホイールベース2870mm。20インチタイヤ装着車の最低地上高は230mmで、アプローチアングルは30.4度、ランプブレークオーバーアングルは22.6度、デパーチャーアングルは25.8度となる。前後重量配分は52対48とした。

■3列7人乗りの室内と伝統のマルチメーター

室内は3列7人乗りで、初代パジェロから続く水平基調のインストルメントパネルを受け継いだ。2列目シートには150mmのスライド機構とタンブル機構を採用し、3列目への乗り降りや荷室の使い勝手を高めている。3列目は大人の乗車を想定し、頭上と足元の空間を確保した。

インストルメントパネルには、2枚の14.3インチ画面で構成する「モノリスディスプレイ」を採用する。一部仕様では12.3インチ画面となる。スマートフォン連携ディスプレイオーディオはワイヤレス接続に対応し、対応する地図アプリや音楽アプリを利用できる。

歴代パジェロを象徴する3連メーターは、デジタル表示の「マルチメーター」として受け継がれた。高度、方位、温度、車体の前後左右の傾き、AYCの制御状態などを表示し、変化する車両の状態や走行環境を把握しやすくする。

前後ドアを含む遮音ガラスや各部の遮音対策も採用した。シートベンチレーション、3ゾーン独立温度調整式フルオートエアコン、ヤマハと共同開発した12スピーカーの「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」なども設定する。

■安全・運転支援機能を拡充

予防安全機能には、歩行者、自転車、自動二輪車の検知と交差点アシストに対応した衝突被害軽減ブレーキ、前方衝突予測警報、踏み間違い衝突防止アシストを採用する。

緊急時車線維持支援機能も三菱自動車として初採用した。前方カメラとレーダーで車線や周辺車両を認識し、車線逸脱の危険を検知すると警報やステアリング制御でドライバーを支援する。交差点で左右から接近する車両を検知する前進時交差車両検知警報も備える。

高速道路では、レーダークルーズコントロールと車線維持支援を統合した「マイパイロット」が、先行車との車間距離や車線中央の維持を支援する。エアバッグは、前席乗員同士の接触による傷害低減を図るSRSセンターエアバッグを含む8個を装備する。

車両周辺の確認には「3Dマルチアラウンドモニター」を採用した。4台のカメラ映像と車両の3Dモデルを組み合わせ、駐車時や狭い道路だけでなく、オフロード走行時にも周囲の状況を表示する。

急勾配や岩場などで車両前方や床下付近の路面を確認できる「フロントアンダーフロアビュー」も搭載した。SS4-IIで4HLcまたは4LLcを選択すると自動的に起動するほか、必要に応じて手動でも表示できる。

コネクテッドサービス「MITSUBISHI CONNECT」では、スマートフォンからのエアコン操作や車両状態の確認、緊急時にオペレーションセンターへ接続するSOSコールなどを提供する。

■歴代モデルの意匠とダカールの経験を継承

新型パジェロのデザインコンセプトは「グランドカリスマ-泰然自若-」で、水平基調のスクエアなプロポーションを基本とした。初代のロールバーをモチーフにしたCピラーや、歴代モデルの背面スペアタイヤを想起させるリアの六角形意匠などを取り入れている。

フロントグリルは横桟タイプとハニカムタイプの2種類を用意し、ヘッドライトにはT字型のデザインを採用した。室内には、日本の伝統工芸「木目込み」から着想した縫製表現を取り入れ、パジェロの歴史とフラッグシップSUVとしての上質感を組み合わせた。

パジェロは1982年に初代が登場し、4世代の累計生産台数は329万台を超えた。170以上の国と地域で展開され、日本では1990年代のRVブームを代表する車種の一つとなった。

1983年から参戦したダカールラリーでは、1985年の日本車初となる総合優勝を含め、通算12回の総合優勝を記録した。2001年から2007年には7連覇を達成している。三菱自動車は、ラリーや過酷な環境で蓄積した四輪制御、耐久性、信頼性に関する知見を、新型のラダーフレームやSS4-II、S-AWCなどの開発に生かしたとしている。

■2026年度に日本へ投入

新型パジェロはタイで生産され、2026年度中にタイ、日本、オーストラリアへ投入される。従来の悪路走破性と信頼性、快適性に、フラッグシップモデルとしての上質さを加えることが開発の柱となった。

日本向けの価格、グレード別の装備、発売日などは今後発表される見通しだ。ラダーフレームと本格的な四輪駆動機構を備えながら、3列7人乗りの室内、安全・運転支援機能、コネクテッド機能を組み合わせた新型は、三菱自動車のSUVラインアップを牽引する役割を担う。

元記事: Mitsubishi Pajero Returns as Ladder-Frame Flagship With Full ADAS Suite

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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