Galaxy Z Fold8、好調な需要でDDI供給が逼迫 日本での販売は継続

2026年9月1日 17:51

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記事提供元:Tech Times

Galaxy Z Fold8の需要が当初予想を上回り、専用ディスプレイドライバーICの供給が増産の制約となっている。(写真:サムスンのウェブサイトより)

Galaxy Z Fold8の需要が当初予想を上回り、専用ディスプレイドライバーICの供給が増産の制約となっている。(写真:サムスンのウェブサイトより)[写真拡大]

Samsungの折りたたみスマートフォン「Samsung Galaxy Z Fold8」の需要が当初の予想を上回り、ディスプレイを制御する半導体「ディスプレイドライバーIC(DDI)」の供給が増産の制約となっている。Samsungは部品の発注を増やし、今後の生産向けに確保していたDDIの一部を足元の量産へ振り向ける方針だと報じられている。

日本ではSamsung Galaxy Z Fold8、Samsung Galaxy Z Fold8 Ultra、Samsung Galaxy Z Flip8が2026年8月7日に発売された。9月1日時点で、日本向け製品全体の発売延期や販売停止は発表されておらず、Samsungオンラインショップや家電量販店、通信事業者などで販売が続いている。実際の納期は販売元、容量、カラーなどによって異なる。

■予想を上回る需要でDDIが供給制約に

Galaxy Z Fold8で不足が報じられているのは、OLEDディスプレイを駆動するDDIだ。この半導体はSamsung ElectronicsのSystem LSI事業部が設計し、台湾のファウンドリであるUnited Microelectronics Corporation(UMC)が22nmプロセスで製造している。

韓国の報道によると、SamsungはGalaxy Z Fold8の需要が想定を上回ったことを受け、DDIをはじめ、ヒンジや超薄型ガラスなどの部品発注を増やしている。一方、UMCの22nmプロセスは他製品の生産にも使われており、DDIの供給を短期間で大幅に増やす余地は限られているという。

Samsungは生産を前倒しする「スーパーホットラン」をUMCに要請したものの、他製品の生産計画との調整が必要になるため、希望どおりの短納期で増産するのは難しいとされる。通常の生産では、ウェハー投入から完成したDDIを得るまでに約4カ月を要するとの業界関係者の説明も報じられている。

■製品ごとに仕様が異なるディスプレイドライバーIC

DDIは、スマートフォンのプロセッサから送られた画像データを、ディスプレイ上の画素を制御する信号へ変換する半導体だ。OLEDパネルの画素を適切な明るさや色で発光させるほか、画質補正や可変リフレッシュレートなど、ディスプレイに関係する機能を支える。

モバイル機器向けDDIは、対応するパネルの解像度、画面構成、駆動方式などに合わせて設計される。Samsungの新しい折りたたみモデルでも製品ごとにDDIの仕様が異なるため、あるモデル向けの在庫を、そのままGalaxy Z Fold8へ振り替えることは難しい。

Samsung System LSIは、22nmプロセスを使用するモバイルDDIを業界で初めて設計、開発し、商用化したとしている。同社によると、22nm化によって28nmプロセスよりロジック部分を小型化でき、消費電力の低減にもつながる。Samsungが公表した比較では、プロセスの微細化によるロジック電力の削減効果は約30%とされる。

折りたたみスマートフォンは、一般的なスマートフォンとは異なる形状や画面構成を持つ。高解像度のOLEDパネルを限られた電力で安定して駆動するうえで、DDIは重要な役割を担う。その一方、製品固有の仕様に合わせた部品であることが、需要の急増時に供給を柔軟に増やしにくい要因にもなっている。

■韓国では3モデル合計144万台を予約

Galaxy Z Fold8、Galaxy Z Fold8 Ultra、Galaxy Z Flip8は、韓国で2026年7月28日から8月3日までの7日間に計144万台の予約を集めた。2019年にGalaxy Note10シリーズが11日間で記録した138万台を上回り、Samsungのスマートフォンとして過去最多の予約数となった。

この144万台は3モデルの合計であり、Galaxy Z Fold8単独の数字ではない。標準モデルのGalaxy Z Fold8は全体の約70%を占め、計算上は約100万台に相当する。開いた状態で4対3となる幅広いメインディスプレイを採用した新しい形状に、需要が集中したことがうかがえる。

予約台数は発売前の需要を示す指標であり、そのすべてが直ちに売上高として計上されるわけではない。それでも、単一モデルに予約が集中したことは、Samsungが当初想定した部品調達と生産配分に見直しを迫る要因となった。

■今後の生産枠を足元の量産へ振り替え

Samsungは供給不足への対応として、今後の製品開発や生産用に確保していたDDIの一部をGalaxy Z Fold8の量産へ振り向ける方針だと報じられている。ただし、その在庫がGalaxy Z Fold8の将来生産分なのか、後継製品の開発用なのかは明らかになっていない。

このため、今回の在庫振り替えが特定の次期Galaxy Sシリーズなどの生産計画へ影響すると判断できる情報は確認されていない。当面は、UMCから追加供給を受けるまでの期間を既存在庫で補いながら、Galaxy Z Fold8の生産を維持する対応とみられる。

SamsungはGalaxy Z Fold8向けのDDIだけでなく、ヒンジやディスプレイを保護する超薄型ガラスの発注も増やしているという。DDIの調達だけで増産が完了するわけではなく、各部品の供給と最終組み立てを連動させる必要がある。

■メモリ価格の上昇とは異なる供給問題

今回のDDIをめぐる問題は、DRAMやNANDフラッシュなどのメモリ価格上昇とは分けて考える必要がある。メモリは幅広い製品で使用され、市場全体の需給や契約価格が多数の端末メーカーに影響する。

これに対し、Galaxy Z Fold8向けDDIの供給制約は、特定製品のディスプレイ仕様と、UMCの特定プロセスに割り当てられた生産能力に関係している。他モデル向けDDIを簡単に流用できないため、追加費用を投じるだけで直ちに供給量を増やせるとは限らない。

Samsung Electronicsの2026年第2四半期決算では、スマートフォンやタブレット、通信機器などを含むMX・ネットワーク事業が7000億ウォンの営業損失を計上した。一方、半導体を担当するDS部門の営業利益は89兆2000億ウォンに達した。Samsungはモバイル事業について、主要部品価格の上昇が収益性を圧迫したと説明している。

ただし、この決算はGalaxy Z Fold8発売前の2026年4~6月期を対象としており、同製品のDDI供給制約による損益への影響を示すものではない。Galaxy Z Fold8の需要拡大が販売台数や収益にどの程度寄与するかは、今後の決算で明らかになる。

■日本で一律の配送遅延は確認されず

日本では、SIMフリーモデルがSamsungオンラインショップ、Amazon、家電量販店、Samsung公式ストア楽天市場店、Samsung公式ストアYahoo!ショッピング店などで販売されている。ドコモもGalaxy Z Fold8を取り扱っており、販売元ごとに用意される容量やカラーが異なる。

米国のSamsung公式ストアでは、高需要の組み合わせで配送に遅れが生じているとの案内が表示されている。一方、確認できた公式販売ページでは配送予定が8月下旬または9月上旬となっており、Galaxy Z Fold8全体の配送が10月以降になるという一律の案内は確認できない。

日本市場についても、Samsungは製品全体の供給停止や全国一律の大幅な配送延期を発表していない。購入を検討する場合は、Samsungの直販だけでなく、通信事業者、家電量販店、オンラインモールなど、複数の販売チャネルで希望する容量とカラーの納期を確認するのが現実的だ。

Galaxy Z Fold8の供給問題は、製品ごとに専用設計されるDDIと、限られたファウンドリの生産枠が増産速度を左右する事例となっている。通常生産に約4カ月かかるとの報道を踏まえると、Samsungが需要に応えられるかは、既存在庫の活用とUMCによる追加生産をどのように組み合わせるかにかかっている。

元記事: Galaxy Z Fold 8 Shipments Slip to October; Money Cannot Buy Faster Delivery

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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