アードマン制作のポケモン新作は全21話、ネギガナイトとピチューをストップモーションで描く

2026年9月1日 17:51

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記事提供元:Tech Times

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アードマン・アニメーションズが手がけるポケモンの新作ストップモーションシリーズ『Pokémon Tales: The Misadventures of Sirfetch'd & Pichu』が、各話約7分の全21話で構成されることが明らかになった。ネギガナイトとピチューがガラル地方を旅し、困っているポケモンを助けながら友情を育むコメディシリーズで、2027年にDisney+で世界配信される予定だ。

■全21話、合計147分のストップモーション作品

本作は、ガラル地方で立派な騎士になることを目指すネギガナイトと、その従者として行動する好奇心旺盛なピチューを主人公に据える。2匹は各地のポケモンを助け、守ろうとするが、善意から始めた行動はしばしば予想外の騒動へと発展する。

監督のトム・パーキンソンは、ネギガナイトとピチューの関係を、笑いと温かさを備えた対照的なコンビの物語として説明している。ネギガナイトは気高い騎士を目指しながら、どこか不器用な一面を持つ。ピチューは遊び好きで騒動を起こす一方、ときにはネギガナイトを現実的な方向へ導く役割も担う。

全21話がそれぞれ約7分なら、完成映像は合計147分となる。制作現場では、アニメーター1人が1週間に仕上げる映像が平均約13秒になるとの説明もあり、単純計算では完成映像だけで約679人週に相当する。これは679週間の制作期間を意味するものではなく、複数のアニメーターが分担する作業量を合算した目安である。撮り直しや準備、セットとパペットの製作などは、この計算に含まれない。

■手で作られたガラル地方

アードマンは『ウォレスとグルミット』や『ひつじのショーン』などで知られ、パペットとミニチュアセットを少しずつ動かして撮影するストップモーションを得意としている。本作でも、ガラル地方の風景やポケモンたちが立体物として作り込まれる。

ストップモーションでは、パペットの姿勢をわずかに変えて1コマずつ撮影し、静止画を連続させることで動きを生み出す。表面に残る細かな凹凸や手作業による形の揺らぎ、素材ごとに異なる光の反射は、物体が実際にその場に存在するような質感につながる。

映画研究では、映像から表面の硬さや柔らかさ、粗さなどを想像させる表現を「触覚的視覚性」と捉える議論がある。これは、ストップモーションを見れば特定の脳領域が必ず活性化するという意味ではない。視覚を通じて、触れたときの感覚まで想像させる映像表現を考えるための概念である。

株式会社ポケモン・インターナショナルのオリジナルアニメーション担当ディレクター、フィル・リンダは、アードマンが作り上げたガラル地方について、空気の匂いや木の樹皮に触れる感覚まで想像し、登場人物と一緒に冒険したくなるような世界だと表現している。手作りのパペットやセットが生む物質感は、本作の大きな見どころになりそうだ。

■パペットを支える精密な仕組み

ストップモーション用のパペットは、外見だけでなく、同じ姿勢を保ちながら細かく動かせる内部構造が重要になる。一般にパペットの内部には、関節を備えたアーマチュアと呼ばれる骨組みが組み込まれ、アニメーターが手作業で姿勢を調整する。

ネギガナイトは、槍のように扱う長いネギと、盾に見立てた葉を持つ。こうした左右に張り出した装備を構えた状態で姿勢を維持するには、パペットの重心や関節の保持力を慎重に調整する必要がある。キャラクターの設定が、そのままパペット製作と撮影上の課題にもなる点が興味深い。

セットにも同様の手仕事が注ぎ込まれる。木の幹や地面、建物などを個別の部品から組み上げることで、ゲームの画面とは異なる、実在するミニチュア空間としてのガラル地方が生まれる。ストップモーションでは背景も単なる書き割りではなく、キャラクターが触れ、歩き、作用する物理的な舞台となる。

■ネギガナイトの騎士道をどう描くか

ネギガナイトは、ガラル地方に暮らすカモネギが戦いの果てに進化した、かくとうタイプのポケモンである。日本の公式設定では冷静沈着な性質を持ち、正々堂々と戦うことをモットーとしている。槍のような茎と盾のような葉を持つネギを大切に使い、ネギが枯れると戦場を去ってバトルから引退する。

こうした設定には、能力や経験を目に見える特徴によって伝える「シグナル」という生物学的な発想を重ねることができる。動物行動学では、維持に相応の負担がかかる身体的特徴や行動が、個体の状態を周囲に伝える手掛かりになる場合がある。歴戦のネギと、その状態に応じて戦場を退くという設定は、ネギガナイトの経験や戦う姿勢を視覚的に示す物語上の仕掛けとして機能している。

カモ類の認知研究にも、ネギガナイトの人物像を考える補助線になる成果がある。2016年に発表された研究では、孵化したばかりのマガモのヒナが、同じ形または異なる形の物体の組み合わせを見た後、別の物体でも対応する関係を選ぶ傾向を示した。研究結果の統計的な解釈には議論があるものの、鳥類の初期学習や関係認知を調べる代表的な試みの一つとなっている。

本作のネギガナイトは、常に完璧な騎士として振る舞うわけではない。立派な騎士を目指す意欲と、実際の行動で見せる不器用さの間にずれがあるからこそ、ピチューとの冒険に笑いと成長の余地が生まれる。

■ピチューの放電が生む動きと感情

ピチューは、電気を蓄えたり扱ったりすることがまだ不得意なポケモンとして描かれてきた。驚きや刺激を受けたときに思わず放電するという設定は、感情の動きが身体的な反応として外に現れるキャラクター表現にもなっている。

生物の神経や筋肉は、細胞膜を挟んだイオンの移動によって生じる電気的な変化を情報伝達に利用している。また、デンキウナギをはじめとする一部の魚類は、発電細胞を多数並べた発電器官を持ち、電気を外部へ放出できる。ピチューの電撃と同じ仕組みではないが、生体内の電気を蓄え、適切なタイミングで出力するという共通構造を考える手掛かりになる。

ピチューの放電を、人間の前頭前野の発達や特定の抑制性神経回路と一対一で対応させることはできない。一方、成長の途中にあるキャラクターが、驚きや興奮によって出力をうまく調整できないという構図には、刺激を受け取り、反応を制御し、行動として出力する情報処理のイメージを重ねられる。

ゲームでは、ピチューは十分になかよくなった状態でレベルアップするとピカチュウへ進化する。これを特定の神経発達理論で説明する必要はないが、経験や他者との関係を通じて成長するというシリーズ共通のテーマは、ネギガナイトとピチューの旅にもなじむ。冷静沈着を理想とするネギガナイトと、感情が電撃として表れやすいピチューの組み合わせは、互いの違いを動きだけで伝えやすい。

■言葉に頼らず、動きで友情を描く

本作の中心にあるのは、騎士と従者という立場の違いよりも、性格の異なる2匹が冒険を通じて親友になっていく過程である。ネギガナイトはピチューを導こうとするが、状況を冷静に見ているのはピチューの側という場面もある。片方だけが一方的に教えるのではなく、それぞれの長所と弱点が入れ替わりながら物語を動かす。

ポケモンの視点から物語を描くことも、本作の特徴だ。表情や姿勢、間合い、相手との距離、物に触れる動きなどが、セリフに代わって感情や意図を伝える。わずかな姿勢の変化を積み重ねるストップモーションは、こうした非言語コミュニケーションを細部まで設計できる表現手法である。

ネギガナイトが掲げる騎士道、制御しきれないピチューの電撃、手で少しずつ動かされるパペットは、いずれも内面の状態を身体の動きとして見せる点で共通している。科学的なイメージは作品設定を証明するためのものではなく、2匹の性格や関係、アードマンの手仕事を読み解く補助線となる。

『Pokémon Tales: The Misadventures of Sirfetch'd & Pichu』は、2027年にDisney+で世界独占配信される予定だ。具体的な配信日や、日本での正式な作品名は発表されていない。

元記事: Pokémon Tales Locks 21 Stop-Motion Episodes: Aardman’s Clay Triggers Neural Touch Response

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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