アキュラ「NEXERA Vision」が世界初公開―次期RDXはブランド初の2モーターハイブリッドに

2026年8月15日 15:46

印刷

記事提供元:Tech Times

ホンダの北米市場向け高級車ブランド「アキュラ」の次世代デザインを示すコンセプトモデル「Acura NEXERA Vision」。(写真:同社発表資料より)

ホンダの北米市場向け高級車ブランド「アキュラ」の次世代デザインを示すコンセプトモデル「Acura NEXERA Vision」。(写真:同社発表資料より)[写真拡大]

ホンダは米国時間8月13日、北米市場向け高級車ブランド「アキュラ(Acura)」の次世代デザインを示すコンセプトモデル「Acura NEXERA Vision(アキュラ・ネクセラ・ビジョン)」を世界初公開した。同車は8月14日、モントレー・カー・ウィークのイベント「The Quail(ザ・クエイル)」で一般に披露された。

消灯時にはボディーラインに溶け込み、点灯時にのみランプが現れる「ファントムライティング」と、Acuraの「A」をモチーフにした新たなライティングシグネチャーが特徴だ。このライティングシグネチャーは、ブランド初の2モーターハイブリッドを搭載し、数年以内に発売予定の次期RDXを皮切りに、Acuraの次世代ラインアップへ採用される予定である。

■ブランド40周年の節目に示す新たなデザイン言語

Acura NEXERA Visionは、Acuraのクリエイティブディレクター兼オートデザイン担当副社長である土田康剛氏の指揮のもと、米国カリフォルニア州のアキュラデザインスタジオで開発された。

Acuraは1986年のブランド創設から40周年を迎えた。土田氏は「Acuraの40周年を新たな挑戦への節目とし、Acura NEXERA Visionを今後のAcuraのデザイン言語として位置づけています」と説明している。

NEXERA Visionは特定の量産車を直接予告するモデルではなく、今後のAcuraに採用するエクステリア、インテリア、ライティングの方向性を示すデザインスタディである。その新しいデザイン言語は、次期RDXを皮切りに将来の市販モデルへ展開される予定だ。

■消灯時にボディーへ溶け込むファントムライティング

ファントムライティングは、非点灯時にはライトがボディーラインに溶け込み、点灯時にのみ発光部分が現れる灯火表現である。NEXERA Visionでは、極薄のヘッドライトとテールライトにより、滑らかで彫刻的なボディー面と特徴的な光のパターンを両立させている。

ライティングシグネチャーには、Acuraの頭文字である「A」をモチーフにした形状を採用した。Hondaの公式発表によると、この新しいライティングシグネチャーは次期RDXから次世代ラインアップへ採用される予定である。

一方、量産車におけるライトの構造、使用する発光素子、法規への対応方法など、具体的な技術仕様は発表されていない。次期RDXでコンセプトモデルのファントムライティングがどのような形で再現されるかは、正式発表を待つ必要がある。

■ワイド&ローの2人乗りクーペ

マットチタニウムで仕上げられたNEXERA Visionは、ワイド&ローのスタンスを持つ2人乗りクーペである。フロントタイヤの中心からダッシュボードまでの距離である「ダッシュ・トゥ・アクスル」を長く取り、キャビンを後方に配置した伸びやかなプロポーションが特徴だ。

エクステリアには、デュアルヒンジ式のバタフライドアとアクティブリアスポイラーを採用した。リアスポイラーはリアデッキ上の空気の流れを制御し、空力効率や高速走行時の安定性、制動時の性能を高める役割を担う。

22インチのセンターロックホイールはAcuraとして初の採用で、マットアルマイト仕上げとフォージドカーボンファイバー製インサートを組み合わせた立体的なデザインを持つ。その奥にはBrembo製カーボンセラミックブレーキが配置されている。

フォージドカーボンファイバーは、短く切った炭素繊維と樹脂を成形した褓合素材である。NEXERA Visionでは、エアロチャンネルを備えたフロントフェイシア、リアディフューザー、ロッカーパネル、ドア内側の構造などに使用されている。

■固定式シートを採用したドライバー中心のコックピット

インテリアは、ブラックとホワイトを基調に、鮮やかなピンクのアクセントを組み合わせている。グロスブラックとフォージドカーボンファイバーの表面処理、ヨーク型ステアリング、ドライバー側へ湾曲したディスプレイにより、運転への集中を重視した空間を構成した。

フロントシートは一般的なスライドレールを使わず、フロア構造と一体化した固定式である。シートの位置を低くできるため、スポーツカーらしい低い着座位置を実現できる。ドライバーの体格に合わせた調整は、シートではなくステアリングとペダルを移動させて行う。

ただし、バタフライドア、固定式シート、22インチのセンターロックホイール、カーボンセラミックブレーキなどが次期RDXに採用されるとは発表されていない。これらはNEXERA Visionのコンセプトモデルとしての特徴である。

■サステナブル素材で次世代のプレミアム価値を提案

NEXERA Visionには、環境負荷の低減を意識した複数の素材が使用されている。インテリアのAlcantaraには、認証を受けた使用済みリサイクルポリエステルを採用したほか、リサイクルアルミニウムも取り入れた。

シート表皮などには、ミドリオートレザーの本革素材「CircuLeather(サーキュレザー)」を採用している。Hondaは、こうしたサステナブル素材を通じて、環境に配慮した次世代のプレミアム価値を表現するとしている。

土田氏は、サステナビリティについて、プレミアムな品質とパフォーマンスの定義において重要性が高まっているとの考えを示した。NEXERA Visionでは環境配慮を付加的な要素ではなく、デザインや素材選定の一部として扱っている。

■次期RDXはAcura初の2モーターハイブリッドに

NEXERA Visionのデザイン言語を最初に取り入れる市販車は、第4世代となる次期RDXである。Hondaの日本語公式発表では、次期RDXはAcuraブランド初の2モーターハイブリッドを搭載し、数年以内に発売する予定とされている。

NEXERA Visionから次期RDXへの採用が明らかになっているのは、新しいライティングシグネチャーを含むデザインの方向性である。ハイブリッドシステムの出力、燃費、車体寸法、装備、価格、正確な発売時期は発表されていない。

米国向け現行2026年型RDXは、2.0リッター直列4気筒VTECターボエンジン、10速オートマチックトランスミッション、四輪駆動システム「SH-AWD」を採用する。米国での希望小売価格は4万5100ドルから5万4850ドルで、1ドル159円で換算すると約717万〜872万円となる。税金や登録費用、配送・取扱手数料などは含まれない。

RDXは現在、日本で通常販売されているモデルではなく、次期モデルの日本導入や日本向け価格、仕様も発表されていない。そのため、現時点で示されている発売計画や価格は、主に北米市場を前提とした情報として捉える必要がある。

NEXERA Visionは、8月14日のザ・クエイルに続き、8月16日に「Pebble Beach Concours d’Elegance(ペブルビーチ・コンクール・デレガンス)」で展示される。

■注目ポイントQ&A

●Acura NEXERA Vision自体は市販されますか?

NEXERA Visionは、Acuraの次世代デザインの方向性を示すコンセプトモデルです。同車そのものを市販する計画は発表されていません。新しいライティングシグネチャーを含むデザイン言語は、次期RDXを皮切りに将来のAcura車へ採用される予定です。

●次期RDXにはファントムライティングがそのまま搭載されますか?

Hondaは、NEXERA Visionで示した新しいライティングシグネチャーを次期RDXから採用する予定だと発表しています。ただし、コンセプトモデルと同じ構造や表現をどの程度再現するのか、量産仕様の詳細は明らかにしていません。

●次期RDXはいつ発売されますか?

Hondaの公式発表では、ブランド初の2モーターハイブリッドを搭載する次期RDXを「数年以内」に発売する予定です。正式な発表日や発売日、価格は公表されていません。

●以前発表された電気SUV「Acura RSX」はどうなりましたか?

Hondaは2026年3月、北米で生産を予定していた「Acura RSX」について、事業環境の変化を踏まえ、開発と発売を中止すると発表しました。同社は北米市場でのEV需要の鈍化などを受けて電動化戦略を見直し、需要が高いハイブリッド車へ開発・生産リソースを再配分しています。

元記事: Acura NEXERA Vision Debuts at Monterey: Phantom Lighting Heads to Next RDX Hybrid

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

関連キーワード

関連記事