カルトホラー『ポゼッション』をパーカー・フィンが再構築 全米公開日は2027年6月11日

2026年8月15日 15:46

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記事提供元:Tech Times

Paramount Picturesは、パーカー・フィン監督によるカルトホラー映画『ポゼッション』のリメイク版を、2027年6月11日に全米で劇場公開する。同日には、2025年公開の実写版『ヒックとドラゴン』の続編も全米公開される予定だ。マーガレット・クアリーとカラム・ターナーを主演に迎えた本作が、アンジェイ・ズラウスキー監督による1981年版をどう再構築するのかが注目される。

■6月11日公開がホラー映画にとって意味するもの

Paramount Picturesは、パーカー・フィン監督による『ポゼッション』リメイク版の全米劇場公開日を2027年6月11日に設定した。同日には、Universal Picturesが手掛ける実写版『ヒックとドラゴン』の続編も公開される予定で、ファミリー映画と成人向けホラーが同じ週末に封切られる形になる。

1981年版『ポゼッション』は、冷戦下の西ベルリンを舞台とするフランス・西ドイツ合作のサイコロジカルホラーだ。崩壊していく夫婦関係と超自然的な恐怖を重ね合わせた作品で、イザベル・アジャーニはアンナ役の演技により、1981年のカンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した。

同作は、英国映画協会の映画誌Sight and Soundが実施した2022年の「史上最高の映画」批評家投票で243位タイに入った。一般的な夏の大作とは性格が大きく異なるが、現在までカルト映画として支持を集めている。

リメイク版が同日に公開される実写版『ヒックとドラゴン』続編と直接同じ観客層を争うとは限らない。Paramountが見込んでいるのは、成人のホラー映画ファンやアートハウス映画の観客、1981年版を支持する観客だと考えられる。

フィンが監督した『SMILE/スマイル』と『スマイル2』は、世界興行収入の合計が約3億4500万ドルに達したと報じられている。Paramountにとって『ポゼッション』は、フィンの商業的な実績を背景に、非フランチャイズのホラー作品を夏の大作シーズンへ投入する試みとなる。

■パーカー・フィンがリメイクを手掛ける理由

フィンの『SMILE/スマイル』シリーズは、トラウマや恐怖が人から人へ伝播していく物語を描いてきた。1981年版『ポゼッション』も、夫婦関係の崩壊や登場人物の不安定な心理を、肉体的かつ超自然的な恐怖として表現している。両作品には、心理的苦痛を目に見える恐怖へ変換するという共通点がある。

フィンはEntertainment Weeklyのインタビューで、1981年版を「史上最も好きな映画の一つ」と表現した。また、オリジナルが持つ「牙と獰猛さ」を受け継ぎながら、新たな探求を加えたいとの考えを示している。

1981年版は、ズラウスキー自身の離婚やポーランドを離れた経験と深く結びついた作品である。劇中のクリーチャーは、単なる外部からの脅威ではなく、登場人物の内面や夫婦関係の崩壊を映し出す存在として描かれる。

クリーチャーの造形を担当したのは、映画『エイリアン』や『E.T.』にも参加した特殊効果アーティストのカルロ・ランバルディだ。リメイク版が原作の表面的な恐怖だけでなく、その心理的、象徴的な構造をどのように受け継ぐかが重要になる。

フィンは、リメイク版をデジタルではなく35mmフィルムで撮影していると報じられている。2026年7月には、ニュージャージー州ジャージーシティでマーガレット・クアリーが撮影に参加する姿も報じられた。1981年版も、撮影監督ブルーノ・ニュイッテンによって35mmフィルムで撮影されている。

■キャストと制作陣

マーガレット・クアリーが、イザベル・アジャーニの演じたアンナ役を務め、カラム・ターナーがマーク役を演じる。共演者には、ポール・ダノ、ディエゴ・カルバ、マデリーン・ブルーワー、エモリー・コーエン、ニコラス・アレクサンダー・チャベスが名を連ねる。

プロデューサーは、フィンと制作会社Bad Feelingのジョナサン・ファス、Vertigo Entertainmentのロイ・リーとアンドリュー・チャイルズ、ロバート・パティンソン。マーク・ビーンストックが製作総指揮を務める。

クアリーは、2024年のボディホラー映画『サブスタンス』で、肉体的な変化を伴う激しい役柄を演じた。『ポゼッション』のアンナ役にも、感情と身体の両面で高い表現力が求められる。

1981年版で特に知られるのが、ベルリンの地下鉄駅でアンナが激しく取り乱す場面だ。アジャーニの身体表現を象徴するシーンとして、現在も作品を論じる際に頻繁に取り上げられている。

イザベル・アジャーニは2026年のカンヌ国際映画祭の際、Numéro誌に対し、クアリーの起用について好意的に語った。数年前に会ったクアリーから、自分の母親よりアジャーニに似ていると言われたという逸話を紹介したうえで、「彼女は信じられないほど才能があります」と評価している。

1981年版でマークを演じたサム・ニールは、2026年7月13日にオーストラリアで死去した。78歳だった。代理人によると死因は肺炎で、ニールはそれ以前にCAR-T細胞療法を受け、リンパ腫が確認されない状態になっていた。死の直前まで俳優として活動し、前年には4作品を撮影していたという。

ニールはかつて『ポゼッション』について、あらゆる意味で自身が出演した最も過激な映画だったと振り返っている。フィン版は、ニールが死去した後に完成へ向かうことになった。

■アートハウス・ホラーのリメイクが難しい理由

1981年版『ポゼッション』は、ズラウスキーの個人的な経験と強く結びついている。夫婦関係の崩壊、政治的な疎外感、アイデンティティーの揺らぎが、ホラーや不条理劇の表現を通じて一体化しているため、物語やクリーチャーだけを再現しても同じ作品にはならない。

映画研究者のバルトウォミェイ・パシルクは、本作を映画史上でも特に謎めいた妥協のないホラー映画の一つと評した。Sight and Soundの批評家マイケル・ブルックも、その前半を、崩壊していく関係を極めて生々しく描いた作品として評価している。

1983年に米国で当初公開された版は81分に短縮され、オリジナル版から大幅な編集が施されていた。その後、完全版に近い形で再評価が進み、カルト映画としての評価を確立した。

作品の影響はミュージックビデオにも及んでいる。Massive Attackが2016年に発表した「Voodoo in My Blood」のミュージックビデオでは、ロザムンド・パイクが地下道で激しい身体表現を見せる。監督のリンガン・レドウィッジは、1981年版のファンだと語っている。

地下鉄駅のシーンはTikTokやYouTubeなどでも繰り返し取り上げられ、公開から数十年を経た現在も、新たな観客が作品を知る入り口になっている。

リメイク版をめぐっては、1981年版の極めて個人的な背景を別の作り手が再現できるのかという疑問もある。一方、フィンは『SMILE/スマイル』シリーズを通じ、心理的な苦痛を超自然的かつ肉体的な恐怖へ転換する物語を描いてきた。こうした作風が『ポゼッション』とどう結びつくかが、リメイク版の焦点となる。

長期性悲嘆障害を含む病的な悲嘆反応については、ストレス応答や免疫・炎症系などとの関連を示す研究が報告されている。ただし、既存研究は対象者数や診断基準、研究設計が統一されておらず、具体的な因果関係や生物学的メカニズムは確立していない。

1981年版が描いた身体的な変容は、科学的現象の予見ではなく、悲嘆や欲望、夫婦関係の崩壊を映像化した表現として捉えるのが妥当だ。フィン版がこの比喩を現代の作品としてどう読み替えるかは、完成作を評価するうえで重要なポイントになる。

リメイク版が目指すべきなのは、1981年版と置き換わることではなく、フィン自身の視点から新たな意味を見いだすことだろう。その答えは、全米公開が予定される2027年6月11日に明らかになる。

■注目ポイントQ&A

●パーカー・フィン監督の『ポゼッション』リメイク版はいつ公開され、どの作品と競合しますか?

Paramountは全米劇場公開日を2027年6月11日に設定しています。同日には、Universal Picturesの実写版『ヒックとドラゴン』続編も全米公開される予定です。日本での公開日や正式な邦題は、現時点で明らかになっていません。

●1981年の『ポゼッション』はどのような内容ですか?また、なぜリメイクが難しいとされているのですか?

アンジェイ・ズラウスキー監督によるオリジナル版は、冷戦下の西ベルリンを舞台にしたフランス・西ドイツ合作のサイコロジカルホラーです。マークと妻アンナの結婚生活が崩壊していくなかで、超自然的な存在が物語に入り込みます。ズラウスキーの離婚や亡命経験と深く結びついた作品であるため、その個人的な背景を切り離して再構築することが難しいとされています。

●パーカー・フィン監督の『SMILE/スマイル』シリーズは、『ポゼッション』とどのように結びついているのですか?

両作品には、トラウマや心理的な苦痛を、目に見える超自然的、肉体的な恐怖として表現するという共通点があります。ただし、『SMILE/スマイル』では恐怖が人から人へ伝わるのに対し、『ポゼッション』では夫婦関係や登場人物の内面から恐怖が形を取っていきます。

●サム・ニールの死は、この作品にとってどのような意味を持ちますか?

1981年版でマークを演じたサム・ニールは、2026年7月13日に78歳で死去しました。代理人によると死因は肺炎です。ニールは『ポゼッション』を、自身が経験したなかでも特に過酷な作品だったと振り返っており、リメイク版はオリジナル版の主演俳優が死去した後に完成へ向かうことになります。

元記事: Paramount Sets Finn Possession Remake for June 2027 Summer Counterprogramming Against Dragon Sequel

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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