相場展望6月8日号 米国株: 5月雇用統計で就業者数増⇒金利引上げ観測⇒株価大幅下落 日本株: 米国株下落を受け、AI・半導体関連株相場の動向に注意

2026年6月8日 13:58

印刷

■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)6/4、NYダウ+874ドル高、51,561ドル
 2)6/5、NYダウ▲695ドル安、50,866ドル

【前回は】相場展望6月4日号 米国株: トランプ氏にイラン攻撃の収拾ができるか?疑問 日本株: 新高値・新安値数は、日経平均の強さに比べて、弱い状況を示す

●2.米国株: 5月雇用統計で就業者数+17.2万人増⇒金利引上げ観測⇒株価大幅下落

 1)米国5月雇用統計で就業者数+17.2万人増⇒金利引上げ観測⇒株価大幅下落
  (1)米国雇用統計の好調を受け、米国経済の堅調さを示す。そのため、ガソリンなど物価上昇対策に注目が集まる。インフレ対策が最重要との見方が強まる。ウォーシュFRB議長は、トランプ大統領の金利引下げ期待に添えない見方が増。FRBは、「金利据え置き」⇒「金利引上げ」観測が高まる。市場金利は、金利上昇が始まる。

  (2)米国10年債利回りが上昇
   ・6/1  4.443%
    6/5  4.543
    上昇幅 +0.100%高
    上昇率 +2.25%高

  (3)米国6/5、主要株価指数は大幅下落
   NYダウ         ▲1.35%安
   ナスダック総合   ▲4.17  ・・1か月分の上昇分を消し去った
   S&P500種     ▲2.65  ・・9週連続上昇止まる
   フィラデルフィア半導体株 ▲10.30 ・・AI・半導体株が株価下落を主導

  (4)金利上昇は、株価にとって「割高感」意識が高まるため、株価にとっては元凶

  (5)特に、このところ急騰した「人工知能(AI)・半導体関連株」にとって大逆風
   ・年初から大幅な株価急騰したフィラデルフィア半導体株指数
   ・フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は、年初からの上昇率は96%と大きいため、失望材料が出ると売りが加速されやすい。
   ・フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の推移
     年初   7,083
     6/3   13,916
     上昇幅  +6,833高
     上昇率  +96.47%高
   ・フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の直近の推移
     6/3  13,916
     6/5   12,220
     下落幅  ▲1,696安
     下落率  ▲12.18%安

  (6)6/5、ブロードコム▲12.58%安、1日で時価総額▲2,862億ドル・▲45.5兆円失う
   ・ブロードコム株価の推移
     6/2  481ドル 前日比
     6/3  479   ▲0.48%安
     6/4  418   ▲12.58      
     6/5  385   ▲7.92
   ・決算発表の失望で、6/2⇒6/5の下落率は▲19.90%安と、大幅下落
    人工知能(AI)ブームで株価急伸したが、4/15の水準まで落ち込んだ。
   ・「金利据え置き」⇒「金利引上げ」観測の高まりを受け、「株価割高」意識が高まるなか、決算発表内容が期待外れとなり、売り直撃を受けた。

  (7)6/5、2025年4月のトランプ関税での急落以来の下げ

●3.スペースX、公開価格1株当たり135ドルを見込む、6/12にも上場(Moneyworld)

 1)公開価格を135ドルとすると、IPO時の企業価値は1兆7,700億ドル程度となる。(約283.2兆円)。

●4.イスラエル国防相、レバノン南部での作戦継続を表明(ロイター)

●5.世界の中央銀行、外貨準備で「金」が米国債を30年ぶり逆転し首位(ABEMA)

 1)ヨーロッパ中央銀行の報告書による、金と米国債の保有割合
        2024年末   2025年末  増減
  金     20%  ⇒  27%   +7%増
  米国債   25   ⇒  22    ▲3%減
 2)金価格の上昇や、地政学リスクから、中国やポーランド、インドなどが金の購入が進んでいることが背景にある。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)6/4、上海総合▲26安、4,057
 2)6/5、上海総合▲30安、4,027

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)6/4、日経平均▲931円安、67,470円
 2)6/5、日経平均▲882円安、66,588円

●2.日本株: 米国株下落を受け、人工知能(AI)・半導体関連株相場の動向に注意

 1)日経平均寄与上位:人工知能(AI)・半導体関連株相場の動向に注意
  (1)6/4、日経平均▲931円安、寄与上位5銘柄▲987円安、占有率106.01%
   ・寄与上位    寄与額   下落率   株価下落幅
    ソフトバンクG  ▲755円安  ▲11.28%安 ▲938円安
    イビデン     ▲120    ▲8.14   ▲1,785
    村田製作所    ▲42    ▲4.95   ▲516
    フジクラ     ▲39    ▲3.92 ▲196
リクルート    ▲31   ▲2.79   ▲305
     合計      ▲987

   ・中東情勢懸念と米国半導体ブロードコムの急落で利益確定売り優勢となり下落。

  (2)6/5、日経平均▲882円安、寄与上位5銘柄▲957円安、占有率108.50%
   ・寄与上位     寄与額   下落率    株価下落幅
    東京エレクトロン ▲423円安  ▲6.61%安  ▲4,210円安
    アドバンテスト  ▲339    ▲4.99    ▲1,405
    イビデン     ▲94    ▲6.92    ▲1,395
    京セラ      ▲52 ▲4.93    ▲193
    信越化学     ▲49    ▲3.81    ▲291
     合計      ▲957円安

   ・上昇寄与にはTDK+4.08%高、ソフトバンクG+0.66%高、キオクシア+1.59%高、トレンドマイクロ+7.28%高。上昇5銘柄の寄与額合計は+174円高。
   ・2日連続の「人工知能(AI)・半導体関連株」主導の株価下落は、嫌な感じを醸し出している。

 2)仮想通貨ビットコイン下落
  ・「トランプ相場」の恩恵が消失
  ・ビットコイン(日本)の推移
    12/30  87,485ドル
    04/30  76,336
    05/29  74,081
    06/05  61,966
  ・ビットコインの下落は、市場の意識が低下してきていることの裏返し。

 3)海外短期投機筋の手仕舞い売りが始まると、日経平均は大幅下落につながりやすい
  ・コロナショック後から6年あまり続いた強気相場が終わを示している可能性。

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・4188 三菱ケミカル    業績絶好調
 ・6523 PHS        業績絶好調
 ・6869 シスメックス    業績好調

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

記事の先頭に戻る

関連キーワード

関連記事