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「有事の金」は2026年も上昇するのか
2025年は「オルタナティブの1年」といわれている。この場合のオルタナティブは株式や投資信託ではない、いわゆる代替の資産という定義だ。
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2024年春にイランとイスラエルの紛争が激化してから金は上昇基調に乗り、資産形成関連ビジネスも「金が最高値に到達!」と騒ぎ立てた。
2025年に入り関税問題や米中間の貿易摩擦が激化するのに合わせ、高いボラティリティに揺れつつも金は上昇し続けた。ところが、様相が変わりつつある。
上昇一辺倒の金も下落?
2025年10月中旬に最高値を更新した金は、その後下落し一時期持ち直すものの、11月に入って再び下落を迎えている。
1つの理由は「織り込み済み」という概念だ。戦争リスクが各所で報じられているものの、代替資産としての金は既に上昇し、今後は予想を覆すような大きなニュースが無いと、投資家のあいだで新鮮味を以って迎えられない状況となっている。
もう1つは金利リスクだ。アメリカのFOMCは、2025年に残る1度の会合で利下げを示唆しているものの、各所に配慮した「ソフトランディングの利下げ」に限定しようとしている、と報じられている。
景気浮揚効果のある利下げだが、同時にインフレを招くため、何度も実行とはいかないためだ。FOMCを開催するFRBと相性が良いとはいえないトランプ大統領がいくら騒ごうとも、それは変わらない。
金自体の過熱リスクも重なり、2026年の金の価値は変わらず高く評価されながらも、2025年のような「絶対的な注目株!」とはならないだろう。一方でここ数年、右肩上がりと称されたアメリカ株のインデックスファンドも上昇し、「本当にこの先も上がり続けるのか?」という警戒論も高まってきている。
インデックスにもしものことがあれば、金などオルタナティブはより再評価されていくはずだ。その時に金は自身の過熱感と戦っていないだろうか。複合的な要因を踏まえて動く、2026年の金に引き続き注目したい。(記事:株式会社FP-MYS 工藤 崇・記事一覧を見る)
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