5月のパート・バイト時給は上昇傾向、マイナビ調査では初の1300円台に

2025年6月17日 08:52

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 求人サイトを運営する各社が、5月度のパート・アルバイト時給動向を発表。ディップ調査では前年同月を下回った一方、マイナビ調査では過去最高時給を更新するなど明暗が分かれたが、概ね時給の上昇傾向が続いていることが分かった。

【前月は】4月のパート・バイト時給、「小売」「サービス系」は好調 下落傾向の動向も

■マイナビは平均時給が初の1,300円台に

 13日、マイナビが5月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比71円増の1,306円となり、33カ月連続で前年同月を上回ると共に、調査開始以来初めて平均時給が1,300円台に乗った。

 地域別では、北海道・東北が同102円増の1,209円、関東が同58円増の1,364円、甲信越・北陸が同132円増の1,251円、東海が同87円増の1,250円、関西が同64円増の1,310円、中国・四国が同113円増の1,199円、九州・沖縄が同95円増の1,208円と、全てのエリアで前年同月を上回った。

 インバウンドや国内行楽需要を背景に、「飲食・フード」業界で平均時給の上昇が続いており、夏の繁忙期に向けて更なる時給の上昇が予想される。一方で、食材価格の高騰などが人件費抑制に向かう可能性もあるという。またエリア間での時給差が縮小する傾向もあり、賃金格差が縮小すれば、地域経済の活性化にもつながる可能性もある。

■ディップは8カ月連続で前年同月下回る

 同日、ディップが5月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は前年同月比40円減の1,293円となり、8カ月連続で前年同月を下回った。「バイトル」に掲載された求人件数は同10.8%増の約35万5,000件だった。

 地域別では関東が同63円減の1,358円、東海が同71円増の1,262円、関西が同4円増の1,286円、九州が同206円減の1,176円だった。

■リクルートは時給アップ傾向が続く

 同日、リクルートの調査研究機関『ジョブズリサーチセンター(JBRC)』が5月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査(三大都市圏)」を発表した。平均時給は前年同月比31円増の1,251円だった。

 地域別では首都圏が同20円増の1,288円、東海が同43円増の1,178円、関西が同46円増の1,217円となり、3地域とも前年同月を上回った。

■エン・ジャパンは2カ月ぶりに前年上回る

 同日、エン・ジャパンが5月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。全国平均時給は前年同月比11円増の1,248円となり、2カ月ぶりに前年同月を上回った。

 エリア別では関東が同22円増の1,349円、東海が同3円減の1,241円、関西が同34円増の1,357円だった。

 給与改定の落ち着きが時給の変動を小幅に抑えたものの、関西圏では万博の影響により引き続き「販売・サービス系」「フード系」で時給が上昇傾向にあるという。また「警備・清掃系」では継続した求人が続いており、夏のイベント開催に向けて更に求人が増える見込みだ。

 職種別では9職種中6職種で前年同月を上回った。その中では警備・清掃・設備管理が1,227円(前年同月比:71円増、以下同じ)、営業系が1,464円(68円増)、クリエイティブ系が1,277円(60円増)、教育・その他が1,429円(98円増)で伸び幅が大きめ。反対に運輸・配送・軽作業系が1,209円(73円減)、企画・事務・管理系が1,280円(14円減)、医療・複素が1,409円(5円減)と、3職種で前年同月を下回った。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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