NECソリューション、聴覚障がい者向けに要約筆記を遠隔地から操作するシステムを提供

2015年3月12日 12:40

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「遠隔要約筆記支援システム」の運用イメージ(NECソリューションイノベータの発表資料より)

「遠隔要約筆記支援システム」の運用イメージ(NECソリューションイノベータの発表資料より)[写真拡大]

  • システム利用イメージ(支援者画面)(NECソリューションイノベータの発表資料より)

 NECソリューションイノベータは12日、聴覚障がい者向け要約筆記を遠隔地から実施するとともに、要約筆記者(支援者)の負担を低減する仕組みを併せ持つ「遠隔要約筆記支援システム」を開発し、本格的にサービス提供を開始したと発表した。

 要約筆記とは、聴覚障がい者への情報保障手段の一つで、発言者の話を要約し、文字として伝えることである。通常は、聴覚障がい者が参加する講演や授業の場所に支援者を複数人派遣し、その場でノートやパソコンを使って行われている。しかし、現地へ移動する時間などが負担となるために支援者の確保が難しく、その調整を行う担当者にも大きな負担となっている状況だ。

 このシステムは、パソコンとインターネットを使用し、クラウドサーバを通じて、遠隔地から要約筆記を行うことを可能にする。また、支援者の配置やスケジュール管理をこのシステムで行うことで、調整担当者の負担を低減する。

 2012年から岡山県高梁市の吉備国際大学など教育機関で実証実験を重ね、利用現場の様々なニーズを踏まえた機能強化を行い、本格的にサービス提供を開始した。価格は、「遠隔要約筆記支援システム スタートキット」が10万円(税抜き)、「遠隔要約筆記支援システム 利用ライセンス」が8万円(税抜き)、「遠隔要約筆記支援システム 追加ライセンス」が6万円(税抜き)、「遠隔要約筆記支援システム 休止ライセンス」が1万円(税抜き)である。今後3年間で、100団体への提供を目指す。

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