味の素 米国販売網確保で冷凍ラーメン発売計画

2014年12月16日 23:37

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記事提供元:エコノミックニュース

 味の素<2802>が冷凍ラーメンを全米で販売する計画であることが分かった。米国での冷凍ラーメンの販売は初めてのこととなる。カップ麺や袋入りの乾麺とは一味違う、本場日本のラーメンがどのように歓迎されるのか、反応が楽しみなところだ。

 発売予定は2015年4月。同社は11月初旬に米国の冷凍食品会社、ウィンザー・クオリティ・ホールディングス(テキサス州)を約800万ドルで買収している。味の素は買収後もウィンザーの経営体制を維持していきながら、既存の販売網を生かし、現地での事業拡大を目指す。ウィンザーは、約8万店のスーパーや小売店に販売網を有しており、味の素は、すでに米国で販売している冷凍ギョウザや冷凍チャーハンなども、ウィンザーのルートを通して販売する予定だ。

 目標に掲げているのは「日本食・アジア食で冷凍食品市場のナンバーワン」になること。日本食ブームを追い風に、20年までに米国での冷凍食品事業の売上高を現在の約7倍以上となる1,000億円まで伸ばしていく。

 来年4月に投入予定の冷凍ラーメンだが、生産はインスタントラーメン大手の東洋水産<2875>と、米国に新設予定の合弁会社で手掛け、ブランドは味の素で統一して販売する。ラーメンを作ったことがない人にも受け入れられやすいよう、作り方はシンプルに電子レンジ調理とする方針だ。

 味の素といえばうま味調味料だが、欧米ではうま味の素であるグルタミン酸ナトリウムに対する警戒心が強いという。「グルタミン酸ナトリウム不使用」を謳ったスナック菓子なども販売されており、「味の素」のイメージに対する心理的なハードルをどう解消していくかも課題のひとつだろう。

 味の素は現地での動向を調査するために10月から一部地域で「チキンしょうゆラーメン」をテスト販売している。価格は4食入りで一箱10.99ドルとなり、1食あたり200~300円といった価格帯で落ち着きそうだ。手軽に済ませられるランチや小腹を満たす定番アイテムとなりえるのか、期待がかかっている。(編集担当:久保田雄城)

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