ロンドンの無人ロボタクシー、2026年内の有料運行は不透明に―車両登録・許可・TfL同意が未完了

2026年8月28日 17:02

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記事提供元:Tech Times

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英ロンドンでは、Waymo、Wayve、Baidu(百度)などが自動運転車の試験を進めているが、運転席に人がいない車両で乗客を有料輸送するサービスの開始時期は見通せない状況となっている。

英政府は2025年、自動運転のタクシーやバスに乗客を乗せる小規模な商用実証を2026年春から始められるよう、制度導入を前倒しする方針を示した。しかし2026年8月時点で、ロンドンにおける無人サービスに必要な車両登録や自動旅客サービス許可の手続きは完了しておらず、ロンドン交通局(TfL)への同意申請も行われていない。

■政府が示した2026年春の開始時期を過ぎる

英政府は2025年6月、安全運転者を乗せない自動運転のタクシー・バス型サービスについて、小規模な商用実証を2026年春から始められるよう制度整備を前倒しすると発表した。これは実証を可能にする規制上の枠組みを設ける方針であり、特定の事業者によるサービス開始を保証するものではなかった。

この方針を受け、自動運転各社はロンドンでの展開計画を相次いで明らかにした。米Alphabet傘下のWaymoは、2026年に運転者のいない配車サービスをロンドンへ投入する意向を表明した。英国の自動運転技術企業WayveはUberと提携し、ロンドンで自動運転車による乗車サービスの準備を進めている。Baiduの自動運転配車サービスApollo Goも、Lyft傘下のFreenowなどと組んで専用車両RT6の試験を始めた。

WayveとUberの乗車サービスには、8週間で10万人を超えるロンドン市民が関心登録を行った。ただし、この登録はWayveとUberのサービスを対象とするもので、ロンドンで試験を進める全事業者のウェイティングリストを合算した数字ではない。

■無人の有料運行には複数の手続きが必要

英国では、安全運転者を乗せずに有料の旅客サービスを提供するために、自動旅客サービス(APS)の許可制度が設けられている。2026年自動旅客サービス許可規則は同年5月15日に施行された。

ロンドンでタクシーや民間ハイヤーに相当する無人サービスを運営する場合、まず対象車両が自動運転車として登録または認可される必要がある。そのうえで、運転者車両基準庁(DVSA)がAPS許可の申請を審査し、ロンドンでの運行についてTfLの同意を求める。

TfLはAPS許可そのものを発行する機関ではない。ロンドンにおけるタクシー・民間ハイヤー型サービスの「同意機関」であり、DVSAから正式な照会を受けた後、一定期間内に同意するか拒否するかを判断する立場にある。

TfLによると、2026年8月時点では、車両認証局(VCA)への車両登録に関する最初の段階を完了した事業者はなく、DVSAへのAPS許可申請や、TfLに対する正式な同意申請も提出されていない。

■TfLの同意基準も未公表

TfLは、APS許可への同意を判断する際に用いる独自の指針をまだ公表していない。TfLの戦略ディレクターを務めるクリスティーナ・カルデラト氏は2026年7月、ロンドン議会の交通委員会で、申請を受け入れられるようになるまでには「しばらく時間がかかる」と説明した。

指針の公表時期を問われたカルデラト氏は、「指針を急いで出す必要があるとは考えていない。舞台裏では膨大な作業が進んでいる」と述べた。

もっとも、TfLの指針だけが無人運行を止めているわけではない。車両の登録・認可、DVSAによるAPS許可、TfLによる同意という段階を経る必要があり、現時点では先行する国レベルの手続きも完了していない。TfLが指針を公表しても、それだけで無人サービスを始められる状態にはならない。

■Waymoは約100台で監視付き試験

Waymoは2026年4月、訓練を受けた専門スタッフを運転席に乗せ、ロンドンの公道で自動運転試験を始めた。約100台の電気自動車Jaguar I-Paceを用い、およそ100平方マイルの範囲で走行していると報じられている。

ロンドンには狭い道路やラウンドアバウト、自転車、歩行者、頻繁な道路工事などが混在する。Waymoは、公道走行やシミュレーションを通じて、英国固有の道路配置や交通ルールに対するシステムの検証を進めている。

Waymoは2026年末までにロンドンで完全自動運転サービスを開始することを目指しているが、同年中に一般客を対象とする有料乗車まで始められるかは明らかにしていない。同社は運輸当局との安全承認手続きを進めるとともに、TfLの指針を待っているとしている。

■WayveとUberは安全運転者付きの乗車へ前進

WayveとUberは2026年8月、Wayveの自動運転システムを搭載したFord Mustang Mach-Eについて、TfLから民間ハイヤー車両のライセンスを取得した。対象は15台で、訓練を受けたTfL認可の運転者が乗車し、必要に応じて運転を引き継ぐ。

このライセンスにより、両社は選ばれた利用者を乗せる監視付きサービスを実施できるようになった。一方、運転者を乗せない運行には別途APS許可が必要となる。

Wayveは、高精度地図への依存を抑え、カメラなどから得た情報を基に運転を学習するエンドツーエンド型のAIを開発している。さまざまな都市や道路環境への適応を目指す設計だが、ロンドンで無人の有料サービスを始めるには、技術検証と規制手続きの双方を終える必要がある。

Wayveのアレックス・ケンドルCEOは、規制手続きを確実に通過することを優先するとして、完全無人運行の具体的な時期を示していない。同社は2026年中に完全無人サービスを開始すると約束したことはないとも説明している。

■Baiduは安全運転者を乗せてRT6を試験

BaiduのApollo GoとFreenowは2026年7月、ロンドンのブレント区で専用電気自動車RT6の公道試験を開始した。試験車両には安全運転者が乗車している。

BaiduはLyftおよびUberとの提携を通じて、自動運転車を両社の配車ネットワークに投入する計画を進めている。英国における展開はいずれも規制当局の承認が前提であり、ロンドンで一般客向けの無人有料サービスを始める時期は確定していない。

自動運転車は、周囲を認識するためのカメラや測位情報、走行経路など多くのデータを扱う。各社が商用サービスへ移行する際には、英国のデータ保護制度に基づく収集目的、保存方法、共有範囲などの説明も利用者が判断するうえで重要になる。

■欧州では監視要員付きの商用サービスも始まる

クロアチアのザグレブでは2026年4月、VerneがPony.aiの自動運転技術を使った有料乗車サービスを開始した。サービス開始当初は、訓練を受けた担当者が車内で運行を監視する方式を採用している。同年8月にはUberアプリからも予約できるようになった。

Waymoはドイツのミュンヘンでも準備を始めており、2027年末ごろの一般向け商用サービス開始を目標としている。まず人が運転して道路情報を収集し、その後、専門スタッフを乗せた自動運転試験へ移行する計画だ。

ロンドンでも各社が撤退を表明したわけではなく、監視付きの公道試験や乗車サービスの準備は続いている。一方、安全運転者を乗せない有料運行については、必要な手続きが完了しておらず、TfLやDVSAも開始日を示していない。2026年中の実現は不透明だが、2027年以降に始まると確定したわけでもない。

■注目ポイントQ&A

●ロンドンで今すぐ無人ロボタクシーの有料運行を始められないのはなぜですか?

車両の登録・認可、DVSAによる自動旅客サービス許可、TfLによる同意など、複数の手続きが必要だからです。2026年8月時点では、ロンドンでこれらを完了した事業者は確認されていません。

●運行開始の遅れはTfLだけが原因ですか?

TfLだけが原因ではありません。TfLは同意基準となる指針をまだ公表していませんが、先行する車両登録やDVSAへのAPS許可申請も完了していません。無人運行には国とロンドンの双方の手続きを経る必要があります。

●WayveとUberはすでにロボタクシーの営業許可を得たのですか?

安全運転者を乗せた民間ハイヤー車両として運行するためのライセンスを取得しています。運転者のいない有料サービスに必要なAPS許可とは異なります。

●Baiduの車両はロンドンですでに走っていますか?

Apollo GoのRT6が、安全運転者を乗せてブレント区で試験走行しています。一般客を対象とする無人有料サービスの開始日は発表されていません。

●ロンドン市民が無人タクシーに乗れるのはいつですか?

確定した日程はありません。Waymoは2026年末までの完全自動運転サービス開始を目指していますが、同年中の一般向け有料乗車は確約していません。WayveとBaiduも無人サービスの開始日を示していません。

元記事: London Robotaxi Riders Promised 2026 Driverless Trips: TfL Says No Rush

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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