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Waymo、EU初のロボタクシー拠点にミュンヘン―2027年末の商用化へ許認可が焦点

Photo by Aamy Dugiere on Unsplash[写真拡大]
米アルファベット(Alphabet)傘下の自動運転技術会社ウェイモ(Waymo)は、欧州連合(EU)で初めてロボタクシーを展開する都市としてドイツ・ミュンヘンを選んだ。今後数週間以内に有人運転による道路地図の作成を始め、必要なテストと規制当局の承認を経て、2027年末ごろの一般向け商用サービス開始を目指す。
発表時点でWaymoはドイツ連邦自動車交通局(KBA)から自動運転車の許可を取得していない。ドイツでレベル4の商用運行を実現するには、車両と自動運転機能に関する承認に加え、実際に走行する運行区域の承認が必要となる。
■ミュンヘンで有人走行から準備を開始
Waymoは今後数週間以内に、専門スタッフが運転する車両をミュンヘン市内で走らせる。最初の目的は、市内の道路や交差点、車線、標識などを記録し、自動運転システム「Waymo Driver」が利用する高精度地図を作成することだ。
その後、訓練を受けた自動運転スペシャリストが運転席に乗った状態で自動運転テストを進め、現地の道路環境に合わせてシステムを検証する。一般向けの商用サービスは2027年末ごろが目標だが、具体的な開始時期はテストの進捗と当局の承認に左右される。
ミュンヘンで使用する車両には、電気自動車のジャガー「I-PACE」が予定されている。Waymoは導入台数や当初のサービス区域を公表していない。
Waymoは米国の11都市で商用ロボタクシー事業を展開している。ミュンヘン進出を発表する5日前には、米ネバダ州の当局から、ラスベガスを含むクラーク郡で初年度に最大1,000台を運行できる商用許可を得た。ただし、同地でも車両検査や保険、運賃の届け出など、サービス開始前に満たすべき条件が残っている。
■商用運行には車両と運行区域の承認が必要
ドイツは2021年の道路交通法改正により、定められた運行区域でレベル4の自動運転車を走らせるための法的枠組みを整備した。レベル4は、一定の条件や区域内で自動運転システムがすべての運転操作を担い、運転者による常時監視を前提としない段階を指す。
ドイツ国内の制度では、まずメーカーがKBAに申請し、自動運転機能を搭載した車両について国内運行許可を取得する必要がある。KBAは車両や自動運転システムの技術要件、安全対策、想定される不具合への対応などを審査する。
これとは別に、実際に車両を走らせる「特定運行区域」について、管轄当局の承認を受ける必要がある。申請には区域を示す地図のほか、運行目的や運行条件などの情報が求められる。車両側の承認だけでミュンヘン市内の全域を自由に運行できる制度ではない。
KBAが公表している情報に基づくTechCrunchの報道によると、2026年8月25日の発表時点でWaymoはドイツの自動運転車に関する許可を保有していない。WaymoはKBA、バイエルン州当局、ミュンヘン市との協議を進めているとしている。
KBAは、申請前の相談を必須とはしていないが、技術上の疑問を早期に整理するために推奨している。また、審査期間は案件ごとに異なるため、平均的な処理期間を示すことはできないとしている。
■ミュンヘンはWaymoにとってEU初の展開先
Waymoはすでにロンドンで自動運転車のテストを進めているが、英国はEU加盟国ではない。このため、ミュンヘンは同社がEU域内で初めて具体的なサービス計画を示した都市となる。
ミュンヘンはBMWの本社が置かれるほか、自動車関連企業や技術者が集積する欧州有数の自動車産業拠点だ。Waymo共同CEOのテケドラ・マワカナ氏は、ミュンヘンを「モビリティとエンジニアリングの世界的な拠点」と位置付け、現地で車両運用体制を整備し、高度な技能を必要とする雇用を創出する方針を示した。
ドイツ連邦運輸省のクリスティアン・ヒルテ政務次官は、自動運転技術を欧州で利用するだけでなく、欧州域内で開発・運用することも重要だと述べた。バイエルン州首相府長官のフロリアン・ヘルマン氏も、テストから実運用への移行を迅速に進めたいとの考えを示している。
■高精度地図とセンサーで現地の道路環境に対応
Waymo Driverは、事前に作成した高精度地図と、車載カメラ、LiDAR、レーダーなどが取得するリアルタイム情報を組み合わせ、車両の位置や周囲の交通状況を把握する。
同社の第6世代Waymo Driverは、13台のカメラ、4基のLiDAR、6基のレーダーと外部音響受信装置を備える。複数種類のセンサーで重複する視野を確保し、車両、歩行者、自転車、道路工事などを検知する設計だ。
ミュンヘンでは路面電車や自転車、歩行者が道路空間を共有しており、米国の既存サービス地域とは標識、交差点、優先通行のルールなどが異なる。Waymoは地図作成と有人監視下でのテストを通じ、こうした地域固有の走行条件に対するシステムの動作を検証する。
■欧州では商用ロボタクシーを巡る競争が進む
欧州では複数の自動運転事業者が商用化に向けた動きを進めている。Pony.aiはクロアチアのモビリティ企業Verneなどと提携し、2026年4月にザグレブで一般利用者が予約・決済できる商用ロボタクシーサービスを開始した。
Pony.aiとUberは同年8月、ザグレブに加えて欧州の4都市へ展開し、欧州全体で2,000台を超えるロボタクシーの導入を目指す計画を発表した。追加都市や導入時期は公表していない。
ドイツではMobileyeやフォルクスワーゲンなどがKBAの許可を得て自動運転車のテストを進めている。既存の許可には、一定条件下でシステムが運転する一方、必要な場合には人間が運転を引き継ぐレベル3のものも含まれる。Waymoが目指すレベル4の一般向けサービスには、異なる承認と現地での検証が必要となる。
■Waymoが示す安全性データと検証課題
Waymoによると、同社の自動運転車は累計3億5,000万キロメートルを超える完全自動運転走行を経験し、2,000万回を超える乗車を完了している。
同社は米国のサービス地域で、人間のドライバーが同じ地域と距離を走行した場合の推計値と比較し、重傷または死亡につながる事故が94%、負傷を伴う歩行者事故が93%、負傷を伴う自転車事故が84%少なかったとしている。これらはWaymoが自社の走行データと人間のドライバーの事故率を比較した分析であり、ミュンヘンでの性能を評価するには現地での走行データが必要となる。
一方、Waymoは2026年6月、第5世代の自動運転システムを搭載する3,871台について、米道路交通安全局に自主リコールを届け出た。アリゾナ州とカリフォルニア州で、車両が閉鎖中の高速道路工事区域に進入する事例が計13件確認されたためだ。Waymoは高速道路での運行を一時的に制限し、ソフトウェアの改善を進めた。
こうした事例も含め、ドイツでの承認では、自動運転システムが通常の交通状況だけでなく、工事や車線規制、システム障害などにどう対応するかが審査対象となる。
■一般利用は2027年末を目標
2026年8月時点で、ミュンヘンで一般利用者が乗車できるWaymoのロボタクシーサービスは提供されていない。当面は専門スタッフが運転する車両による地図作成が中心となり、その後に有人監視下での自動運転テストへ移行する。
Waymoは2027年末ごろの商用サービス開始を目指しているが、確定した開始日や運行区域、料金、配車方法は公表していない。今後の焦点は、ミュンヘンの道路環境に合わせたシステムの検証と、KBAおよび区域を管轄する当局から必要な承認を取得できるかどうかとなる。
■注目ポイントQ&A
●Waymoのロボタクシーはミュンヘンでいつから利用できますか?
一般向けの商用サービスは2027年末ごろを目標としています。開始には地図作成や自動運転テストに加え、車両と自動運転機能の承認、運行区域の承認が必要です。確定した開始日は公表されていません。
●Waymoはドイツで自動運転車の許可を取得していますか?
2026年8月25日の発表時点では、KBAが公表する情報にWaymoの許可は確認されていません。同社はKBA、バイエルン州当局、ミュンヘン市と協議を進めていると説明しています。
●最初に走り始める車両は無人ですか?
いいえ。最初の段階では専門スタッフが車両を運転し、高精度地図を作成します。その後、訓練を受けたスペシャリストが運転席に乗った状態で自動運転テストを行う計画です。
●ドイツで商用運行するにはどのような承認が必要ですか?
KBAによる車両と自動運転機能の国内運行許可に加え、実際に走行する特定運行区域について管轄当局の承認を得る必要があります。運行区域の申請には地図、運行目的、運行条件などが求められます。
元記事: Waymo Picks Munich as First EU Robotaxi Market: Zero German Permits So Far
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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