Anthropic、未公開株市場で評価額1.2兆ドル突破か OpenAIを抜きIPOへ加速

2026年7月13日 14:13

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記事提供元:Tech Times

Photo by Brecht Corbeel on Unsplash

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AIスタートアップのAnthropic(アンソロピック)の株式が、セカンダリー(未公開株)市場において、一時1.2兆ドル(約194.4兆円)の評価額で取引されていると報じられた。これは競合のOpenAIを上回る規模だが、極端な売り手不足による一時的な高騰との見方もある。同社は2026年10月にもIPO(新規公開株式)を予定しているとされ、公的な市場での真の価値評価に注目が集まっている。

■セカンダリー市場で評価額の逆転が発生

AI業界における評価額の序列は、長年にわたり「1位OpenAI、2位Anthropic」で固定されていた。しかし、未公開株を取引するセカンダリー市場において、この順位が急激に逆転したことが明らかになった。

取引プラットフォームCaplightのCEOであるハビエル・アバロス氏は、米メディアBusiness Insiderに対し、Anthropic株が1.2兆ドル(約194.4兆円、1ドル=162円換算)規模の評価額で取引されていることを認め、同社を「ベンチャーセカンダリー市場がこれまでに目撃した中で、最も需要の高い企業」と評した。また、Rainmaker SecuritiesのCEOであるグレン・アンダーソン氏も同様の取引水準を確認したものの、実際に完了した取引は極めて稀であると強調した。売り手がほとんど存在しないため、極端な需給の不均衡が生じているという。

この1.2兆ドルという数字は、同プラットフォームにおけるOpenAIの評価額約9080億ドル(約147兆960億円)を約2350億ドル(約38兆700億円)上回る。Anthropicは2026年2月にシリーズGで3800億ドル(約61兆5600億円)、5月下旬にはシリーズHで9650億ドル(約156兆3300億円)の評価額を記録しており、わずか1年足らずで評価額が急騰している。

■急成長を裏付ける驚異的な売上実績

今回の評価額高騰は、単なる市場の狂乱だけが原因ではない。Anthropicの売上成長は、エンタープライズ向けソフトウェアの歴史において前例のないペースで進んでいる。

2026年5月28日のシリーズH発表時、同社は年換算ランレート売上高が470億ドル(約7兆6140億円)を突破したことを開示した。2024年12月時点の10億ドル(約1620億円)から、わずか18ヶ月未満で47倍に成長した計算になる。Salesforceが年間売上高100億ドルに達するまでに約15年を要したことと比較すると、その異次元のスピードが際立つ。

この成長を牽引しているのが、企業による採用だ。特に2025年5月に一般公開されたコーディングアシスタント「Claude Code」は、わずか半年で年換算売上高10億ドルを達成し、2026年5月時点では推定80億ドル(約1兆2960億円)規模に達しているとされる。Menlo Venturesの報告書によると、企業のLLM(大規模言語モデル)支出におけるAnthropicのシェアは、2024年の24%から2026年初頭には約40%に上昇し、OpenAIのシェアを奪う形で拡大しているという。

■なぜ取引価格が高騰するのか?セカンダリー市場の特殊なメカニズム

一方で、シリーズHの評価額をさらに上回るセカンダリー市場でのプレミアム価格は、純粋な業績だけでは説明がつかない。そこには未公開株市場特有の需給バランスが影響している。

セカンダリー市場では新規に株式が発行されるわけではなく、既存の株主(従業員や初期投資家)が保有する株式を買い手に売却する。現在、Anthropicの株主は数ヶ月以内に控えているとされるIPOを期待して株式を手放そうとしないため、売り手が極端に不足している。この結果、一部の熱狂的な買い手が価格を押し上げる構図となっている。報道によれば、シリコンバレーの住宅などの不動産とAnthropic株の交換を提案する買い手まで現れているという。

また、多くの取引がSPV(特別目的会社)を経由して行われているが、Anthropic側は「間接的な投資勧誘はすべて無効とみなす」と公式に警告し、こうした取引を厳しく制限している。それにもかかわらず、投資家は高い手数料や法的リスクを冒してでも資金を投じ続けている状況だ。

■10月上場と噂されるIPOへのカウントダウンと今後のリスク

このセカンダリー市場での狂乱も、IPOの実施によって終止符が打たれる見込みだ。Anthropicは2026年6月1日、米証券取引委員会(SEC)にS-1登録届出書草案を非公開で提出したことを確認しており、主要AIラボとして初めて正式に上場プロセスを開始した。関係者の間では2026年10月の上場が有力視されているが、同社からの正式な日程発表はない。

上場により市場の流動性が無限になれば、現在の「希少価値」によるプレミアムは消滅し、公的な市場による冷徹な評価を受けることになる。また、上場に伴い開示される監査済みの財務諸表によって、470億ドルというランレート売上高の正確な内訳も明らかになる。

投資家が留意すべきリスク要因も存在する。同社は、著作権侵害を巡る集団訴訟「Bartz対Anthropic」において15億ドル(約2430億円)の和解に達しているが、裁判所の最終承認は未だ下りていない。さらに、ユニバーサル ミュージック グループなどから30億ドル(約4860億円)の損害賠償を求める訴訟も提起されている。また、米政府による輸出管理指令や国防総省による「サプライチェーンリスク」指定など、安全保障上の規制が今後のモデル提供に影響を与える可能性もある。

それでも、Fortune 10企業の8社がClaudeを採用し、年間100万ドル以上を支払う企業が1000社を超えるなど、同社の商業的成功は極めて強力だ。2026年第2四半期には初の四半期黒字化を達成するとの予測もあり、IPOに向けた市場の関心は高まり続けている。

■注目ポイントQ&A

●1.2兆ドルという評価額は、Anthropicの実際の企業価値を正確に表していますか?

いいえ、これはセカンダリー市場(未公開株市場)における一部の取引に基づく推定評価額です。同市場では売り手が極めて少なく、買い手が殺到しているため、価格が実態以上に高騰している可能性があります。同社の最新の正式な資金調達(シリーズH)での評価額は9650億ドル(約156.3兆円)です。

●一般の投資家がIPO前にAnthropicの株式を購入することはできますか?

一般の個人投資家が安全に購入できる手段はほぼありません。セカンダリー市場では特別目的会社(SPV)を経由した取引が提案されることがありますが、Anthropicは「間接的な投資勧誘はすべて無効とみなす」と公式に警告しており、高い手数料や法的リスクが伴います。2026年10月と予測されているIPOを待つのが最も安全な方法とされています。

●なぜ未公開市場でAnthropicがOpenAI以上の評価を受けているのですか?

主に、Anthropicの驚異的な売上成長率と、市場における極端な株式の供給不足が原因です。同社の年換算ランレート売上高は470億ドル(約7.6兆円)に達し、OpenAIの約240億ドルを上回っているとされています。また、株主が売却を拒んでいるため、希少価値が非常に高くなっています。

元記事: Anthropic Tops $1.2 Trillion on Private Markets, Passing OpenAI in Race to IPO

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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