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相場展望6月23日号 米国株: アップル⇒テスラ⇒エヌビディアに次ぐ、新たな星の出現に期待 日本株: 株主総会以降の買い方&売り方に変更があるのか? 注視 米国によるイラン空爆が、中東情勢の悪化拡大⇒株相場に重荷
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)6/19、祝日「ジューンティーンス独立記念日」で休場
2)6/20、NYダウ+35ドル高、42,206ドル
【前回は】相場展望6月19日号 米国株: FRBの金利据え置きは妥当な判断、イラン情勢でインフレ懸念増 日本株: 海外短期投機筋の暗躍で、少数銘柄が日経平均を押し上げ
●2.米国株 : アップル⇒テスラ⇒エヌビディアに次ぐ、新たな星に期待
1)トランプ関税発表前高値⇒発表後急落4/8に大底⇒発表前高値を抜く⇒勢い止まる
・NYダウの推移
3/25 42,587ドル
4/08 37,645
6/12 42,967
6/20 42,206
・3/25高値を抜いて、(1)一休みなのか(2)気が抜けて下落するのか? 要注目
2)トランプ当選後の12/04高値となる史上最高値にはまだ距離がある
・NYダウの推移
2024年12/04 45,014ドル 史上最高値
2025年01/10 44,882
03/25 42,587 トランプ関税発表前高値
06/20 42,206
・チャート的には、12/04史上最高値から下り傾向である
・このため、中期的にはこの「下方傾向」が止まるのか、再点火するのか、注目される。アップル⇒テスラ⇒エヌビディアに次ぐ、新たな星が待たれる。
3)トランプ米国政権による、イラン核施設への空爆がさらなる中東情勢悪化拡大を招く可能性がある。
・ホルムズ海峡閉鎖や中東地域に展開する米国軍基地への反撃などが予想される。
・イランの支配体制に混乱が起こるのか?注目するべき点が多々ある。
・原油価格の動向や、中東の石油に大きく依存する中国・日本などへの影響もあり、株式市場にとっても大きな課題を抱える。
●3.トランプ政権、対中国・半導体製造装置規制強化を検討=報道(ブルームバーグ)
●4.リッチモンド連銀バーキン総裁、関税がインフレ・リスク、米国の雇用市場と個人消費は堅調だとし、利下げを急ぐ必要はない(ブルームバーグ)
●5.ウォルラーFRB理事、早ければ7月に利下げの可能性ある(ブルームバーグ)
●6.関税の影響を評価するのは時期尚早=FRB金融政策報告書(ロイター)
1)関税の影響はまだ出始めたばかり。米国のインフレ率はやや上昇し、労働市場は堅調であるとも指摘した。
●7.フィラデルフィア地区連銀、製造業指数は3カ月連続マイナス、雇用も悪化(ロイター)
1)6月の製造業業況指数は▲4.0で、3カ月連続、予想は▲1.0だった。
2)雇用指数は▲9.8と、2020年5月以来の低水準を記録した。
3)トランプ大統領の関税措置が生産の重しとなり始めていることを示唆した。企業の5分の1が従業員の減少を報告し、増加企業の約2倍に上った。労働時間も減少した。新規受注指数も低下し、企業活動と雇用市場がいずれも軟化している。
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)6/19、上海総合▲26安、3,362
2)6/20、上海総合▲2安、3,359
●2.中国の自動車生産能力の稼働率は49.5%、価格競争が長期化する恐れも(RecordChina)
1)中国の自動車生産能力は年5,550万台だが昨年の稼働率は49.5%にとどまった。近年、急成長を遂げる電気自動車(EV)もこうした苦境から逃れるのは難しい。自動車メーカーは限られた市場シェアを奪おうと値下げを続け、利益を圧迫。同時に業界再編の圧力も強まり、多くの中小企業が淘汰や買収リスクにある。
●3.中国の太陽光企業トップ、過剰生産能力の解消を呼び掛け、悲観的な声も(RecordChina)
1)中国政府は、太陽光パネル・電気自動車・リチウムイオン電池を「新三様」と位置付け補助金など強力に支援、太陽光パネルの中国生産は世界の8割を占めた。
2)太陽光電池主要7社の2024年12月期決算で最終損益の合計が2017年以降、初めて赤字に転落した。中国企業の需要を大幅に上回る供給により、市況が悪化したのが原因だ。
●4.中国の年央の最大商戦「618」、盛り上げりを欠いたまま終了(ロイター)
1)もともとは電子商取引(EC)の大手・京東集団の創業日である6/18を記念した1日限りのイベントだったが、全てのECなどに広がり、商戦期間も長くなった。
2)小売業者は割引を強化、政府は消費者補助金を拡大することで、低迷する消費を回復させようとした。しかし、雇用への不安や賃金の伸び悩みに見舞われる消費者は散在する気分になれなかったようだ。
3)通年での値引き販売が進んでいることもあり、こうしたイベントに対する熱狂は落ち着いているという。
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)6/19、日経平均▲396円安、38,488円
2)6/20、日経平均▲85円安、38,403円
●2.日本株:株主総会以降の買い方&売り方に変更があるのか? 注視
トランプ政権によるイラン核施設への空爆で中東情勢は悪化拡大、重荷
1)空売り比率が超低水準を記録にも拘わらず、日経平均は6/20に▲85円安
・6/20の空売り比率は34.3と最低水準にある。にもかかわらず、この日の日経平均は▲85円安と、相場の弱さが気になるところである。
2)個別銘柄でみると6月半ばに、戻り高値を付け、その後は調整に入った銘柄が多数
3)3月決算企業の株主総会が今週後半に集中するため、自社株買いは止まる傾向
・このため、個別銘柄の値動きは止まりやすい傾向がある。
4)日経平均もトランプ関税発表前の高値を抜いて、調整局面にある
・日経平均の推移
3/26 38,027円
4/07 31,136
6/18 38,885
6/20 38,403
・日経平均の上昇を牽引役は、外人投資家と自己株式取得の事業会社である。
・反対に、証券会社の自己部門と年金基金は、一貫して売り基調であった。この点が気懸り要因である。
・株主総会以降の買い方&売り方に変更があるのか? 注視したい。
5)トランプ米国が、イラン核施設に空爆した結果、中東情勢はさらなる悪化拡大へ
・日本の中東地域から原油を90%依存、中国も依存度が高い。
・世界経済へ直撃する要因であり、株式市場にとっても目を離すことができない。
●3.トヨタ、米国で平均3.9万円値上げ、市場や競合の動向を踏まえ(朝日新聞)
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・3865 北越 業績順調
・4443 Sansan 黒字転換
・6182 メタリアル 業績好調
著者プロフィール
中島義之(なかしま よしゆき)
1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou
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