権田会長が「半導体製造装置の高真空分野でNO1プロバイダーを目指す」と語る:内外テックの足元

2024年2月9日 09:07

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 内外テック(東証スタンダード)。「半導体製造装置の前工程の部品販売。東京エレクトロン向け7割。製造兼営で、自社製品強化姿勢」と称される。

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 2021年6月1日に創立60周年を迎えた、歴史ある企業だ。投資雑誌のZoom IR企画で権田浩一会長に話を聞き、質問をする機会を得た。熱っぽく語る御仁の印象を受けた。

 内外テックは今後の方向として「更なる飛躍のために、グループ事業の改善・改革とスピード感を持って取り組む。なにがあってもへこたれない強靭なグループ会社になる」とし、具体的に「半導体製造装置の“高真空分野のNO1プロバイダー”になることを目指す」と公にしている。

 権田氏は「シリコンサイクルは不変」と事業環境には慎重姿勢を示しながらも、「多少の上下動は避けがたいが、右肩上がりトレンドと捉えている」とした。

 昨今の収益動向も言を反映している。急回復した2022年3月期に次ぎ、23年3月期も「20.6%増収、10.7%営業増益、6.3%最終増益」。が同社は「今後」についてこう示していた。

 <短期的にはメモリーの在庫調整による半導体製造に係る設備投資時期の延期や、各国の中国に対する最先端半導体製造装置の輸出管理強化等、不透明感は増している。が中長期的にはDXやGX需要は不変であり、パソコン・スマホに加え5G、IoT、AI、EVなどが引き続き半導体製造装置の需要拡大を牽引していくと考えている>。

 権田氏は具体的に「とりわけAIは半導体市場を激変させる可能性を孕んでいる」と、力説した。

 そのうえで「メモリー・FPD関連低調」「受託案件減」「設備・人員増負担」などを織り込み「11.4%減収、45.1%営業増益・48.7%最終減益」で立ち上がった今期計画を、「第1四半期と第4四半期が底」と言及。中間期実績が、「期初予想売上高187億円に対し、204億7800万円/営業利益1億4500万円に対し、5億2100万円/最終利益6200万円に対し、3億2400万円」となったことも「(期初公表の)業績予想を上回る結果となったが、あえて通期予想は据え置いた」と言い及んだ。

 が、株価動向は「そりゃないよ」としている。11月9日の引け値2218円/出来高9400株に対して、13日は2318円/3万800株といった具合。Zoomミーテイング当日は2642円/1万6900株。権田氏は「株価をどうこう言う立場にないが、来期以降を評価してくれた動きではないかと思う」と、あっさり。

 また今後の重点となる「高真空分野(高真空・熱関連制御の)半導体製造装置の組み立て・保守を伸ばすため、国内精密加工メーカーのM&Aに意欲という見方があるが」という問いかけに対し、権田氏の口からは意外な本心が漏れた。「当社の東証での業種分類は卸売業(サービス業)。高真空分野の拡充に有力な精密加工企業の存在が不可欠。つまり精密機器業への移行だ」。

 過去10年間の修正値ベースの株価パフォーマンス5.9倍。時価PBR0.86倍企業。取材を終え「興味深い企業」の感を強くした。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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