京都・東山の旧料理旅館、「サンローラン」が活用へ 文化発信拠点に

2024年1月28日 15:14

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サンローランの文化発信基地として活用される旧料理旅館(京都市の発表資料より)

サンローランの文化発信基地として活用される旧料理旅館(京都市の発表資料より)[写真拡大]

  • 建物の位置。

 京都市景観・まちづくりセンターは、京都市東山区の祇園新橋地区にある明治時代初期建築の旧料理旅館(東山区末吉町)の利活用事業者に、フランス発の世界的ブランド「サンローラン」店舗を展開する日本法人「ケリングジャパン イヴ・サンローラン ディビジョン」を選んだ。旧料理旅館は改修のうえ、2025年春から文化発信スポットとして利用される。

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 旧料理旅館は木造2階建て延べ約225平方メートル。口伝では明治時代初期に建築されたとされ、料理旅館などに利用されてきた。白川に面した約170平方メートルの区画にあり、外観から京都らしい風情を漂わせている。

 ケリングジャパンは通常の「サンローラン」ブランド販売店舗ではなく、文化発信スポットとして活用する方針。サンローランが1961年の創業から培ってきた創造性や個性を京都の伝統文化と融合させる構想を持ち、世界中からサンローランを愛する人が集まる場所にする。2024年秋ごろから改修工事に入る予定。

 旧料理旅館は2013年度、京都市へ寄贈された。京都市景観・まちづくりセンターは京都市とリース契約を結んで公募を行い、利活用事業者を探した。その結果、文化発信基地としての活用を提案したケリングジャパンを選び、定期建物賃貸借契約を締結した。

 祇園新橋地区は祇園社の門前町で、祇園発祥の地とされる。茶屋町として江戸時代に開発が進み、江戸時代末から明治時代に建築された京町家などが整然と並んでいる。

 新橋通に面した区画からは紅殻(べんがら)格子が美しい茶屋様式の表側、白川側からはのれんのかかった川端座敷など茶屋の裏側が見える。石畳と調和した京都独特の風情を感じられる場所として連日、大勢の訪日外国人観光客が訪れている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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