相場展望1月25日号 米国株: 好業績で株価上昇も、選別の眼が厳しくなる 中国株: 日米との株価格差が鮮明 日本株: 調整で反落リスクも、下値は限定的

2024年1月25日 11:53

印刷

■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)1/22、NYダウ+138ドル高、38,001ドル(日経新聞より抜粋
  ・NYダウは3日続伸し、連日で最高値を更新し、終値として初めて38,000ドル台を付けた。主要企業の四半期決算の発表が本格化する中、大手ハイテクを中心に好業績への期待から買いが優勢だった。

【前回は】相場展望1月22日号 米国株: 「マグニフィセント7」が主導する株高に、過熱と懸念 日本株: 日経平均は3つのエンジンで上昇も、熱狂⇒警戒への備えも

  ・今週は1/23に動画配信のネットフリックス、1/24にIT(情報技術)のIBM、1/25に半導体のインテルなどが決算を発表する。市場では「大手ハイテクを中心に好調な内容となる」との見方が出ている。2024年は米主要企業の業績拡大が続き、楽観的な見通しを示すとの観測がある。

  ・多くの機関投資家が運用指標とするSP500株価指数は前週末におよそ2年ぶりに最高値を更新した。米株式市場の騰勢が再び強まっており、株高に乗り遅れないようにするための買いが入りやすいとの指摘もある。

  ・1/22発表の2023年12月の米景気先行指標総合指数は前月比▲0.1%低下と、ダウジョーンズ通信がまとめた市場予想▲0.3%ほど落ち込まなかった。米経済が軟着陸(ソフトランディング)に向かうとの見方も株式相場を支えた。

  ・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も3日続伸し、2022年1月以来、2年ぶり高値で終えた。SP500種も3日続伸し、連日で最高値を更新した。

  ・個別銘柄では、ドラッグストアのウォルグリーンズ、化学のダウが上げた。スマートフォンのアップルも買われた。半導体のエヌビディアが連日で最高値を更新。半導体メモリーのマイクロンも連日で最高値を更新した。半面、ホームセンターのホームデポとスポーツ用品のナイキが下げた。電気自動車のテスラは下げた。

 2)1/23、NYダウ▲96ドル安、37,905ドル(日経新聞より抜粋
  ・NYダウは4営業日ぶりに反落した。1/23に決算を発表した工業製品・事務用品のスリーエムが急落し、指数の重荷になった。半面、決算を評価した買いが入る銘柄もあり、NYダウは下げ渋る場面もあった。

  ・スリーエムは▲11%安で終え、1銘柄でNYダウを▲80ドル近く押し下げた。2023年10~12月期決算と併せて発表した2024年12月期通期の業績見通しが市場予想に届かなかった。医薬品・医療機器のジョンソン・アンド・ジョンソン(J&J)も決算と併せて示した1株利益見通しが物足りないと受け止められ、▲2%弱下げた。

  ・NYダウは前日に最高値を更新し、初めて38,000ドル台に乗せた。週内は2023年10~12月期の米実質国内総生産(GDP)など注目される経済指標に加え、来週にはソフトウェアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルなど主力ハイテク企業の決算の発表が相次ぐ。「連日の高値更新の後で、利益を確定する売りが出やすい」との声が聞かれた。NYダウの下げ幅は一時▲200ドル近くに広がった。

  ・売り一巡後は下げ渋った。1/23発表の四半期決算で1株利益が市場予想を上回った日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は▲4%強上昇した。同様の決算を発表した通信のベライゾンも主力の携帯事業の契約者数の伸びが好感され、+7%弱高で終えた。

  ・米主要株価指数が高値圏で推移する中「株高に乗り遅れまいとする買いや、人工知能(AI)の活用を追い風とする関連企業の業績期待は根強い」との見方もある。

  ・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。連日で2022年1月以来、2年ぶりの高値で終えた。交流サイトのメタやネット通販のアマゾンなど主力株が買われた。1/23の通常取引終了後に決算発表を控えていた動画配信のネットフリックスも上昇した。

  ・多くの機関投資家が運用指標とするSP500株価指数は4日続伸した。連日で最高値を更新した。

  ・その他の個別銘柄では、ホームセンターのホームデポや、航空機のボーイング、金融のゴールドマンサックスが安い。半面、半導体のインテルやスポーツ用品のナイキが買われた。スマートフォンのアップルやソフトウェアのマイクロソフトも上昇した。

 3)1/24、NYダウ▲99ドル安、37,806ドル(日経新聞より抜粋
  ・米経済の底堅さを示す経済指標が発表され、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が後退した。米長期金利が上昇し、米株に売りが出た。もっとも、好決算への期待からハイテク株が買われ、相場の下げは限られた。

  ・1/24に発表された1月の米国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.3と好不況の分れ目である50を超え、市場予想47.2を上回った。堅調な景気を背景にインフレの抑制が遅れるとの見方が広がり、FRBの利下げが遠のくと懸念された。米債券市場では長期金利が4.1%台後半に上昇。金利と比べた株式の相対的な割高感も意識された。

  ・朝方は買い先行で始まり、NYダウは上げ幅を+160ドル近く広げる場面があった。NYダウの構成銘柄ではないが、動画配信のネットフリックスが前日夕に発表した2023年10~12月期決算では売上高が市場予想を上回った。有料契約者数の伸びも想定以上で、アナリストが相次いで目標株価を引上げたことから株価は+11%弱上昇した。半導体製造装置大手のASMLも決算が評価され、ハイテク株を中心に好業績への期待が高まった。

  ・工業製品・事務用品のスリーエムや化学のダウなど景気敏感株の一角が下げた。スポーツ用品のナイキや小売のウォルマートも下落した。半面、石油のシェブロンやソフトウェアのマイクロソフトには買いが入った。マイクロソフトは一時、時価総額が初めて3兆ドルに達した。人工知能(AI)を活用した事業で収益が伸びるとの期待が強い。

  ・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸した。交流サイトのメタやネット検索のアルファベットが上昇した。

  ・多くの機関投資家が運用目標にするSP500 株価指数は5日続伸し、連日で最高値を更新した。

●2.米国株:好決算を評価し株価上昇も、選別の眼が厳しくなる

 1)米企業の決算発表が本格化する。
  ・1/22は、業績への期待感が高まり、米ハイテク株を中心に買い注文が強まった模様。
  ・1/23は、決算発表した工業製品・事務用品のスリーエムが1株利益が市場予想に届かなかったことで売られ、一時▲10%安で推移。決算発表した医薬品・医療機器のJ&Jも売られた。
  ・1/24は、動画配信のネットフリックスと半導体製造装置のASMLが好業績で上昇。電気自動車のテスラは約2割増収も、業績伸び率が低下見通しで下落した。

 2)市場の見る眼が厳しくなる
  ・決算発表で業績見通しが冴えなかった銘柄に売りが集中することが目立つ。業績に想定以上の格差が出現しているのが目立つ。
  ・これは、株式市場の先行き不安が発出したのか?今後の流れに用心したい。

●3.米当局、ボーイング737-900ERも点検勧告、MAX9に続き(ロイター)

●4.米テスラ、第4四半期は値引きで利益率低下、2024年は販売減を警告(ロイター)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)1/22、上海総合▲75安、2,756(亜州リサーチより抜粋
  ・投資家心理が悪化する流れとなり、2020年4月以来の安値を切り下げた。
  ・中国経済の先行き不安が依然として、くすぶっている。格付け会社ムーディーズは1/19、中国の4大国有・資産管理会社(AMC)の長期発行体格付けを軒並み引下げた。銀行の不動産業界向け不良資産が拡大する中、AMCの業績悪化も進んでいる。

  ・米中関係の悪化も警戒。外電は1/19、「米国防総省は中国企業6社が製造するバッテリーの調達を禁止する見通し」だと報じた。

  ・本土マネーの流出も懸念。株式相互取引スキームを通じたノースバウンド取引(香港⇒本土)では、本土株の売り越し額が1/19まで6日連続だった。

  ・指数は徐々に下げ幅を広げた。

  ・一方、朝方に公表された実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、予想通り1年物・5年物いずれも現行水準(それぞれ3.45%・4.20%)に据え置かれた。

  ・業種別では、不動産の下げが目立ち、医薬も安く、消費関連・素材・インフラ関連・運輸・ハイテク・エネルギー・公益なども売られた。半面、銀行の一角はしっかり。中堅の招商銀行は業績内容が好感された。同社が1/19引け後に報告した2023年12月期の業績速報では、純利益が+6%伸び不良債権比率は改善した。

 2)1/23、上海総合+14高、2,770(亜州リサーチより抜粋
  ・中国当局の株価安定策が期待される流れだった。

  ・1/22の国務院(内閣に相当)常務会議では、資本市場の安定に向け、「より力強く、より有効な措置を実施する必要がある」と指摘されている。また、外電で1/23、消息筋情報として、「中国当局が2兆人民元(約41兆6,700億円)規模のオフショア資金を投入する模様」と伝えた。報道によれば、早ければ今週中にも複数措置が打ち出される可能性がある。

  ・また、1/23の外国為替市場で、対米ドルの人民元高が進んでいることも、資金流出懸念を和らげた。

  ・業種別では、証券の上げが目立ち、ハイテクも高く、公益・医薬・エネルギー・素材・自動車・運輸・インフラ関連なども買われた。半面、酒造の一角は冴えず、通信・銀行・保険は売られた。

 3)1/24、上海総合+49高、2,820(亜州リサーチより抜粋
  ・市場安定化策に期待した買いが継続する流れとなった。

  ・国務院(内閣に相当)は1/22の常務会議で、資本市場の安定化に向け、「より力強く、より有効な措置を実施する必要がある」と指摘した。早ければ今週中にも複数措置が打ち出されると、伝わっている。また、中国証券監督管理委員会の王建軍・副主席は1/24、資本市場の安定的かつ健全な発展に向け、国務院の策定した一連の措置を推し進めると述べた上で、経済と株式市場に明るい見通しを持っていると強調した。

  ・指数はマイナス圏で推移する場面が見られたものの、引けにかけて上げ幅を広げた。

  ・業種別では、金融の上げが目立ち、不動産も高く、石油や石炭などエネルギーも物色された。公益・インフラ関連・運輸・消費関連・素材なども買われた。半面、ハイテクの一角は冴えない。

●2.中国株:日米との株価格差が鮮明

 1)米国・日本株価との格差が鮮明
  ・米国株:NYダウは史上最高値を今年1月22日に更新。
  ・日本株:日経平均は史上最高値まで93%と回復。
   1989年12月29日38,915⇒前日終値36,226下落率▲7%
  ・中国株:上海総合指数は過去最高値の54%に低下。
   2015年6月12日5,166⇒前日終値 2,820 下落率▲46%

 2)中国・上海総合指数は、経済の先行き不透明感から下落
  ・不動産市場の悪化と米中対立、政府の経済対策の不信感を背景に、上海総合指数は最近の安値から上昇も3年9カ月ぶりの安値を1/22に記録した。

 3)中国政府は、株価下落に危機感を表す
  ・中国の李強・首相は上海総合指数が5年ぶりの安値を付けたことを受け、株式市場の安定に向けた効果的な対策を求めた。
  ・政府系ファンドなど「国家隊」といわれる筋から、株買いで相場を下支え。
  ・中国人民銀行は1/24、預金準備率▲0.5%の引下げを発表した。引下げ幅としては2021年以来の大幅引下げ。

 4)中国から流出した逃避マネーは日本株買いに向かう

 5)中国株の上昇には、中国国民の安心感と投資家の信頼を得る政策実施が必要

●3.中国、株安で2兆元の市場安定化策を検討、週内発表も=BBC(ロイター)

 1)上海と深圳に上場する有力企業300銘柄で構成するCSI300指数は5年ぶり安値近辺となった。同指数は昨年▲11%下落し、今年は年初来▲6%安となっている。

●4.下げ止まらぬ中国株、首相が1/22に対策強化求める=国務院が具体策を議論(ブルームバーグ)

 1)中国株式市場は今後、雪だるま式のデリバティブに連動したインデックスの売りの新たな波に直面する恐れがある。

●5.中国、ゲーム規制強化案をウェブサイトから削除、関連株は上昇(ロイター)

●6.中国の住宅差し押さえ件数、2023年は前年比+43%増=中国指数研究院(ロイター)

 1)長引く不動産市場の低迷と不安定な景気回復の中で、住宅ローンの延滞が増加していることが明らかになった。

 2)38.9万件が競売にかけられ、9.9万戸が売却された。

 3)差し押さえ件数が2020年以降徐々に増えており、2024年も増加が続いている。

●7.中国の外国人の入出者数はコロナ前の4割、スパイ容疑の強化が影響?(朝日新聞より抜粋

 1)中国の国家移民管理局は1/18、2023年の外国人の入出国者数が3,547.8万人だったと発表した。2022年よりは増加しているものの、ウイルスの影響を受ける前の2019年の4割程。厳格な「ゼロコロナ政策」が終わっても、中国と外国の間の往来が戻っていない。2019年の入出国者数は延べ9,767.1万人だった。

 2)入出国者数が減った要因
  ・企業が中国拠点を中国以外に移す動き。
  ・中国がスポイ活動の摘発を強化した影響で、ビジネスと観光での渡航を避けた。

●8.ブラックロック、上海のオフィッスビル・購入額250億円を▲30%割引で売却へ(ブルームバーグ)

●9.中国、経済統計改ざんの捜査・処罰強化、不正後絶たず(ロイター)

 1)中国の統計を巡って、長らく信頼性が疑問視されてきた。

●10.中国、ピアノ販売数が急減、中間所得層の収入減か(亜州リサーチ)

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)1/22、日経平均+583円高、36,546円(日経新聞より抜粋
  ・日経平均は大幅続伸し、終値で節目の36,000円台を回復し、33年11カ月ぶりの高値を付けた。前週末の米ハイテク株高に加え、日銀の金融政策決定会合の結果発表を明日に控え、政策が据え置かれるとの観測が海外短期筋の買いを誘った。

  ・海外勢を中心とした日本株買いは途切れることなく、日経平均は36,000円台を終始上回って推移した。大引け前には上げ幅を+600円まで拡大した。足元では米国で半導体関連を始めとするハイテク株高が勢いを増している。人工知能(AI)関連の半導体需要への期待も高まる中、東京市場でも今週後半から本格化する2023年4~12月期の決算発表前に半導体関連株を買う動きが強まった。レーザーテクが後場に上げ幅を拡大した他、アドテストや東エレクも買われた。

  ・1/23まで開く日銀の金融政策決定会合では金融政策が据え置かれるとの見方が多い。「先進国の中でも緩和的な金融政策が続いている国という位置づけから、海外マネーが集まっている」との声があった。さらに、景気停滞が長期化している中国から日本株への資金シフトを指摘する声も出ている。日経平均はここまでの大幅上昇で高値警戒感が意識されやすいものの、需給の良好さに対して楽観的な見方も広がっており、売り急ぐ動きは乏しかった。

  ・東証株価指数(TOPIX)も続伸し、昨年来高値を更新した。JPXプライム150指数も続伸した。

  ・個別銘柄では、ファストリ・ソフトバンクG・信越化・ファナックが上昇した。一方、リクルート・アサヒ・宝・オリンパスが下落した。

 2)1/23、日経平均▲29円安、36,517円(日経新聞より抜粋
  ・日経平均は小幅ながら3営業日ぶりに反落した。日銀は1/23まで開いた金融政策決定会合で現行の金融緩和策の維持を決めた。結果発表直後は円安・ドル高に振れたこともあって上げ幅を+400円超に広げた。だが、現状維持は織り込み済みだった上、金融正常化への地ならしが進んでいるとの解釈が出たことから、心理的節目の37,000円を目前に一転して利益確定売りが優勢になった。日経平均は33年11カ月ぶりの高値圏にあり、過熱感も意識されやすかった。

  ・日銀が1/23公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、+2%の物価安定目標について「こうした見通しが実現する確度は、引き続き、少しずつ高まっている」との表現が加わった。「日銀は想定ほど『ハト派』ではなく、金融正常化の道筋が近づいていることを印象付けた」との受け止めが株売りを促した面があった。大引け後の日銀の植田和夫総裁の記者会見で、決定内容や今後の政策運営についての発言内容を見極めたいとの雰囲気も広がった。

  ・午前の日経平均は堅調に推移した。前日の米株式市場でハイテク株高を受けて主要3指数がそろって上昇し、日本株にも買いが波及した。外国為替市場で当面は円安・ドル高基調が続くとの見方から主力の輸出関連株が買われ、トヨタは株式分割考慮後の実質的な上場来高値を更新した。

  ・東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反落した。JPXプライム150指数も3営業日ぶりに反落した。

  ・個別銘柄では、東エレク・アドテスト・信越化が安い。KDDI・ソフトバンクGも下落し、ソニー・三菱商事も売られた。一方、ファストリ・ファナック・京セラ・テルモ・デンソー・花王が上昇した。富士電機・横河電が買われた。

 3)1/24、日経平均▲291円安、35,226円(日経新聞より抜粋
  ・1/24の東京株式市場では日経平均が続落した。前日のNYダウの下げが重荷になった他、日銀の金融政策正常化が意識されて国内長期金利が上昇し、短期筋の株価指数先物の利益確定売りを促した。金利の上昇が逆風になる不動産株などに売りが出て、下げ幅は一時▲400円を超えた。

  ・1/23の米株式市場でNYダウは前日比▲96ドル安と小幅に反落した。工業製品・事務用品のスリーエムが1/23に発表した業績見通しが市場予想に届かず、同社株の大幅安が指数の重荷となった。日経平均も年初から騰勢を強めて短期的な過熱感が警戒されていたとあって、短期筋による株価指数先物の利益確定売りを促した。

  ・日銀は1/23に開いた金融政策決定会合で現在の金融緩和策の維持を決めた。植田和夫・日銀総裁は同日の記者会見で、2%の物価安定目標実現の「確度は少しずつ高まっている」と述べた。日銀が近い将来に政策正常化に動くと改めて意識され、国内長期金利が上昇した。三井不や住友不・三菱地所など、金利上昇が逆風になると見られる不動産株に売りがかさんだ。一方、三菱UFJ・三井住友FG・みずほFGといった銀行株は上げた。

  ・半導体関連株の上昇も相場の下値を支えた。1/23は主要な半導体関連銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が、+0.65%高で終えた。東京市場でも東エレク・アドテストに買いが波及した。

  ・東証株価指数(TOPIX)とJPXプライムはともに続落した。

  ・個別銘柄では、ファストリ・ファナック・京セラが下げた。一方、ネクソン・ニトリ・資生堂は上げた。

●2.日本株:調整で反落する可能性も、下値は限定的

 1)「うわさ」で買って、「事実」で売る
  ・1/23午前の日経平均は日銀の決定を「うわさ」で+400円高。
   ⇒1/23後場に結果発表された「事実」で一時マイナス圏に落ち込む。

  ・円相場も「うわさ」で148.55円に円安へ。
  ⇒「事実」で147.97円に円高。
  ⇒株価の重しへ。
  終わってみれば日経平均の終値は▲29円安。

 2)放置されていた小型株に物色され始める
  ・中小型株の大型株に比べて株価は出遅れていたが、業績回復期待が根強い銘柄に買い資金が流入し始めた。

 3)急ピッチの株価高で過熱感がくすぶっており、短期的な調整への警戒が増す

 4)ただ、日経平均の下げは限定的
  ・ただし、米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)とハイテク株比率の高いナスダック総合指数は1/24も上昇している。
  ・動画配信のネットフリックスは契約者増加し、アナリストの目標株価引上げで株価は約+11%上昇。
  ・半導体製造装置大手のASMLも好決算発表で株価は上昇。
  ・そのため、日経平均も半導体関連銘柄は買われ、円高で輸出関連銘柄が売られる可能性があるものの、下値は限定的と予想する。

 5)日経平均は急伸したため、NYダウに比べて割安といえない

●3.日銀、大規模な金融緩和策の維持を1/23に決定、金融政策決定会合で(NHK)

 1)短期金利をマイナスにし、長期金利をゼロ程度に抑える今の金融緩和策を維持した上で、長期金利については1%を超えても一定の水準までは容認する。

 2)物価や賃金の動向を丁寧に見極めるため、今の金融緩和策を粘り強く続ける必要があると判断した。

●4.債券と日本株に買い、中国株から急激な資金流出= BofA(Newsweek)

●5.格付け会社S&P、積水ハウスを格下げ方向のクレジット・ウオッチに指定(ロイター)

 1)米戸建て住宅会社MDCを7,200億円での買収で、財務負荷が大きく上回る。

●6.不二製油、3月期通期純利益は前年比6%増の65億円、従来予想160億円(日経新聞)

●7.ニデック、3月通期営業利益2200⇒1800億円(前年比+80%増)に下方修正(ロイター)

 1)中国でEV駆動装置が苦戦、「価格がぼんぼん下落」と永守会長

■IV.注目株式(投資は自己責任でお願いします)

 ・4385 メルカリ 業績好調。
 ・4443 Sansan 業績好調。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

記事の先頭に戻る

関連キーワード

関連記事