好収益継続:ビューティガレージ、過去10年間の株価パフォーマンス9.6倍の理由

2023年6月17日 07:44

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 ビューティガレージ(東証プライム市場)。理美容機器や不可欠な消耗材、業務用化粧品などをEC(通販)基軸に展開する斯界の最大手。四季報のパラパラ読みで【続伸】の見出しで目を止めたが、「コロナ禍には晒されたはず。ここにきて立ち直り傾向が続いているのだな」と決め込んだ。

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 だがとりあえず業績動向に、目を当ててみた。信じがたい?結果を確認した。2020年度(2021年4月期)が「24.6%増収、37.1%営業増益、4円増配14円配」。伸びている。そして22年4月期も「19.4%増収、20.1%営業増益、2円増配16円配」、23年4月期は「12.9%増収、12.9%営業増益、4円増配20円配」。今4月期も「14.1%増収(301億5800万円)、15.0%営業増益(15億6000万円)、4円増配24円配」計画で立ち上がっている。

 意地悪を敢行した。「EC効果ということでしょうが、具体的にそのパワーの程を、分かりやすく教えて頂きた」と質問した。返ってきた答えを整理すると、こんな具合だ。

 「2003年に理美容機器を取り扱い始めた時点で、ECに特化した。当時の閉鎖的だった理美容界では常識外だった、中古機器のリユースも行った。独立開業を目指す方々を中心に“(初期)コストの劇的な削減に繋がる”と、好評を博した。業界に風穴を開け、適正価格を実現してきたと自負している。それが今日、300万超のアイテムを扱う日本最大級の業者足り得た要因と認識している」

 「仮に障害要因の発生でマーケットが100から80に激減しても、80を先頭に立って享受できる状態にあると捉えている。ECがその原動力だが『ポイント制が還元率最大10%』『国内最安値の保証制度』『最短当日出荷、3000円以上で送料無料』が、斯界では評価されている。原材料価格の上昇時には、とりわけ効果を実感されていると考えている」

 株価も、素直に評価している。本稿作成時の時価は3900円台トビ台。年初来安値3185円(1月17日)から同高値4180円(3月10日)まで買われ、以降4000円台出入りの揉み合い状況。IFIS目標平均株価は4625円。算出を担当したアナリストの4人中4人が「強気」を示している。

 厚労省の調べでは2019年で全国の理美容室は、約37万1000件。コンビニの約5倍。全国の信号機数(21年、警察庁発表)を17万近く上回っている。そんな街の顔とも言える理美容室(業界)で、ビューティガレージは存在感を誇示している。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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