飲食業倒産、2022年度は18年ぶりに低水準 年度後半は新型コロナ影響で増加傾向へ

2023年4月10日 08:37

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 東京商工リサーチが2022年度の飲食業者の倒産動向を発表し、倒産件数は18年ぶりに低い水準に留まったものの、新型コロナウイルスの影響で年度後半から倒産件数が増加する傾向にあることが分かった。

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■18年ぶりの低水準も年度後半は増加傾向

 7日、東京商工リサーチが2022年度の「飲食業の倒産動向」調査を発表した。2022年4月から23年3月における飲食業社の倒産件数は、前年度比3.2%(20件)減の592件(負債1,000万円以上)。3年連続で減少し、年度で600件を下回るのは2002年度以来18年ぶり。

 年度の傾向を見ると、月間で最も倒産件数が少なかったのは4月の23件。反対に最も多かったのは3月の84件だった。前年度の21年3月から22年10月までは前年から減少が続いていたものの、11月以降は5カ月連続で前年から増加。3月の84件は2020年7月の93件以来となる高い水準だった。

 このうち新型コロナウイルス関連の倒産件数は、前年度比24.5%(76件)増の395件となり、2年連続で前年から増加した。倒産件数全体に占める新型コロナ関連の割合は増加する傾向にあり、22年8月以降は8カ月連続で月間の倒産件数の半分以上を新型コロナ関連の倒産が占めている。

■持ち帰りや宅配飲食業の倒産が急増

 業種別で倒産件数が最も多かったのは、専門料理店の137件(前年度比:9.3%減、以下同じ)。ついで食堂・レストランが133件(13.7%増)、酒場・ビヤホールが128件(14.7%減)と、ここまでの3業種が倒産件数で100件超え。

 以下は喫茶店が49件(12.5%減)、宅配飲食サービス業が43件(138.9%増)、バー・キャバレー・ナイトクラブが33件(26.7%減)、持ち帰り飲食サービス業が27件(58.8%増)など。

 前年度から増加したのは10業種中3業種で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い需要が拡大したことで、競合企業が増えた宅配飲食サービス業と持ち帰り飲食サービス業の倒産件数が大きく増えている。

■小規模飲食業者が破産するケースが多い

 都道府県別で倒産件数が最も多かったのは、東京都の78件。ついで大阪府が75件、愛知県が44件、京都府が29件、兵庫県が25件、神奈川県が23件、福岡県が19件、北海道と埼玉県が各18件、宮城県と千葉県と新潟県が各15件と続いている。

 前年度から増加した都道府県は、北海道や京都府ほか23道府県で東北や九州などが多い。前年度から減少したのは東京都や大阪府など21都府県で、中部や西日本で多め。和歌山県(8件)、香川県(3件)、宮崎県(ゼロ)の3県が前年度比変わらずとなっている。

 倒産の原因で最も多かったのは「販売不振」で486件。ついで「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が34件、「他社倒産の余波」が23件、「事業上の失敗」が20件、代表者の死亡や体調不良などの「その他」が16件となっている。

 倒産形態で最も多かったのは「破産」の561件。ついで「特別清算」が14件、「民事再生法」が12件。

 負債額別で最も多かったのは「1,000万円以上5,000万円未満」の388件。ついで「5,000万円以上1億円未満」が110件、「1億円以上5億円未満」が83件、「5億円以上10億円未満」が8件、「10億円以上100億円未満」が2件、「100億円以上」が1件。小規模な飲食業の倒産が大半で、新型コロナウイルスの影響などによる販売不振の結果、破産に至るケースが多くなっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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