コロナ関連の破たん3078件に 月100件ペース長期化 東京商工リサーチ

2022年3月19日 15:41

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 東京商工リサーチ18日、新型コロナウイルスの影響で経営破たんした国内事業者数が、累計で3,078件(負債1,000万円未満を含む)に達したと発表。うち負債1,000万円以上は2,932件で、3月は18日時点で105件と、過去最多だった昨年12月を上回るペースで推移。

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 「まん延防止等重点措置(まん防)」の全面解除により、飲食や旅行関係を中心に経済活動の正常化へ期待が膨らむものの、海外では感染が再び拡大しているほか、新しい変異型が発見された。新型コロナの日本経済への影響の長期化が懸念される。

 東京都は18日、都内で新たに確認された新型コロナ感染者数が7,825人で、前週の同じ曜日を約600人下回ったと発表。また、死亡者は21人が確認された。都基準での重症患者数も減少を続けている。

 政府は17日、現在18都道府県に適用している「まん防」について、期限の3月21日で終了することを正式決定した。直近18日間で100万人が感染するなど引き続き高い感染ペースが続く中、ワクチンの普及で重症者数が減少していることによる決定。JTBが18日に発表した今年の旅行動向見通しによれば、「まん防」の解除後に状況の悪化がなければ、国内旅行者数は昨年の2倍、コロナ前の2019年比では89%の水準まで回復する見込み。

 一方、欧州やアジアでは、行動制限の緩和により3月に入り再び感染拡大が進む。イギリスやドイツでは、オミクロン型で感染力が強い派生型「BA.2」が感染者の大半を占める状況。韓国では、直近1週間の1日当たり感染者数の平均が40万人まで増えている。また米欧では、「デルタクロン」と呼ばれる変異型が発見されており、専門家の間で注目を集めている。

 新型コロナウイルスの世界における累計感染者数は、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば日本時間19日午前11時時点で4億6,767万人超、死者数は607万人超。国別の最多は米国の7,971万人超、次いでインドが4,300万人、ブラジルが2,958万人。以下、フランス2,414万人、イギリス2,024万人、ドイツ1,841万人、ロシア1,726万人と続く。日本は直近4週間の新規感染者数が世界で6番目に多く、累計感染者数は601万人を超えた。

 かかる状況下、東京商工リサーチは新型コロナウイルスに関連する経営破たん事業者数が、18日時点で3,078件(負債1,000万円未満を含む)に達したと発表。破たん企業(負債1,000万円以上)が雇用していた従業員数の累計は、判明している数だけで2万7,823人に達した。

 国内では「まん防」の全面解除が決定し、飲食店や旅行・宿泊の予約が増えるなど、経済の正常化が進みつつある。一方、欧州やアジアでは感染が再拡大しており、また、変異型が発見されるなど、コロナ禍の長期化に対する懸念材料は多い。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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