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見ると寿命が延びる!? 南極老人星カノープスを見つけよう
南米アタカマ砂漠から観測したアンデス山脈の上に見えるカノープス。[写真拡大]
■南極老人星 カノープス
冬の夜空に輝くおおいぬ座のシリウスは、全天で最も明るい星として有名だが、全天で2番目の輝きをもつ星をご存知だろうか?
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それは、りゅうこつ座のカノープスで、日本では冬の夜に南の地平線すれすれに現れる。この星はマイナス0.86等級で1等星より明るいが、低空の大気の影響で実際より暗く見える。
古代中国では「南極老人星」と呼ばれ、この星を見ると長生きができると言われていた。
カノープスは太陽の直径の65倍もある巨大な星で、質量も太陽の9倍である。実際の明るさ(絶対等級)は太陽の1万5000倍も明るい。
■りゅうこつ座
カノープスのあるりゅうこつ座は、かつては全天一の大きさの星座「アルゴ船座」の一部だった。
アルゴ船座は古代ギリシャからあった古い星座だが、18世紀のフランスの天文学者ラカイユが、大きすぎて天文学上不便だという理由で4つの星座(りゅうこつ座、らしんばん座、とも座、ほ座)に分割してしまった。ちなみに、りゅうこつ座は南天の天の川の中で最も美しい領域とされている。
■カノープスが見える場所
カノープスは日本では福島県より南で見ることができる。
カノープスを見つけるには、南の空が開けたところで探す必要がある。また、南中高度は南に行くほど高くなることから、可能であればできるだけ南に移動してみるのが良いだろう。
同じ緯度であれば、標高が高いところの方がより低い星まで見ることができるので有利になる。都会では、高層ビルの屋上などもおすすめだ。実際、サンシャイン60の展望台からカノープスが見えたという報告もある。
■カノープスの探し方
カノープスを探すには、冬の大三角が目印になる。
オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンをつないでできる三角形が冬の大三角だ。
ベテルギウスとプロキオンの中間点とシリウスを結んで南に伸ばすとカノープスに到達する。中間点が分かりにくければシリウスから視線を南に降ろして、地平線近くに輝く星を探せば良い。
カノープスは大気の影響で実際の明るさより暗く見えるので、双眼鏡を使うのも良い方法だ。2月には午後8時から午後9時頃にカノープスが南中する。
この冬、古代から多くの人々を魅了してきたカノープスをあなたも探してみてはいかがだろうか。(記事:創造情報研究所・記事一覧を見る)
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