おすすめできない副業 (23) 「治験モニター」

2019年12月4日 09:05

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 副業初心者向けに様々ある副業からおすすめできないものを紹介している本コラム。今回は、一度は聞いたことがあるかもしれない治験モニターについてお話ししたい。

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■新薬の効き目や安全性を確認するための仕事「治験モニター」

 治験モニターとは、国から新薬の承認を得るために行う臨床実験のことをいう。承認を得るためには、新薬の効き目や安全面を確認する実験を行う必要があるため、治験のモニターを担当してくれる人を募集している。その募集を見つけて参加していく副業になる。

 治験モニターには2種類あり、通院タイプと入院タイプがある。通院タイプは比較的拘束期間が短いため参加しやすいが、その分長期間にわたって予定が拘束されることもある。入院タイプは長期間拘束をされてしまうが、まとまった時間をとれる人であれば短期間で高収入を得られるのが良い点だろう。

 どちらのケースであっても応募後に参加する説明会・健康診断を受ける必要がある。この健康診断の結果次第では、治験モニターに参加できないこともあるため、健康な身体であることが条件となる。また、その治験を受けている間の生活リズムの制限などもあるため、事前に条件面の確認が必須となる。

■もしものときに失うリスクが大きすぎるのは一番の難点

 目の前の報酬・労働感の無いところが良い点だが、それに隠れているのがリスク面だ。たとえ動物実験や様々な研究を重ねているとはいえ、国の定めた基準を未だクリアしていないからこそ治験モニターが必要となる。しっかりとリスクを事前に確認したうえで行う必要があるだろう。

 また、生活リズムや食事などの制限が入ることもあるため、本業の業務内容や形態によっては治験に適さないものも数多くあるだろう。万人に向いた副業ではないようだ。

■副業初心者には低リスクのものにチャレンジするのをオススメ

 副業として何かを手を出すのであれば、まずはリスクの少ないものに手を出すのが良いだろう。そこで、自分に合うものやマーケット感覚などを養って、自分がチャレンジできる幅を増やしても良い。薬剤・医学などを自分なりに勉強してから、自分にとって安全な治験モニターを探す、という手順でも遅くはないだろう。(記事:後藤遼太・記事一覧を見る

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