9月の百貨店・ショッピングセンター売上、大幅プラスに 増税前の駆け込み需要などで

2019年10月24日 20:13

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 消費税増税前の駆け込み需要や昨年の自然災害の反動増により、9月の百貨店やショッピングセンターの売上が好調だったことが分かった。

【前月は】8月の百貨店売上高、5カ月ぶりにプラス インバウンド不調も休日増加などで

■百貨店は2カ月連続でプラス

 23日、日本百貨店協会が9月の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高総額は5,153億1,606万6,000円で、前年同月比(店舗数調整後)23.1%増となり、2カ月連続でプラスとなった。

 前年9月と比較して土曜日が1日少なく台風の影響があったものの、昨年の北海道地震や台風上陸の反動増や、消費税増税前における駆け込み需要があったことで、「美術、宝飾・貴金属、高級時計、ラグジュアリーブランドなど高級商材を中心に業績を押し上げた」という。

■札幌、大阪、神戸では3割超の増加

 全国の主要10都市では、札幌が前年同月比32.5%、大阪が同32.0%増、神戸が同32.9%と高く、広島が同14.2%増、福岡が同15.9%増と比較的低めながら10%以上の増加だった。10都市以外の地区では、関東が同21.3%増、四国が同26.8%増と高め、北海道が同14.3%増、東北が同14.8%増と比較的低めだったものの、それでも10%以上の伸びとなっている。

■美術・宝飾・貴金属は昨年から倍増

 商品別では、その他衣料品が前年同月比48.7%増、化粧品が同34.1%増、美術・宝飾・貴金属が同102.9%増、家具が同46.3%増、家電が同82.8%増と大きく伸びている。マイナスとなったのは生鮮食品(同2.3%減)、商品券(同1.8%減)の2品目のみだった。

■ショッピングセンターも2カ月連続プラスに

 23日、日本ショッピングセンター協会も9月のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は5,337億1,682万8,000円で、前年同月比8.3%増となり、2カ月連続でプラスとなった。

 百貨店同様に土曜日の1日減や台風の影響があったものの、前年の自然災害の反動増や消費税増税前の駆け込み需要で「化粧品、家庭用品や貴金属などの高額商品を中心に売上を伸ばした」という。

■キーテナントが約3年半ぶりに2カ月連続プラス

 このうちテナントは4,298億4,324万7,000円で同7.7%増、キーテナントが1,038億7,358万1,000円で同10.8%増となり、全体同様にどちらも2カ月連続でプラスだった。キーテナントが2カ月連続でプラスとなるのは2016年1月(1.3%増)2月(1.4%増)以来のこと。

 概況によると、「化粧品や貴金属等の高額商品を取り扱う百貨店や、家庭用品を幅広く揃えているGMSがキーテナントとなっているSCの売上が大幅に伸びた」という。

■札幌市が21.0%増

 都市別では、札幌市が前年同月比21.0%増、千葉市が同10.8%増、川崎市が同12.8%増、大阪市が同12.1%増、神戸市が同19.0%増と2桁の伸びとなった。東京区部が同4.6%増、広島市が0.8%増と伸びが鈍かったものの、全ての大都市でプラスだった。

 その他の地域では、近畿が同13.9%増、四国が同11.5%増と伸びが大きかった。一方で北海道が同4.1%増、東北が同4.9%増、九州・沖縄が同2.8%増と伸びが鈍かったものの、こちらも全ての地域でプラスとなっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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