LEDなど照明器具の世界市場、中国やインドが牽引 30年には17年比43.1%増

2019年3月8日 11:52

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照明器具の世界市場の推移。(画像: 富士経済の発表資料より)

照明器具の世界市場の推移。(画像: 富士経済の発表資料より)[写真拡大]

 富士経済は4日、中国やインドにおいて伸長が期待される照明器具の世界市場について調査結果を発表した。18年の世界市場は17年比5.4%増の8兆1,141億円、30年は同43.1%増の11兆154億円と予測している。

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 18年はLED照明器が市場全体の60%以上を占め、有機EL照明器具も17年比3.0倍と順調に拡大。30年に向けても堅調な伸びを示していくという。

 注目地域として挙げるインドや中国、東南アジアでは需要が堅調に増加。人口増加や建築増加、省エネ製品の切り替えなどにより市場が大きく拡大するとしている。

 注目地域別では以下の通り。

■インド

 政府主導でLEDの普及に取り組んでいる。無給電地域の開発、人口増加、都市化により中長期的にはLEDへのシフトが大幅に前進するとしている。

■中国

 品質面の向上と低価格化が進行。建築需要や都市開発の進展などから中長期的には安定した需要が確保。先端技術の開発スピードも早く、投資熱も高いことから、将来は有望な有機EL市場になると期待されている。

■タイ

 ASEANの主要製造拠点として経済発展を持続。製造地として電力不足が緊急の課題となっており、政府主導でLED政策を進めていることから、今後さらなる拡大が期待されている。

■フィリピン

 急速な経済成長から生じるエネルギー不足が懸念とされているため、発電所の新設や小エネルギー化が促進。国策として公共施設のLED化などに注力していることから今後も拡大するとしている。

■一方で「管球ランプ」は縮小へ

 管球ランプの18年は17年比1.8%増の2兆1,909億円と増加。ただし30年には同21.5%減の1兆6,897億円と大幅に縮小する。LED管球の長寿命化や光源一体型の普及によりリプレイス機会が減少。アジアを除いて縮小すると見られている。

■国内市場は緩やかに縮小

 富士経済は2月、照明製品の「国内市場」についても調査結果を発表している。25年予測は17年比19.6%減の6,729億円。LED照明は伸長しているものの、低価格化の進行や買い替えサイクルの長期化などから市場が緩やかに縮小するという。一方、マイクロLEDなど大きく伸長が期待される製品もあるため、今後も市場の動きには注目である。

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