“平成に生まれた”人気コスメ&流行メイク、トレンドヘアメイクで時代がわかる?平成ビューティー史

2019年1月2日 21:13

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記事提供元:ファッションプレス

 「平成」最後の年末だから、“平成に生まれた”人気コスメ&流行メイクをプレイバック!ワンレンヘア、ガングロギャル、ヘアエクステ、つけまつ毛、涙袋メイク…など、一度は聞いたことのある懐かしいワードが満載だ。平成ビューティー史とともに、もうすぐ終わる「平成」を振り返ろう。

■平成元年~5年:"昭和名残り”バブル系ヘアメイク

 バブル絶頂期の中迎えた、平成元年。海外旅行、ハイブランドなど“贅沢する”ことがムーブメントとなったこの時期は、本物・高級志向が高まり「お嬢さま」スタイルがブームに。身体のラインが露わになった「ボディコン(ボディコンシャス)」ファッションにあわせて、ヘアメイクも“女性らしさ”を求める傾向があった。

 ★ヘアメイクポイント★・メイクは「女性らしさ」がキーワード・ビビットな口紅・ワンレン(ワンレングス)メイクは、レッドまたは青みのローズピンクなど、ビビットカラーの口紅が主役に。リップの色を引き立てるように、口元以外は控えめ。太眉に、ほんのりローズやパープルで目元に色を差す、ナチュラルなメイクが主流だった。ヘアは「ワンレン(ワンレングス)」が大ブーム。毛先のみにパーマをかけたソバージュや、前髪を立たせた“とさかヘア”、薄く前髪を下した“すだれ前髪”も、この時代を象徴するスタイルといえる。

 リップを主役にしたメイクが流行ると、コスメ業界もリップ製品に注力。1989年に誕生した資生堂「レシェンテ」からは、“落ちない つかない”とキャッチーコピーのついた口紅「パーフェクトルージュ」が発売され、一斉を風靡。宮沢りえやDREAMS COME TRUEの吉田美和など、当時の人気女優・アーティストを起用した「レシェンテ」のCMやポスターなども注目を集めた。

■平成6~10年:茶髪・細眉・小顔の“ギャル文化”

 ルーズソックスブームをきっかけに、女子高生たちが流行の立役者に。厚底ブーツ、ミニスカートなど“ギャル文化”を象徴するファッションが、社会に大きな影響を与えるようになる。音楽シーンは、安室奈美恵、globe、TRFなど、小室哲哉がプロデュースするミュージシャンたちが中心的存在。特に、“アムラー”の出現など、安室奈美恵が社会に与える影響は大きかった。

 ★ヘアメイクポイント★・茶髪・細眉・小顔ファッションのギャル化に合わせて、ヘアメイクも“ギャル風”スタイルが流行。若い女性のヘアカラー率は9割を越え、茶髪がスタンダードに。ヘアメイクは外人風であることが求められ、眉を細く、髪色に合わせて眉をブリーチするギャルも登場。目元はパールを含んだツヤのあるアイシャドウが、リップはベージュ・ブラウンなど控えめカラーに注目が集まった。

 この時代、人気を集めたのは“今はなき伝説のブランド”資生堂「ピエヌ」。メイクを自由に楽しみ、自分自身を美しく演出するをキーワードに掲げた「ピエヌ」からは、4色セットのアイシャドウ「ドラスティックディープアイズ」や、幅広い色と質感でスタイリッシュな表情をつくり出すモード感のあるルージュなどが登場した。

■平成11~15年:囲み目&日焼け肌で“ギャル化”加速

 2000年=ミレニアムの到来で世間が盛り上がるこの時期、ストリートシーンは、ギャル系、エレガント系、裏原系など多彩になり、様々なテイストが溢れた。中でも、勢いがあったのは、90年代から続くギャルブーム。2000年初頭にかけてはギャル化が加速し、原色の服、花の飾り、個性的な化粧で仕上げた「ガングロ」ギャルたちが渋谷109を中心に現れるようになる。

 ★ヘアメイクポイント★・日焼け肌・囲み目・ブリーチ&ハイトーンカラーヘア

 「ガングロ」ギャルたちが求めたのは「日焼け肌」。日焼けサロン=いわゆる日サロに通うギャルもいれば、濃い色味のファンデーションやフェイスパウダーで、日焼け風メイクをする人も。目元は、眉を薄い色で仕上げ、ぐるっと目の際を囲み強調するのが好まれ、ヘアは明るいハイトーンのイエローやハイブリーチスタイルなど明るさが求められた。

 「ガングロ」ギャルだけでなく、世の女性たちは「目力」を求めたこの時期、資生堂「ピエヌ」からは、目元を印象的にみせる「アイラインパーフェクト」が登場。ダークトーンの引き締めカラーと、キラキラと輝くゴールドの2色が1本になった、ハイブリッドなデザインは、当時の女性たちに斬新に映り、一躍「ピエヌ」を代表するピースへと昇華した。

■平成16~20年:モテ意識の“盛りメイク”

 2008年にH&M(エイチ&エム)が日本上陸すると、ファストファッションが勢いを増す。この時期、ギャル文化からは一転、女性たちは、異性を意識した“モテファッション”に着目し、フリルやレースを使ったロマンティックなスタイルを好むようになった。

 ★ヘアメイクポイント★・つけまつ毛・リップグロス・エクステ&ヘアアイロンによる盛り髪モテファッションと連動して、ヘアメイクも女性らしさを強調させたスタイルが流行。目元は、囲み目ラインに加えて、マスカラの重ね付けやつけまつ毛でより目を大きく見せる傾向に。アイシャドウはブラウン、リップはピンクベージュの一辺倒でフェミニンに仕上げつつも、口元には、“ツヤツヤ”のリップグロスを重ねて「盛る」。ヘアも同様に「盛る」要素が取り入れられ、エクステ、ヘアアイロンでの巻き髪などボリュームのあるシルエットが人気を集めた。

 モテメイクを意識した女性たちの味方になったのが、平成17年に誕生したマキアージュ(MAQuillAGE)。ワンランク上のトータルメイクブランドとして登場し、目元・口元といったパーツメイクに加えてベースメイクを展開。“モテメイク”を楽しめるツールとして人気を集めた。

■平成21~25年:“ゆるふわ”癒し系ヘアメイク

 若年層から派生したカワイイ(KAWAII)文化・ファッションが海外からも注目されるようになったこの時期。女性たちは、新しいファッションの形として、少し肩の力が抜けた「ゆるふわ」系を一つのムーブメントとして発信するようになる。

 ★ヘアメイクポイント★・涙袋メイク・頬の高い位置にのせて血色チーク・エアリーヘア

 下まぶたにハイライトを効かせた「涙袋メイク」と頬の高い位置に頬紅を入れた「湯上り風チーク」を取り入れ、女性たちは“癒し系”を目指しすようになる。メイクにあわせてヘアも、柔らかさが求められ、毛先を内巻きにして空気を含ませたエアリーなスタイルに注目が集まった。

 チーク人気が高まるなか話題を集めたのが、マキアージュの「トゥルーチーク」。ダイヤルをひねるように本体を回転させると、その回転数に合わせて発色をコントロール。テクニックいらずで“自分好みの血色感”をゲットできると若い女性を中心に人気を集めた。また、高級馬毛 100%大型ブラシ付きという、持ち運びに便利な点も人気のポイントに。

■平成26~30年:太眉&赤リップで80'sリバイバル

 YOUTUBE、Twitter、InstagramなどSNS、動画投稿サイトの流行とスマートフォンの普及により、自撮り写真を発信する人が急増。”インスタ映え”などの言葉も流行し、他人にどう見られるかを意識する若者が増えてきた。

 ★ヘアメイクポイント★・ナチュラルな太眉・赤リップ・ボブヘア

 メイクはやや大人っぽい「レディ」「モード」がキーワードに。すると、ナチュラルで短めの太眉や赤リップなど、80年代のバブル時代を想起させるスタイルが再びカムバック。鮮やかなローズ、ビビットなピンクといった鮮やかなリップは、バブル時代以来初めての流行となった。ヘアはボブスタイルに注目が集まり、80年代は「すだれ前髪」と呼ばれていた薄く下した前髪が「シースルーバング」として再び人気の的となる。

 赤リップの流行に先駆け、SHISEIDO(資生堂)から“赤”を極めた口紅「ルージュ ルージュ」が発売。自分に似合う‟完璧な赤”に出会うことをキーワードに掲げ、ニュアンス違いで全16色の赤リップを展開。一つの色をたくさんのバリエーションでみせる斬新な発想から注目を浴びた。

■平成から新元号へ…今後のヘアメイクトレンドは?

 平成から新元号へと変わるいま、気になるのは今後のヘアメイクトレンドだ。2019年春の新作コスメからは、1つのトレンドにとらわれず気分やシーンによって様々なパターンが楽しめる、多様性のある商品がラインナップしているように見える。

 1987年より独自の調査をもとに、トレンド研究を行っている資生堂は、90年代後半の近未来的なファッション・メイクのトレンド「フューチャリスティック」がリバイバルすると予想。一人のモデルを使って、未来のメイク、そして平成流行したトレンドメイクを再現しているので、気になる人は動画もチェックしてみて。【問い合わせ先】資生堂お問い合わせ先TEL:0120-81-4710

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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