水星探査計画「ベピコロンボ」、打ち上げ日程を変更

2018年9月30日 16:02

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、国際水星探査計画BepiColombo(ベピコロンボ)ミッションの探査機を搭載するアリアン5型ロケットの打ち上げを、当初の予定である10月18日22時45分(フランス領ギアナ現地時間、日本時間の10月19日10時45分)から、翌19日の同時刻に変更したと発表した。

【計画では】JAXAの水星磁気圏探査機「みお」、10月19日打ち上げ 水星の謎に挑む

 ベピコロンボは、欧州宇宙機関(ESA)とJAXAが共同で水星を観察するミッションだ。水星の磁場、磁気圏の観測を主な目的とする水星磁気圏探査機「みお」と、水星の表面、内部の観察を行う水星表面探査機(Mercury Planetary Orbiter:MPO)で構成されている。

 JAXAは、日本の得意分野である磁場・磁気圏の観測を目的とする「みお」の開発と、水星周回軌道における運用を担当。一方ESAは、打ち上げから惑星間の空間巡航、水星周回軌道への投入、MPOの開発と運用を担当している。

 「みお」とMPOはアリアン5号ロケットにて打ち上げられ、およそ1年の任務を予定している。

 水星は、太陽に近い灼熱環境と軌道投入に要する膨大な燃料から、探査は困難であるといわれていた。太陽に最も近い惑星であり、月の直径の約1.4倍程度の大きさと、太陽系では最も小さい惑星でもある。過去の探査は米国マリナー10号やメッセンジャーが行ったものだけだった。

 未だ多くの謎に包まれている水星にも、地球と同じように磁場と磁気圏があることが確認されている。ベピコロンボの目的は、水星周辺の磁場を探査することに始まり、地球とは異なる特異な磁気圏の解明も含まれている。また太陽に近いという点を生かし、太陽近傍の強い衝撃波を観測し、そのエネルギー過程を解明することができるのではといわれている。(記事:中川リナ・記事一覧を見る

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