乃木坂46和田まあやが見せたプロ根性

2018年7月30日 21:08

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 NHKBSプレミアムで放送されている『乃木坂46のガクたび』は、乃木坂48のメンバーが巷の学校に転校生として訪れ、学園生活をエンジョイするという、比較的ゆるやかで、それだけにリラックスした素の彼女たちの様子が楽しめるということでファンには人気のある番組だが、28日に放送された回では、感動と賛美、そして運営への不満が飛び交う、ちょっとした「神回」となったとして話題になっている。

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 この回では、いつものゆるゆるな学園生活ではなく、ダンスの全国大会上位常連校のダンス部に所属してガチの練習をし、大会で審査を受けるというチャレンジ企画となっていた。

 ダンス部員を選抜のAチームと非選抜のBチームに分け、6人のメンバーが3人ずつチームに所属してダンスの完成度を競うというもので、舞台となった山村国際高校ダンス部は関東大会での優勝校で、西高東低の状態を覆すべく必死に練習を重ねている強豪校だという。

 選抜のAチームに入ったのは、井上小百合、渡辺みり愛、梅澤美波の3人。いっぽうのBチームには衛藤美彩、伊藤純奈、阪口珠美の3人が入った。

 詳しい内容は割愛するが、問題はハードスケジュール。1カ月でダンスを揃えなければいけないにも関わらず、この時期はライブツアーの直前。さらに個人仕事も増えている乃木坂メンバーは、なかなか練習の時間が取れない。

 それでも、伊藤純奈や渡辺みり愛などが学校に向かい、短時間で打ち合わせ、レッスンをこなして仲間に伝えるなど、真剣な雰囲気が緊張感を高めていく。さらに、ダンスの大会は、全国ツアーの神宮・秩父宮のシンクロライブの2日後。

 そして衛藤美彩がライブの披露で体調を崩してしまい、参加ができないという最悪の事態に陥ってしまう。

 そこで、白羽の矢が立ったのが、乃木坂のバラエティ番長として、ドランクドラゴン鈴木拓からも大きな評価を得ている和田まあやだった。

 乃木坂のメンバーの中でもダンスが上手い方に入る和田ではあるが、さすがに2日後に大会を控えた状態、練習は前日の4時間のみ、もちろん一緒に踊る高校生とは当日まで顔を合わせる時間もない。案の定練習では、焦りで涙を流す姿も見られたが、それでも「みんなに迷惑はかけられない」と必死に練習する姿に、多くのファンが胸を打たれたようだ。

 そして当日、残念ながら彼女の所属するチームBは負けてしまったものの「私が壊しちゃった」と号泣しながら謝罪する彼女をすべての関係者が絶賛していた。

 この回で目立ったのは、和田をはじめとする乃木坂メンバーのプロ意識の高さだった。得意のダンスとはいえ、全国大会レベルの強豪校のダンス部員と一体化するところまで洗練させるのは難しい。

 それでもダンス経験の豊富な渡辺みり愛や阪口珠美は初日からしなやかなダンスで食らいつき、主役(センター)に抜擢された伊藤純奈は度胸の良さと妖艶さで高校生をリードしていく。話しているときの人懐っこさと、ダンスのときのスイッチが入った表情のギャップは、彼女たちのプライドを感じさせずにはいられなかった。

 また、リタイアしてしまったが、非選抜のBチームに所属した衛藤美彩は、自分もアンダー時代が長かったせいか、落胆する生徒たちを上手に鼓舞し、モチベーションを支えていた。

 そして代打の和田も、「しかたない」と言われる状況に甘えることなく自分を責め、それでいて他のンバーや学生を元気づけることを忘れていなかった。

 最近のアイドルは、ファンとの距離が近く、親しみやすいのはいいことなのだが、そのことに甘えて、必要以上に彼女たちに馴れ馴れしく、あるいは居丈高な態度を示すファンもいるようだ。しかし、こういう番組を通じて、高い責任感と向上心を持つ、プロフェッショナルである部分への理解が少しでも深まれば、よりよい関係性が作れていくのではないかと思う。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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