斉彬の見据える未来に吉之助が驚愕!「西郷どん」11話レビュー

2018年3月20日 11:53

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■斉彬と井伊直弼の対立が深まる11話

 2018年大河ドラマ「西郷どん」の第11話が3月18日に放送された。斉彬が外国からの侵略をけん制しようとする中、江戸幕府の大きな思惑にどんどん飲まれていく様子が描かれ始めた。その周りで吉之助も動き始めるも、まだまだ青さが残る姿を見せている。

【前回は】篤姫の幸せはどこに?「西郷どん」10話レビュー

■斉彬の元で奔走する吉之助

 斉彬(渡辺謙)が一橋慶喜(松田翔太)を次の将軍にするため奔走する中、江戸幕府の大老である井伊直弼(佐野史郎)が待ったをかける。直弼は斉彬と違って幕府の権力を維持させることに集中しており、次の将軍には徳川慶福を計画している。2人の意見は正面から衝突し、水面下でお互いに動き続けていた。

 その中で斉彬は篤姫(北川景子)を将軍家へ輿入れする準備を進めるも、彼の跡継ぎとなる予定だった虎寿丸が突如亡くなってしまう。薩摩藩の武士全てが失意に陥る中、斉彬だけは外国に備えるため仕事に没頭していった。同時に、慶喜の父である斉昭(伊武雅刀)との密会を行うも、慶喜は将軍になるつもりはないと言い張ってその場を出て行ってしまう。

 あまりの出来事に立ち往生してしまう吉之助だが、息子の死と根を詰めて仕事をしたことがたたり斉彬はその場で倒れてしまう。吉之助が一心不乱に祈った甲斐もあって一命をとりとめるも、相変わらず体調がすぐれない状態が続く。

■斉彬に忍び寄る影……

 虎寿丸の死と斉彬の体調不良に、薩摩藩出身の武士たちは再び島津斉興(鹿賀丈史)の妻である由羅(小柳ルミ子)が呪っていると言い始める。一向に一枚岩になりきれない薩摩藩だが、吉之助は斉彬の食事に毒が盛られている可能性を発見する。

 斉彬の御前から魚を拝借した吉之助は、信頼できる橋本左内(風間俊介)の元へ向かう。彼の診断で斉彬の食事にはヒ素が含まれていることが判明し、徐々に身体へ影響が出るように仕向けられていたのがわかる。あとは犯人を突き止めるだけかと思ったが、吉之助と左内がいた場所にお面をかぶった暗殺者が襲来。

 なんとか窮地を脱するも、吉之助はその暗殺者が斉興の手先であると疑心暗鬼に陥る。それでも吉之助は何の証拠もないまま2人が隠居している屋敷に向かってしまい、あらぬ疑いを掛けて自分が恥をかくことになる。なんとか殿のためになりたい一心で斉興に直訴したが、その行動が斉彬の怒りを買うことになってしまう。

 吉之助の先走った行動は青臭く、まだまだ青年であることを象徴したエピソードとなっていた。また、激昂した斉彬が吉之助を叱りつけるシーンは非常に印象深く、ベテラン俳優の底力を見せつけられた。

 「西郷どん」はNHKにて毎週日曜日20時から放送中。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る

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