謎の稀少生物・珍渦虫の新種、日本近海で初の発見 筑波大学などの研究

2017年12月27日 07:04

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三浦半島沖で採取された珍渦虫 Xenoturbella japonica。体長は5cm程度である写真の左側が前方であり、右側が後方。中央をベルト状に横断する線があるのが珍渦虫の特徴。撮影:大森紹仁。(画像:筑波大学発表資料より)

三浦半島沖で採取された珍渦虫 Xenoturbella japonica。体長は5cm程度である写真の左側が前方であり、右側が後方。中央をベルト状に横断する線があるのが珍渦虫の特徴。撮影:大森紹仁。(画像:筑波大学発表資料より)[写真拡大]

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 珍渦虫(ちんうずむし)という海棲生物がいる。最初の発見は1878年にまで遡るのだが、謎の多い生き物で、進化史上においてどのような位置付けにいるのかも、いまだによく分かっていない。その珍渦虫の新種が、初めて日本近海で発見されたと筑波大学、国立遺伝学研究所、北海道大学、東京大学大学院理学系研究科によって報告された。

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 かれらは脳もしくはそれに類する神経を持たない。またかれらは、肛門、体腔すらも持たない。推測にすぎない段階だが、もしかしたらかれらは、我々高等生物が高等生物になる以前の、最古の生命の特徴を今に伝える存在であるのかもしれない。

 ただ、かれらは稀少種である。種自体がまだ5つしか発見されておらず、そんなに生息数がいるわけでもなく採取が困難で、研究が進んでいない。卵生であることは分かっているが、幼生がどのような姿を取り、どうやって成体になるのか、という程度のことすら分かっていない。

 今回の発見は、西太平洋、日本近海で見つかった個体に関するものである。これは既存の5種の珍渦虫のいずれにも属さない新種であり、また、珍渦虫としては初めて発見される新しい器官を備えていることが明らかになった。

 珍渦虫は現在、珍無腸動物門という門に便宜的というべき形で分類されている。珍無腸動物門というのはかれら珍渦虫を分類するためだけに作られた門である。2016年に発表された学説では、珍渦虫はクラゲなどに近い仲間なのではないかというのだが、その真偽はまだ誰にとっても明らかではない。

 ちなみに他の珍渦虫は極北の海で見つかるものであり、今回発見された新種は比較的採取が容易であると見られ、これによる研究の進展が期待されている。

 なお、関連論文は、BMC Evolutionary Biologyに掲載されている。(藤沢文太)

関連キーワード東京大学筑波大学北海道大学国立遺伝学研究所

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