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富山大、新種のクリオネを発見 北半球最南、日本海固有種か
富山湾の日本海固有水から採集されたハダカカメガイ(クリオネ)。写真は「北海道蘭越町貝の館」館長山崎友資氏提供。(写真:富山大学発表資料より)[写真拡大]
富山大学などの研究グループは、富山湾の深海で、クリオネことハダカカメガイの新種を発見した。クリオネの発見例としては北半球で最南となり、日本海固有種である可能性があるという。
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クリオネは観賞用として人気が高く、「流氷の天使」、「氷の妖精」などの異名を持つ。ハダカカメガイ科ハダカカメガイ属の仲間で、その名の通り、貝の仲間である。ただし、成長すると貝殻を完全に失うという性質を持っている。南極と北極を中心に、北半球にも南半球にも広く分布するが、基本的には寒冷海域の生物であり、日本では北海道、オホーツク海沿岸に生息するハダカカメガイとダルマハダカカメガイしか知られていなかった。
なお、今回発見された新種はクリオネとしては5種目で、名はまだ決められていないという。ちなみに4種目は昨年発見されたばかりだが、そちらは約100年ぶりのクリオネの新種発見であった。相次ぐ発見、というわけだ。
富山湾は日本列島の日本海沿岸部においては最大の外洋性内湾である。日本の湾の中でもとりわけ水深が深く、海洋資源の豊富さで知られる。水深300メートル以下の部分には日本海固有水と呼ばれる海洋深層水があり、水温が1~2度と冷たいため、冷たい海に暮らす魚類などが多数生息する。今回発見された新種のクリオネもその類であったと考えられる。
富山湾で発見された新種のクリオネは、生息数はかなり多いと見られている。クリオネの餌となるのはミジンウキマイマイという貝の一種であるが、これが海水の酸性化に弱いという性質を持っているため、このクリオネの生息状況を調べることで、富山湾の酸性化について分析できる可能性があるという。
今後、正式名称の決定が行われ、北海道蘭越町貝の館や、富山県魚津市にある魚津水族館などで展示される予定となっている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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