1ドル112円台を回復、その要因は 10月17日のドル円為替

2017年10月17日 18:42

印刷

 10月2週目は1ドル111円87銭でクローズし、3週目はドル買いからスタート、10月16日7:35(すべて日本時間)ごろには1ドル111円98銭、10:05ごろには1ドル112円08銭とここまでは堅調に112円台に回復している。しかしその後は反発、16:30には1ドル111円65銭までドルは売られた。

【こちらも】東京為替:ドル・円は値を戻す展開、米長期金利が上昇

 21:30には10月ニューヨーク連銀製造業景気指数が3年ぶりの高水準をつけて1ドル111円88銭まで回復【結果30.2 事前予想20.4 前回24.4】。買いが一巡すると再度反発し、日付の変わった17日0:00には1ドル111円66銭となっている。

 ここからドルは大きく伸びることになるが要因はいくつも考えられる。

・トランプ大統領が税制改革の強化を再度アピールした点
・トランプ大統領が次期FRB議長にややタカ派寄りのスタンフォード大ジョン・テイラー教授を評価している点
・米国北朝鮮担当代表が今週にもソウルを訪問、米朝の代表者がモスクワで対話するとの報道があった点

 このように地政学リスクがやや後退していく中で、トランプ大統領の税制改革、FRBの金融紗政策への期待感が高まっているのが、10年債利回りを上昇させ、ニューヨーク市場でのドル買いを加速させた。17日4:00ごろには1ドル112円29銭まで上昇、9:30ごろには1ドル112円31銭の上値をつけている。

 ワシントンで開かれた日米経済対話では、インフラ開発への協力態勢の確認が取り上げられ、心配されていた日米貿易不均衡是正は議題にあがっていないようだ。日本では与党が衆議院選挙において優勢に進めており、これが日経平均株価の上昇につながっている。さらに円安ドル高の傾向にも影響を与えている。

 地政学リスクが後退しているとはいえ、18日の中国共産党大会までは北朝鮮の動向には警戒が必要となるだろう。12月の追加利上げがすでに織り込み済みになってきていることがドルの下値を限定的なものにしているが、CPIは事前予想を下回っており、インフレの低水準は改善されていないこともリスクの一つとなるだろう。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事