【テスラ死亡事故】37分走行中わずか25秒しかハンドル握らず 自動運転への過信

2017年9月18日 20:21

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テスラ・モデルSのインテリア (c) 123rf

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 米運輸安全委員会(NTSB)は、テスラの電気自動車で2016年に起きた衝突死亡事故について、自動運転(オートパイロット)機能が「原因の1つ」だとの結論を記した報告書を公表した。この事故は2016年5月、テスラの「モデルS」を運転していた40歳の男性がフロリダ州のフリーウェイで直進していたところ、左折で交差点を横切ろうとしたトレーラーの側面に衝突して死亡したものである。その際にはオートパイロット機能が作動していた。そして、テスラのAIが目前にある大きな障害物を見落としたという現実があるのだ。

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■事故に関する徹底した調査

 NTSBは、今年6月には当該事故について500ページにも上る調査結果を公表している。その内容には、高速道路の設計、自動車の性能、人間の能力などさまざまな要素が記載されている。たしかに、すべてに事故との因果関係があるはずである。また、衝突再現に関するレポートもあって、破壊に至るまでの流れの説明、関係者へのインタビュー、写真など詳細まで徹底した調査ぶりに感心させられる。

 当事者であるテスラもそれら資料の提出には積極的であると見える。自動運転車の開発に躍起になっているライバル会社においても、この報告には興味津々であろう。この貴重なデータは、自社の開発のヒントになることは間違いないからである。消費者にとってもそれは同じことである。

 日本で同様の事故が起こったら、国土交通省がここまでの調査を行うかどうかはとても疑問であるのだが、ぜひ日本の産業振興のため励行してほしいものである。一時は不信感を買うかもしれないが、その欠点を補うことができて初めて品質保証を確立していくことができるからである。三菱自動車の二の舞は避けたい。

■ドライバーの過信

 NTSBが調査した結果、ドライバーは、ハンドルを握る必要があった37分間の走行中、わずか25秒しか握っていなかったと判明した。当然、テスラのプログラムでは警告システムがあり、ドライバーがハンドルを握っている状態が検出できなかったため、視覚的警告を7回、警告音で6回の警告を行っていたという。それでも、ドライバーはテスラのオートパイロット機能を過信したのか、ハンドルを握らなかった可能性があるのだ。別の記事で、筆者が「人間は余裕を使い果たしてしまう」と記したことがあるが、その通りになっているのではないか。

 そのためかどうかはわからないが、NTSBは今回の分析結果では、自動運転システム「オートパイロット」の設計上の「不備」が一因との結論を公表している。事故の発生場所は交差点であり、条件が複雑であるのと、レーダーやカメラなどの先進技術が未熟であるため、自動運転車においてはまだまだ未完成の領域である。そのような状況下で最高時速90マイルでの走行を可能にしているのは「不備」であるとしたようである。

 またNTSBは、「運転以外のことに注意をそらす余地をドライバーに与え過ぎた」とも言及している。その通りであるのだが、メーカーにとってはなかなか厳しいアドバイスであると思う。しかし、プログラムとはそういうものである。完全自動運転(レベル5)に到達するまでは、外してはならない部分であろう。

 もう1つ、自動運転車のドライバーに釘をさしておかなければならないのは、「プログラムとは万能ではない」ということだ。それどころかテスラのオーナーのなかには、手放しでどれだけ長く運転できるかどうかを競うために、プログラムをだます行為を行っているという。そこまでいくと、子供じみているとしか言いようがない。

 当該事故で死亡した男性の遺族は、事故はテスラ車のせいにするべきではないとの考えを示しているという。(kenzoogata)

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