宇宙線利用した大規模構造物透視技術、「ミュオグラフィ」の共同開発開始

2017年5月20日 12:21

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左が測定対象、右がミュオグラフィによる測定結果。(画像:NEC発表資料より)

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 東京大学とNEC、ハンガリー科学アカデミーは、透過性の強い宇宙線「ミューオン」を利用した、火山などの自然構造物や橋梁などの大型建造物のいずれにも応用可能な構造物内部の透視画像化技術、「ミオグラフィ」による測定システムの共同開発に乗り出す。

【こちらも】名大、宇宙線ミュー粒子で福島第一原発の中を透視

 宇宙線というのは、宇宙から地球に降り注いでいる、原子核や素粒子である。宇宙線は大気の酸素や窒素の原子核と核反応を起こし、ミュー粒子(ミューオン)を常時発生させている。この粒子は高い透過性を持つのだが、高密度の物質に対しては透過力が及ばないという性質を持つ。これを利用したものが、ミュオグラフィである。

 ミュオグラフィはミューオンの飛来した方向と数を検出することで、巨大な物体の内部の密度分布を調べることを可能とする。原理そのものは、レントゲン写真に似ているという。2006年、東京大学の田中宏幸教授らが、世界で初めて火山を対象としてミュオグラフィを行うことに成功している。

 ただし、現状のミュオグラフィ技術は、ある程度は実用化されてはいるが、雑音などの環境要因に弱いこと、機器のサイズの問題、そしてコスト面の問題から、非破壊検査の技術として確固たる地歩を築くには至っていない。共同開発の路程は、まず機器の小型化、次いで高精度化などの技術革新、そして技術検証ノウハウの蓄積であるという。

 ミュオグラフィに期待されるのは、火山など巨大でかつ観測のニーズが高い自然物、橋梁の地中埋没部などの探査が難しい部位に対する新たなる非破壊検査技術としての地位である。

 東大、ハンガリー科学アカデミー、そしてNECは共同で構造物のデータを収集、NECの独自画像処理技術である最先端AI技術「NEC the WISE」や既存のシステムとの連携をはかり、危険予知や事前対処などに応用できる、技術開発を進めていくという。(藤沢文太)

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