【野球】中村紀洋氏、コーチ就任会見 「子供たちを全力サポート」

2017年5月2日 09:22

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 4月1日付で浜松開成館高校(静岡)の外部コーチに就いた中村紀洋氏(43)の就任会見が1日、浜松市内にある同校で行われた。

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 会見には、中村氏本人の他、高林一文理事長、佐野心野球部監督、磯部修三野球部名誉監督も出席した。

■中村氏の会見要旨


 中村氏は記者会見で、「自分自身の経験をもとにサポートしていきたい。学校の考えに知育、徳育、体育とある。特に徳育について考えが合致したので引き受けた。スポーツを通して子供たちに生きる力を与えるとともに、野球の夢をサポートして、一つでも上を目指して頑張っていきたい」と力強く挨拶した。

 また、コーチに就任した経緯として、「佐野監督とは入団が同期で、そのつながりから今年2月に『打撃と守備を見てほしい』という依頼があった。監督からは私の指導で生徒たちが笑顔になっていることを評価され、私自身選手たちの力になれればと思って決断した」と語った。

■すでに効果が現れている部分も


 すでに3月下旬に1回、4月に2回練習試合を見ながら、選手の動きなどをチェックした上で指導を行っている。技術については、「スイングは上から下に」、「体の回転を使ってレベルに振る」など基本を重視。「一人でも多く思い切り振れる打者が出てくれば」と考えているという。

 中村氏の指導による効果も出てきているようだ。佐野監督によると、「これまで練習試合でもあまり本塁打が出ないチームだったが、中村氏が指導してからは4月の1カ月だけでチーム本塁打が10本増えている」とのこと。

 佐野監督は常葉学園菊川高校で野球部部長・監督を務めていた。当時は機動力野球を掲げて、部長時代の07年春の選抜高校野球大会で優勝、監督として翌年の夏の甲子園で準優勝に導いた。

 16年4月からは浜松開成館高校の野球部部長に、今年3月から監督に就任。バントをしない超攻撃的野球をモットーとしたチームづくりを進めており、そういった点でも中村氏のコーチ就任は適任とも言える。

■理事長も大きく期待


 中村氏のコーチ就任には、高林理事長も「素晴らしい指導者を迎えられた」と歓迎。中村氏は「自分の経験をもとにサポートして、最終的には甲子園を目指す。それとともに、プロや社会人、メジャーと夢を大きく持ってもらえるように導きたい」と意気込みを語った。

 また、佐野監督は「技術的な指導だけでなく、23年間のプロ生活で6球団に在籍した実体験を伝えてもらいたい」と期待を込めた。

 中村氏は、「もうさすがにプロの舞台でのプレーは無理」とプレーでの復帰は否定。「何かに挑戦し続ける姿勢を示すことで生涯現役の意気込みを伝えたい」と述べた。

 NPB通算22年で2101安打、404本塁打を放った中村氏。新しい挑戦が、浜松を舞台にはじまる。(記事:夏目玲奈・記事一覧を見る

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