【野球】近鉄などで活躍した中村紀洋氏、浜松開成館高校のコーチ就任

2017年4月28日 07:38

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 近鉄、中日、横浜DeNAなどでプレーし、「ノリ」の愛称で親しまれてきた中村紀洋氏(43)が浜松開成館高校(静岡)のコーチに就任したことが26日、明らかになった。

 中村氏は16年2月に高校、大学の指導資格回復の認定を受けており、4月1日付で外部コーチとして迎えられた。学校側はあらためて、5月1日に同校内で就任挨拶と記者会見を行う予定。

■就任までの経緯


 同じ年に入団した元中日ドラゴンズの外野手で、常葉学園菊川高校(静岡)の野球部監督も務めた、浜松開成館高校野球部の佐野心監督から声をかけられて、同校のコーチに就任。

 現在は、外部コーチとして週末に4、5回程度守備と打撃の指導を行っている。

●少年野球教室なども行っている


 中村氏は14年に所属していた横浜Denaベイスターズより戦力外通告を受け、自由契約となってからも現役続行を表明していたが、NPB球団からのオファーはなかった。「生涯現役」として引退宣言こそしていないものの、実質「引退」状態となっている。

 戦力外通告後は、プロ野球選手としての活動こそ見られないものの、15年には西宮市内で小学校高学年から中学生の男女を対象にした野球教室を開校するなど、少年野球の指導など様々な業務に熱心に取り組んできた。

 メジャーでもプレーした経験があり、日本で2000本安打を打った選手が高校生を指導するのは異例のこと。しかし、本人も「ホームランバッターの育成に取り組みたい」と語るなど高校でのコーチ業に意欲的な様子を見せている。

 また、招聘した佐野監督も「経験豊富な中村氏から教えを受けた選手も、『目からうろこ』の指導ばかりで、どの選手も熱心に聞いている」として、「来てくれる時は彼に任せる。少なくとも1年間は指導をお願いしたい」とコメントしている。

 近鉄時代は「いてまえ打線」の主軸として活躍。2000年には本塁打王、2000年と2001年には打点王を獲得するなど2101安打、404本塁打、1348打点(いずれもNPB通算)を記録した強打者だった中村氏。

 また、守備でも三塁手としてゴールデングラブ賞を7度受賞している。特にイレギュラーバウンドや逆シングルでのグラブさばきが巧さに定評があった。

 浜松開成館は1998年の男女共学化に伴って野球部が創設され、野球では新興勢力。春夏とも甲子園への出場経験はなく、昨夏の県大会も4回戦で日大三島に敗れているが、中村氏の指導によって打撃力の向上だけでなく、守備力の向上も期待できる。

■元プロ選手の野球資格回復


 長い間プロ・アマ間の断絶が続いてきた野球界だが、13年よりプロ・アマ双方の研修を受講することで高校や大学で指導できる制度が制定されている。

 今春からは、野球殿堂入りしているものに限り研修が免除され、プロ側の面談とアマ側にリポートを提出、審査に合格次第資格回復となる。

 同制度により適正認定者は、現在喪失中の者を含め、計1,000人以上を数える。(記事:夏目玲奈・記事一覧を見る

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