明治、「チョコレートを食べると脳が若返る」という研究結果を発表

2017年1月21日 17:17

印刷

チョコレートはおいしい。しかし食べ過ぎには注意が必要だ。(画像:いらすとや)

チョコレートはおいしい。しかし食べ過ぎには注意が必要だ。(画像:いらすとや)[写真拡大]

 明治の行った研究によると、カカオ濃度の高い(70%以上)チョコレートには、脳の若返りをもたらす効果があるかもしれないという。脳の若返りとは、具体的にいうと、「脳の持つ学習機能が、より若年時に近い状態になる」ということである。

 この実証研究は、45歳から68歳の成人男女(15名ずつ)を被験者として行われた。カカオ分70%以上のチョコレートを4週間に渡って摂取させ、その前後での脳の変化を調べたところ、大脳皮質(学習能力に関与する脳の部位)の量を表す指標であるGM-BHQに関し、増加が見られたとのことである。

 一般論としてのカカオの薬効そのものは、古くから知られている。その昔、まだチョコレートの加工法すら生まれる前、そしてヨーロッパ人が南米でカカオに出会う前のこと、カカオをすり潰して作った「カカワトル」は、中南米諸地域において、王や貴族、戦士階級または結婚式に臨む新郎新婦だけが口にすることの許された、「強精の為の飲み物」であった。

 時代は下って現代、チョコレート(カカオ)の薬効の特異性は、テオブロミンという成分にあることが知られている。カカオにはもちろん他にもカフェイン、ビタミン、ポリフェノールなど様々な栄養素が含まれるが、カフェインやビタミンは色々な食品に含まれ、その薬効は一般に広く知られている。

 これに対しテオブロミンは、自然界ではカカオの成分として以外ではあまり存在することのない珍しいアルカロイドである。これには集中力、記憶力などを高める効果があることが知られているから、明治の研究の結果も頷けるところである。

 ただし、そうかといって高カカオチョコレートをたくさん食べるのは、そうお勧めし切れない部分もある。高カカオチョコレートにはノンシュガーやローシュガーを謳って低カロリー食品のように印象付けている商品がまま見られるが、カカオはそれ自体で脂肪分が多いため、高カカオチョコレートのカロリーと脂質はおしなべて高い。また、利尿作用や興奮作用があり、さらには人によってアレルギーを起こすこともあるため、安易な過剰摂取は危険だ。

 とは言うものの、基本的にはもちろんチョコレートは栄養豊富で、体に、そして脳にもよい。節度を守って、おいしく食べよう。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事